声優陣とバンドメンバー、相思相愛

ASH　僕は原作の連載第1話から読んでて大好きだったから、アニメを観てまず感じたのは「世一が動いてる、尊い。蜂楽が動いている、尊い」で。だから今日のおふたりとの座談会もとにかく尊いんです。大丈夫？ 俺、息できてる？

Narukaze　大丈夫、息してる。本当に尊いよね。

浦 和希　そんなふうに言ってもらえたら僕らとしても役者冥利に尽きるというか……すごくうれしいです。そして2クール目に最高のオープニング主題歌「Judgement」を提供いただいてありがとうございます。

ASH　うれしい、ありがとうございます！

浦　視聴者と同じく僕たちも絵が入った状態のオープニングは放送時に初めて観たんですけど、「カッコよ過ぎだろ！」って思いました。それまで以上にエゴが激しくなる2クール目に合った、すごくパワーを感じるような熱い歌声やサウンドでうれしくなりました。

海渡 翼　僕はもう……本当に好きです。

浦　さっきのASHさんみたいになってる！（笑）

海渡　2クール目で行われる二次セレクションのスリリングな雰囲気に合ってるし、歌詞には潔や千切、凪といったキャラクターの名前がちりばめられていて。

浦　そうそうそうそう！

ASH　（「わかってるね」というふうに海渡へ指ハートを向ける）

海渡　（笑）。しかもキャラクターの心情なんかも歌詞に詰め込まれていて、歌詞を噛み締めながら観るとたまらなくなるオープニングですね。

浦　本当にそうだよね。あと、たまたまNarukazeさんが昔やっていたバンドのメンバーと僕が友人で、その人から「ASH DA HEROがやるなら絶対にいい曲だから、マジで楽しみにしてて」と言われていたんです。

Narukaze　あいつ、ハードル上げとったんか。

浦　でも、そのハードルも簡単に超えるような素晴らしい曲でした。鳥肌が出ました。

ASH　超えたのかな？ 逆に下をくぐったのかもしれない。

Narukaze　横に避けたのかもしれない。

一同　（笑）。

ASH　僕らはメンバー揃っての取材か何かのあとに初めて「Judgement」が流れるオンエアがあったので、そのまま全員で一緒に観たんですよ。そわそわしながら。

Narukaze　「このCMのあとに来るよね」なんて言いながら。

ASH　「あー、まだ来ない」とか言って。それでオープニング流れた瞬間にガタッてなりました。

海渡　僕もあの放送だけは「せっかくの機会だから」と爆音で観ました。興奮しましたね。

ASH　そもそも僕らはタイアップが決まったと報告を受けたときもやばかったですよ。ライブ後の楽屋で伝えられたんですけど、もうみんな叫んで楽屋が揺れてたもんね。たぶんフロアに聞こえていたと思う。

Narukaze　僕は普段あまり声を張らないんですけど、久々に大声を出しました。

ASH　僕は声が出なかった。語彙がなくなった。うれしすぎて尊くてしんどくて、ちょっと疲れた（笑）。

浦　いやー、でも気持ちはわかりますよ。僕らもオーディションに受かったときはそうなりますし。

海渡　本当になるよね。

浦　それこそ「ブルーロック」に受かったときは、マネージャーから電話で教えてもらったんですけど、「うわあああああ！」って大声が出ましたもん。「ブルーロック」の潔役に決まりました、なんて「そんないつものテンションで言わないで」って思ったり。

海渡　僕は別件で事務所に来るように言われて、別のことをしてたらマネージャーがちょっといなくなり、戻ってきたら「『ブルーロック』の蜂楽役に決まったよ」って。瞬間、「よっしゃぁぁぁ!!」って叫びながら何度もガッツポーズしました。

あのCMは僕じゃないんですよ！（浦）

──ASH DA HEROは2クール目放送後に反響が増えましたか？

ASH　もちろん！ いっぱい来ましたけど、従兄弟からも久々にLINEが来ました。「久しぶり。『ブルーロック』熱いですね。オープニング主題歌がとてもアニメに合っています」って。

浦　従兄弟ってのがリアル（笑）。素直な感想でいいですね。

ASH　別のお仕事でお会いした元日本代表選手の中村憲剛さんも「『ブルーロック』の曲、すごくいいですね、最高です」と言ってくださって。そういった普段と違う反響を肌で感じています。

Narukaze　YouTubeにアップロードしたMVのコメントも、海外からのコメントが多い気がする。

浦　アニメは海外の方も観てますもんね。普段「ブルーロック」がトレンド入りするときってカタカナなんですけど、去年のワールドカップで日本が勝った時は英語でトレンド入りしていたんです。そのときは海外でも観られていると感じられて、アニメのスタッフさんと喜びました。

──ワールドカップの話が出たので伺いたいのですが……あの大会の試合中継時に「ブルーロック」のゲームアプリのCMがよく流れていたと思いますが、あのナレーションは浦さんですか？

浦　あれ、僕じゃないんですよ！ ほかの「ブルーロック」のCMはほとんどが担当しているんですが、あれだけ違ってて。「なんで僕じゃないんだ」と思いました。

一同　（笑）。

──それは……惜しかったですね。コスタリカ戦なんて視聴率が40％を超えていたから、日本中に声を届けられるチャンスだったかなと。

浦　だからいろんな人から連絡が来ました。「あれ、浦がやってるの？」って。毎回「実は僕じゃない」と説明するのがちょっと悔しかったです。あのCMも素敵なナレーションでしたけど、これを機に僕バージョンも作ってもらいたいですね（笑）。（スタッフを見ながら）お願いします！

ASH　（スタッフを見ながら）ナレーションは浦くんが声をやって、後ろで流れてる曲は僕らがやるんで。

浦　そうですよね、よろしくお願いします！

ASH　自分らしさを出していこう！

──おふたりのエゴい部分が見られたところで、「Judgement」について深く聞かせてください。先ほど浦さんと海渡さんは絶賛していましたが、好きなポイントを細かく教えてください。

浦　まずはサビの「選べ Judgement!!」の口ずさみたくなるようなメロディというか、キャッチーさが本当にすごいですよね。聴いて一発で覚えちゃうし、「Judgement」という言葉にいろんな含みがありますよね。断罪的な意味合いや「ブルーロック」で重要視される自分の判断というのも感じられて、本当に憎いです。

ASH　Naruくんが書いてくれたメロディがそもそも超キャッチーだったんですけど、そこに何かリフレインさせてより耳に残る感じにしようと少し変えた部分ですね。そこで何を繰り返すか考え、「ブルーロック」2クール目で二次セレクションを突破するために必要になる決断や自分への審判といった要素から「Judgement」という言葉が出てきました。

海渡　歌詞で言うと、僕はやっぱりさっきも言ったキャラクターの名前が入っているところで楽しませてもらいました。

ASH　もともとは全部英詞だったんですよ。でも歌詞の大枠ができて、レコーディングをする前に「もう少し引っかかりが欲しいよね」とメンバーやスタッフと相談するなかで、「キャラクターの名前を忍ばせたら作品ファンが喜んでくれるんじゃない？ アハ体験になるんじゃない？」と思いついて、自分なりのフェイントとして入れてみました。さあ、何人いるでしょうか？

──ちなみに馬狼や蜂楽の名前は入ってないんですか？

ASH　あら、気付いてないですか？（笑） 二次セレクションの主要キャラの名前はそこかしこに隠れているので、ぜひ探してみてください。平仮名にするといいかもしれませんね。

海渡　音の面では「ブルーロック」らしい、激しさや内に秘めた熱さ、疾走感があって好きです。

Narukaze　原作を読んだときのスピード感やちょっと普通じゃない感じを表現しようと思って作曲しました。あと僕がサッカーしていていたときのヒリヒリ感を体が覚えていたのでそれも足して。

海渡　イントロのギターの動画もTwitterにアップされていたじゃないですか。あそこ、カッコよくて好きです。

Narukaze　ありがとうございます。今回はギターだけでなく、どのパートも攻めました。全員FWの作品なので、バンドも守っているメンバーがいません。だからすごく難しいんですけど、年明けのライブで1回やったときはすごい熱量が出せて驚きました。