【関連特集】「清水玲子原画展」"取り返しのつかなさ"が生む味わい感じて 清水玲子が画業40周年で初開催の原画展の見どころ語る
清水にとって初の原画展となる同展では、カラー原画を中心に約200点のイラストやラフなどを展示。会場に入るまでの待機場所にも工夫が凝らされており、清水がこれまでに手がけた作品の年表や、LaLa1993年3月号と4月号(ともに白泉社)の応募者全員サービスとして用意されたタロットカードのパネルなどが飾られ、待機中も清水による美しいイラストを堪能することができる。入り口には原画展のビジュアルが大きく展示され、脇には萩尾望都や日渡早紀らからのお祝い花が飾られていた。
展示内容は清水が“今見てほしいもの”を編集部や主催者とともに相談しながら選別したとのこと。原画展の担当者は、「清水玲子先生のイラストは言うなれば1点1点絵画のようなものなので、原画展では美術館をイメージして、作品1つひとつを額に入れて展示しました」と話す。そんな美術館風の会場では清水がこれまでに手がけた作品が時系列順に展示されており、最初は「ジャック&エレナ」シリーズや「月の子 MOON CHILD」のカラーイラストが続く。一部では完成されたカラーイラストとその下書きが対比する形で展示された。
続いてスクリーンが登場し、2017年3月にNHKで放送された「浦沢直樹の漫勉」より、清水が出演した回の動画が映し出される。さらに原画展開幕前日の11月22日には清水自身も会場に足を運んだそうで、スクリーン脇の壁には清水によるサインが書かれていた。
続いてタロットカード“大アルカナ”や「輝夜姫」のイラストが続き、「秘密 -トップ・シークレット-」のコーナーへ。同作によるメロディ(白泉社)の表紙や現在同誌にて連載中の「秘密 season0」、作品の特徴とも言えるMRIによる捜査・映像再現シーンのイラストなどがまとめて展示されている。MRIによる捜査・映像再現のシーンは、まず鉛筆で描かれたあとにデジタル処理が行われているとのことで、下書きと完成原稿を見比べて鑑賞可能。最後に、清水のデビュー前の作品やラフスケッチ、カラー画用のスケッチやネームなどが展示された。
その後物販コーナーが続く。タロットの“大アルカナ”のイラストをちりばめたデザインのスカーフや原画展のキービジュアルをデザインした一筆箋、「秘密 -トップ・シークレット-」で描かれた花をモチーフとしたポーチや図録などが用意されている。そのほか会場に併設するてんぼうパークCAFEでは、開催期間中にコラボメニューを販売。「月の子 MOON CHILD」など月が印象的な清水の作風をイメージし、満月に見立てたレモンが浮かぶレモンティーとモンブランのセットが提供される。
なお原画展開催を記念して、コミックナタリーでは清水へのインタビューを実施。「白い紙と鉛筆さえあれば楽しかった」という子供時代や、会社員生活を送りながら投稿作を描いたデビュー前、悪夢に苛まれたという「秘密 -トップ・シークレット-」発表前夜など、40年間のさまざまな思い出を明かしてもらった。
「清水玲子原画展」会場の様子をチラ見せ!
画業40周年記念「清水玲子原画展」
会期:2023年11月23日(木・祝)~12月10日(日)
会場:東京都 サンシャイン60展望台 てんぼうパークイベントスペース
時間:11時~19時 ※最終入場は18時30分
チケット料金:1800円
※記事初出時、「浦沢直樹の漫勉」の番組名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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真珠 @mieko__0606
「清水玲子原画展」開幕!イラストと下書きを対比して鑑賞、タロットカードの展示も https://t.co/Y28tLyf06o