「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の20周年記念上映が本日11月12日に東京・新宿ピカデリーにて開催された。上映後に行われたトークショーには、バトー役の
2002年10月から2003年11月にかけて放送されたTVアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」。最終話の初回放送から20年を記念して開催されたイベントでは、第1話「公安9課 SECTION-9」、第2話「暴走の証明 TESTATION」、第10話「密林航路にうってつけの日 JUNGLE CRUISE」、第12話「タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM」が上映された。この20年で作品を何度も繰り返し観たかと観客に問うMCに、半数以上が手を挙げて応えるほど熱量の高いファンが集まった会場。作中で起こる“笑い男事件”がいよいよ2024年2月に発生することが冗談めかして知らされると、会場からは笑いが起こった。
20周年を「短いような、早いような不思議な感覚」と話す大塚。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」は「GHOST IN THE SHELL」よりも弾むように演じるよう指示があったことを振り返った。神山監督も「15歳若く演じてください」と第1話の収録の前に全員に伝えたことを明かす。原作のキャラクターたちに、はっちゃけていた印象を持っていたと語り「あまり達観してしまっているキャラにしたくなくて、事件やネット社会で起きている事象に対してポジティブにアクセスしていくキャラクターであってほしいと思っていました」と自身の解釈を述べた。
作品について「体感としては15年くらい作っていた気がする」という神山監督は、当時を「楽しくてしょうがなかった」と述懐。「この作品をディレクションできる。この30年間考えてきたことを脚本の端々に織り込んだり、それを映像化していき、演じていただくことにワクワクしかなかった」とプレッシャーに勝った喜びを伝える。たびたび次の話数の映像が頭の中に浮かぶこともあり「これを早く映像化しなきゃ」とコンビニの駐車場でビジョンをメモに書き出したのだという。
大塚は共演した田中敦子・山寺宏一らとともに台本をもらうことを楽しみにしていたと懐かしむ。キャスト陣は互いに台本の中でどう演じるのかを探り合っていたことも明かしつつ「自分たちで公安9課をチームでやっている感じがあった。それはすごく楽しかった」と笑顔を見せた。また大塚が神山監督に対し、キャスト陣に先の展開を詳しく説明しなかったことについて「なんで言ってくれなかったんですか?」と問い、笑いが起こる一幕も。神山監督は「演技や台本を超えた瞬間があったんです」と何度かテイクを重ねるうちに“腹落ち”したことを説明。予定調和ではなく、本人が公安9課のメンバーとして気づいたり納得したりする瞬間を芝居の中で見たのだという。それをきっかけに「皆まで言わないことにした」と弁明した。
キャスト陣がキャラクターの描き方に影響を与えたというエピソードも展開。神山監督はアフレコ現場でそれぞれが「このセリフ言いたいな」「今回はこのキャラクターがいいセリフを持っていったな」などやりとりをしている様子を見て、セリフを考えたことがあるとのこと。絵コンテにもなかったセリフをアフレコ寸前に書き込むこともあったと語った。また「このセリフ言いたい」と思える脚本にしようと思ったと述べつつも、いいセリフは名セリフというような1つのフレーズではなく、キャラクターの関係性から生まれるものであると力説した。
最後に大塚は、作品に携われたこと、その中枢となるキャラクターを演じられたことへの感謝と喜びを伝える。バトーについて「僕の人生の中でとてつもなく大きな役」と語り「もしかすると演じるのが最後かもと想像すると涙が出てくる」と熱い思いを述べた。神山監督は「20年経った今も多くのお客さんが『観たい』と思ってくださる作品になっていたということに誇りを持ちつつ、ただひたすらに夢中になって、一生懸命物事に対峙していくことが結果を生むんだと感じています」と感慨深げに話す。そして大塚に向かい「どんなに先になっても皆さんを絶対キャスティングする」と宣言し、会場からは拍手が湧き起こった。
神山監督が荒牧伸志とともに総監督を務めたシリーズ最新作の3DCGアニメ「
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よっぴー/吉田尚記 @yoshidahisanori
でた!今日の #攻殻機動隊 の舞台挨拶の記事!
こないだ取材していただいてそのうち記事にしていただく預定のコミックナタリーさん!
MCだったけど内容ホントに濃くて、聞き手として楽しかったなぁ…! https://t.co/Mitz1LLcAO