11月3日公開の「火の鳥 エデンの花」は、「火の鳥」全12編のうち、地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」を原作としたアニメ映画。地球から遠く離れた辺境の惑星・エデン17に降り立った主人公・ロミの壮大な愛と冒険の物語だ。観客からの大きなを拍手を受けて登壇したロミ役の宮沢は、映画の公開初日である11月3日が手塚の誕生日であることを告げられると「偶然なのか、必然なのかわかりませんが、なんだかすごくうれしいですね。私は映画に出てくる火の鳥を手塚さんのように思っていて。どこからか手塚さんがこの初日を見てくれているんじゃないかと思って」と語る。
主人公・ロミは、時空を越えた激動の人生を送ることになるが、そんなロミの声をあてたことについて、宮沢は「地球を飛び出して、何もない星に行って。そこでゼロから生活する糧を見つけていく。そのエネルギーはすごいなと思いました。本当に生命力にあふれた女性だなと思いました」と振り返る。またロミとともに辺境の惑星に到着するジョージ役を演じた窪塚は「ジョージは無計画すぎるだろうと思いましたが、そういうところは割と僕に似ているかも」と笑ってみせる。すると宮沢も「それでキャスティングされたのかも」と冗談めかしながら、「無計画でもどんどん進んでいけるエネルギーは窪塚さんと重なるところがありましたね」と述べる。一方、宇宙のよろず屋・ズダーバン役を演じたイッセーは「まわりの人がまっすぐに生きていますから。わたしは人間臭く、いかがわしく、ずる賢く。映画を観ていただいた方から、そんな声が出たらいいかなと思いました」と役づくりについて明かした。
さらに「火の鳥の生き血を飲むと不老不死でいられる」という伝説が描かれていることにちなみ、「老いること」「生きること」というテーマとどう向き合っているかという質問も。イッセーは「生き血は飲みたくないですね。副反応がありそうで」と笑いながらも、「でも確かに不老は欲しいですけどね。今もペットボトルの蓋が開けられなくて。歯で開けることもありますけど、それもしょうがないかなと受け入れるのも、人間のひとつの力だと思います」と語る。そんなイッセーに対し、宮沢は「(火の鳥の生き血を)もう飲んでいらっしゃるかもしれません」と付け加え、会場を沸かせた。
一方、宮沢は「私は飲みたくないです」とキッパリ否定。「もちろん10代、20代の若さあふれる、希望に満ちた時期も楽しかった。でもそこから挫折もあったし、でもそれを乗り越えてきたということもあるので」と今の自分自身への信頼を語る。さらに「私は50になるんですが、その時間が今のわたしに豊かさをもたらせてくれていると思いますし、この宝物のような経験、時間をなくしてしまうのはもったいないと思っています」と続け、「こんな素敵な先輩を見ていると、歳を重ねるのはもっと楽しそうだなという感じがしています」と隣にいるイッセーの姿を見て笑顔を見せた。さらに現在9歳の吉田にも同じ質問を投げかけると、「ちょっと興味はあるけど、赤ちゃんになっちゃうので」と返し観客の笑いを誘っていた。
最後、宮沢が「手塚治虫さんがこめられた、この本当に大きなメッセージが、時を超えて、すばらしいアニメーションにのって、皆さまの心に大きく響くことを心から願っています」と語り、イベントを締めくくった。
「火の鳥 エデンの花」
2023年11月3日(金・祝)新宿バルト9ほか全国公開
スタッフ
監督:西見祥示郎
音楽:村松崇継
原作:
キャラクターデザイン・総作画監督:西田達三
脚本:真野勝成、木ノ花咲
アニメーション制作:STUDIO4℃
製作:「
配給:ハピネットファントム・スタジオ
キャスト
ロミ:
ジョージ:
コム:
牧村:浅沼晋太郎
カイン:木村良平
ズダーバン:
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「火の鳥 エデンの花」舞台挨拶にキャスト登壇、宮沢りえ「ロミは生命力にあふれた女性」
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