「がんばっていきまっしょい」舞台・愛媛へ“聖地凱旋”、雨宮天のお気に入りの場所とは

劇場アニメ「がんばっていきまっしょい」のプレミア先行上映会が、去る10月5日に愛媛・シネマサンシャインエミフルMASAKIで開催され、主人公・悦子役の雨宮天、櫻木優平監督が舞台挨拶に登壇した。

10月25日公開の「がんばっていきまっしょい」は、愛媛県松山市の女子ボート部を舞台にした青春ストーリー。公開に先がけ、作品の舞台となった愛媛でお披露目できることについて聞かれると、雨宮は「逆に……松山の皆さんから観ていかがでしたでしょうか？」と問いかける。拍手で溢れる会場の様子に雨宮は喜び、「愛媛のいろんな風景を知っている皆さんの前で、こうやってお話しできると思うとうれしいです」と熱い心境を語る。櫻木監督はロケハンをした制作初期を振り返り、「この作品を作るために数年前から何度も愛媛に足を運んでいたので、現地の方々、ある意味愛媛のプロといえる方々に観ていただいているという謎の緊張感があります」と率直な思いを述べた。

愛媛へは今回で2回目の訪問となる雨宮。お気に入りの場所を聞かれると、悦子たちが放課後に立ち寄る喫茶店・ソフトタイムと、松山にある伊予鉄道高浜線の梅津寺駅を挙げる。雨宮は「梅津寺（駅）の踏切越しの海の景色が、最初は監督が作ったアニメ的な景色だと思っていたら、本当にあったのですごく素敵だと思いました」と、劇中に登場する情景が実在することに感動したことを伝える。劇中で松山の景色が忠実に再現されていることについて尋ねられると、櫻木監督は「自分の足で歩いて回って舞台設定を作ったんです。主人公・悦子が住んでいる場所や通学路などけっこうリアルな交通網で描いていて、どんな生活をしているのか想像できるような作品になっていると思います」と、作品制作に妥協を許さない様子を見せた。

さらにイベントには、愛媛県の副知事・菅規行氏と愛媛県のイメージアップキャラクター・みきゃんも登場。愛媛県のご当地産物である愛媛柑橘ジュースと、みきゃんのぬいぐるみが贈呈された。雨宮はみきゃんのぬいぐるみを受け取ると、本編で悦子が遊んでいたクレーンゲームを想起し、「悦ネエ（悦子）は取り損ねてたけど、私はいただけました！」とうれしそうに微笑んだ。

今回のプレミア先行上映会は、「劇場アニメ『がんばっていきまっしょい』愛媛キャンペーン“聖地凱旋”イベント」の一環として行われたもの。舞台挨拶の前には「雨宮天のがんばっていきまっしょい in 松山東高等学校」と題し、愛媛・松山東高等学校で公式Webラジオの公開収録が実施された。松山東高校は、悦子が通う三津東高校のモデルとなった学校。雨宮と櫻木監督は、松山東高校の生徒らからの質問や相談に答えるなど交流を行った。

雨宮は「ボート部ってどうですか？」と、ボート部の生徒へ質問。夏と冬で変わる練習メニューについてなど興味深そうに話を聞く。さらに劇中でも登場する「がんばっていきまっしょい」の“気合い入れコール”を生徒会長が披露すると、雨宮は「本物を聞くのは初めて！」と興奮した様子で語り、自身も「がんばっていきまっしょい」と力いっぱい発声。それに対し、生徒らも腹の底から「しょい！」と返す。雨宮は彼らの姿に感動し、コール自体が今の生徒たちにも根付いていることに驚いた。

翌10月6日には、雨宮と櫻木監督が愛媛・松山市役所を表敬訪問。野志克仁市長のもとを訪れ、劇場アニメの完成を報告した。作品を見つけたきっかけについて、櫻木監督は「もともと『がんばっていきま.っしょい』の実写作品を見ていて、その中にも愛媛のポイント・聖地のようなところが出ていて、松山の文化的なものも含めてよいなと感じていた」と語り、舞台を細やかに描くうえでの土台となったことを明かす。また悦子に共感するポイントとして、雨宮は「私も高校生のときに、付き合う人の幅が広がったことで、自分に対する“何者でもなさ”に打ちひしがれて無気力になっていた時期ってあったので、すごくそこが共感しましたね。それでいて、諦めきれない思いや、ここぞというときの爆発力というのは自分の高校のときとかぶります」と述懐した。