アニメ映画「
4月12日に、「
掴みどころのない独特なキャラクターのカガリを演じた佐倉は「主体性があるのかないのかわからない彼女が、果たして主人公としてタイトルを背負う、物語を引っ張って行けるのかと、正直始めは不安が大きく、キャラクター性を活かしながら、個性が強い周りのキャラクターたちとのバランスをどう取っていくのかが難しかったです」と振り返る。カガリに思いを寄せる幼なじみのユウヤを演じた榊原は「映画をすでにご覧いただいた方の反響を見ていたのですが、ユウヤは“愚かわいい”なんて言われていて(笑)。自分は“もう大人なんだよ”という意識が強いものの、大人になりきれない不完全さというのが魅力だと思ったので、誰と相対するときにどんな感情になるかというのを大切にしていました」とコメント。すると、登壇者たちからは「愚かわいい界のエースが来たなと思った」「いい愚かさ(笑)」と、コメントが飛び交い、観客の笑いを誘った。
カガリとユウヤとともに奇怪な町を影から見守る貸本屋・伊勢屋を演じた大塚は、キャラクターを象徴するアイテム・煙管を手に登壇。「実はアフレコでは、ボールペンを煙管の代わりに口にして収録していました(笑)」と裏話を明かした。伊勢屋の役作りには苦労したそうで、「ミステリアスなキャラクターの幅を表現するのが難しかったです」と伝える。伊勢屋と対をなすように、町を表で守ろうとする栄和島を演じた細谷は「栄和島は振る舞いだったりがダークサイドにいるキャラクターにも一見見えて。非道になり切れない中途半端な感じだったり、彼の過去が垣間見えるシーンもあったりして演じていて面白かったです」と語った。
ある事件を追って町に調査へ訪れたシイナ役の森、町の情報屋としてシイナに協力している飴屋を演じた悠木は一緒にアフレコ収録を行ったことを明かす。シイナと自身の共通点を尋ねられると森が「即決の判断力は唯一似ている点かもしれませんが、それ以外は冷静でカッコいい彼女と自分の共通点がなかなか見つからず……」と回答。これを聞いた悠木は「私から見ると、森さんとシイナは似ているなと思うんです」と切り出し、「土台を支えてくれる安心感がずっとありながら、ちょっとかわいいところがあるのが“これは素敵すぎる森さん!”と思って一緒に演じさせていただきました」とシイナの印象を話す。さらに「シイナさんはやればやるほど残念になってしまう真面目なギャクタイプ、飴屋はなぜかふざければふざけるほどいい方向に転んでいくタイプ。その2人の対比がとても面白くて、森さんと一緒に演じるのがとても楽しかったです」とアフレコを振り返った。
アフレコ現場で特に印象に残っているエピソードを聞かれた塚原監督は「一部、もともとイメージしていた演技とは異なる別のプランを細谷さんから提案をいただいて、収録を行ったシーンがあるのですが、その演技が素晴らしくて」と細谷を称賛。さらに、佐倉のラストシーンの名演について「OKと思っていたテイクがありましたが、最後にもう1テイクお願いしたセリフに、思わずスタッフ全員が息をのみました」と明かす。佐倉はこのシーンについて「カガリは叫ぶことを知らなそうなキャラクターなので、彼女の普段は出さない声でアプローチした」と当時の心境を伝えた。
最後は登壇者を代表して、佐倉が挨拶。「エンタメとしてしっかり成立しながら、カガリとユウヤの過去も現在も未来もしっかり描かれている、自分の中でさまざまな気持ちが駆け巡った作品です。『クラユカバ』も『クラメルカガリ』も塚原ワールドが広がっていて、もう一度この世界に巻き込まれたいと思って観ていただくのもいいですし、少し視点を変えてご覧いただくのも楽しめると思います」とメッセージを贈りイベントを締めくくった。
映画「クラメルカガリ」
全国上映中
スタッフ
原作・脚本・監督:
シナリオ原案:成田良悟
主題歌:オーイシマサヨシ「僕らの箱庭」
アニメーション制作:チームOneOne
配給:東京テアトル、ツインエンジン
製作:クラガリ映畫協會
キャスト
カガリ:
ユウヤ:
伊勢屋:
栄和島:
シイナ:
飴屋:
映画「クラユカバ」
全国上映中
スタッフ
原作・脚本・監督:塚原重義
キャラクターデザイン:皆川一徳
特技監督:maxcaffy
操画監督:アカツキチョータ
美術設定:ぽち
美術監督:大貫賢太郎
音響監督:木村絵里子
音響効果:中野勝博
音響制作:東北新社
音楽:アカツキチョータ
主題歌:チャラン・ポ・ランタン「内緒の唄」
アニメーション制作:チームOneOne
配給:東京テアトル、ツインエンジン
製作:クラガリ映畫協會
キャスト
荘太郎:神田伯山
タンネ:黒沢ともよ
サキ:芹澤優
指揮班長:佐藤せつじ
松:狩野翔
稲荷坂:坂本頼光
※塚原重義の塚は旧字体が正式表記。
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