コミックナタリー PowerPush - 映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
日本発のライトノベルがハリウッドで実写映画に 原作者・桜坂洋が語る発想の源泉と映画への期待
週刊ヤングジャンプ(集英社)にて小畑健によるマンガ版も連載されていた、桜坂洋のライトノベル「All You Need Is Kill」が、ハリウッドの地で実写映画化を果たした。日本では「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のタイトルで7月4日に封切られる。
コミックナタリーでは映画公開を前に、原作者である桜坂にインタビューを敢行。映画の見どころはもちろん、マンガ版の印象、原作執筆時の裏話からハリウッドでの映像化に至るまでの経緯を語ってもらった。
取材・文/宮津友徳 インタビュー撮影/唐木元
マルチメディア展開
筒井康隆らSFの大家から激賛を受け、第36回星雲賞の候補作にも挙げられるなど、高い評価を受けてきたライトノベル「All You Need Is Kill」。そのコミカライズは「DEATH NOTE」「バクマン。」で知られる小畑健が手がけ、アメリカをはじめ、イギリス、フランス、スペインなど複数国での単行本同時発売という快挙を果たした。そして7月4日にはトム・クルーズ主演、ダグ・ライマン監督による実写映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」がいよいよ公開を迎える。
映画あらすじ
「ギタイ」と呼ばれる謎の侵略者からの襲撃を受け、壊滅状態に陥ってしまった世界。軍のPR業務を担当する主人公のウィリアム・ケイジは、ある日辞令を受け戦いの最前線へと駆り出されることに。何とかして出撃の命令から逃れ、身の安全を確保しようと画策するケイジだったが、出撃の朝を迎え開戦5分で命を落としてしまう。次の瞬間、死んだはずのケイジは出撃前日の軍施設にて目を覚まし……。
- 映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
- 映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」2014年7月4日(金)2D/3D公開
謎の侵略者“ギタイ”からの激しい攻撃で、滅亡寸前に追い込まれた世界。戦闘スキルゼロのケイジ少佐は最前線に送り込まれ、開戦5分で命を落とす。だが次の瞬間、彼は出撃前日に戻っていた。その時から同じ日を無限に繰り返すケイジ。やがて彼は最強の女性兵士リタと出逢う。ケイジのループ能力が敵を倒す鍵になると確信したリタは、彼を強靭な“兵器”に変えるべく、徹底的に鍛え上げる。“戦う・死ぬ・目覚める”のループを繰り返すことで別人のように成長したケイジは、世界を、そしてかけがえのない存在となったリタを守りきることができるのか──?
監督:ダグ・ライマン
脚本:クリストファー・マッカリー、ジェズ・バターワース&ジョン=ヘンリー・バターワース
出演:トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン
原作:桜坂洋「All You Need Is Kill」(集英社・スーパーダッシュ文庫刊)
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が身体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死──死すら日常になる毎日。ループが158回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する……。ひとりの兵士の成長と選択を描く、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか!?
- 原作:桜坂洋、構成:竹内良輔、キャラクター原案:安倍吉俊、漫画:小畑健「All You Need Is Kill(1)(2)」 / [漫画] 発売中 / 各巻460円 / 集英社
- 「All You Need Is Kill(1)」
- 「All You Need Is Kill(2)」
人類は今、かつてない戦争をしている。敵は「ギタイ」と呼ばれる化物。ジャパンの南方、コトイウシ島で繰り返される戦闘。初年兵であるキリヤ・ケイジと戦場の牝犬と呼ばれるリタ・ヴラタスキは、まだ見ぬ明日を求める戦いに身を投じていく──。
桜坂洋(サクラザカヒロシ)
1970年生まれ。第2回集英社スーパーダッシュ小説新人賞最終選考作を改稿・改題した「よくわかる現代魔法」で2003年にデビュー。同作はマンガ化、TVアニメ化も果たした。そのほかの著書に「スラムオンライン EX」などがある。ライトノベルの垣根を越えて、一般文芸作家としても活躍。