これまでのTVシリーズや劇場版に引き続き、同作のエンディングテーマには
TM NETWORKによるオープニングテーマ「Whatever Comes」について、小室はオファーを受けた帰り道、たった3分ほどでイメージが頭に浮かんだと言う。小室からは「『シティーハンター』は陰と陽、対立するものが同軸でずっと動いているドラマ。こだま総監督の意向もあってですが、後半にドラマチックなことが起こるので、最初はなるべく明るい音で始まりたいと思っていた。ただ『Get Wild』との対比も考えなくてはいけないということもあり、明るすぎない明るさを目指しました」と曲のねらいも。こだま総監督は「Whatever Comes」について「ノリがよくて気持ちよく画面に入れる曲」と紹介した。
アニメーションにおいて音楽をかなり重要視しているこだま総監督。「今回、クライマックスでかかる曲があまりに素晴らしい。映像に音を付けたとき、思わず拍手して声を上げてしまったぐらい」と、50年ほどアニメ業界にいた中で初めてだったという経験を話す。若林プロデューサーもこの楽曲はかなり印象深かったそうで「戦いの中の曲としては変わった曲調ですよね。なんというか、祈りの曲のような」とコメント。すると小室は「極限の戦いになると、争いの中にいる人はむしろ無音、下手したら息づかいまで聞こえるぐらいの静寂になるのではないかと。爆発音にさらに乗っかってくるような曲もありますが、僕は逆に真っ白な世界というか、その戦いの中にいる人しかわからないような音をイメージしました」と、正攻法ではない曲を作ったと述べる。
音響監督の長崎は「アニメーションの音楽制作には3つのやり方があるんです。『Whatever Comes』は音楽に合わせて画を作り、中盤の曲や劇中歌は僕のほうで画にハマるように編集しました。クライマックスの曲は小室さんに映像を渡し、画に音楽をハメてもらった。だからキャラクターの息づかいや効果音とバッティングしないようになっていて、画と一体感が生まれている」とコメント。スタッフ陣から絶賛の楽曲だが、小室は「7音しか使ってなく、僕にしては珍しくシンプルな曲。これも降ってきた感じで、15分ぐらいでほぼできた」と天才ぶりを見せつけた。
またイベントでは、劇中にかかる「DEVOTION」という曲の話題も。小室は「冴羽リョウって、簡単に愛とか恋とかを口に出さないキャラクター。作品にはラブストーリーの要素ももちろんあるけれど、それを超えたものを感じると思っていて。それを考えながら調べていたときに『献身』という言葉が出てきました。『無償に助ける』『あなたを守る』っていう表現はピッタリで、この言葉を使って曲を作りたいなと思いました。この年齢にきて、ラブとかを超えるものが見つかったのは自分としても収穫でした」と明かした。
音楽についての話がたっぷりと聞けた本日のイベントだが、最後に若林プロデューサーは「今回、僕は小室さんと初めてお仕事をさせていただきました。大物音楽家がどんなふうにお仕事されるのか、何を求めているのか知りたいという気持ちを持っていたんですが、一緒にいて感じたのは、小室さんは音楽の依頼をしてくれた人、クリエイターに喜んでもらえることに最も喜びを感じる方なんだなと。それがすごく印象的でした」と小室について語る。最後、小室は「取説みたいな感じで、マニュアルを聞いてから映画を視聴できるのは貴重なのではと思います。音に耳を傾けつつ全体を楽しんでください」と呼びかけ、イベントを締め括った。
「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」
公開中
スタッフ
原作:
総監督:
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:高橋久美子、北澤精吾
音楽:岩崎琢
音響監督:長崎行男
制作:サンライズ、アンサー・スタジオ
配給:アニプレックス
キャスト
冴羽リョウ:神谷明
槇村香:伊倉一恵
槇村秀幸:田中秀幸
野上冴子:一龍斎春水
海坊主:玄田哲章
美樹:小山茉美
来生瞳:戸田恵子
来生泪:深見梨加
来生愛:坂本千夏
ピラルクー:関智一
エスパーダ:木村昴
アンジー:沢城みゆき
海原神:堀内賢雄
※冴羽リョウのリョウは、けものへんに「僚」のつくりが正式表記。
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