映画「
EMOTIONの40周年と、アニメ「カウボーイビバップ」の25周年を記念して行われた今回のイベント。最初の挨拶で山寺は「今日の出演はこのメンバーですが、きっと
続いて事前にファンから寄せられた質問に対し、登壇者が答えていくコーナーへ。「アフレコ収録や制作現場など、当時の様子で今も印象に残っていることはありますか?」という質問が投げかけられると、収録当時は高校生だった多田がルーズソックスにミニスカートという制服姿でアフレコの収録に来ていたこと、キャスト・スタッフは収録の後に毎週飲みに行っており、とても仲がよかったことなどが語られる。収録現場の雰囲気のよさに対して林原は「毎週飲みに行っていた影響は大きかったですね。ご飯食べて、話をしてその場で出る話し方の癖が収録にフィードバックされたりして」と、関係者同士のコミュニケーションが作品の雰囲気に影響していたことを述懐。さらに飲みの席では石塚と信本が仲よく話していたこと、音楽を手がけた菅野よう子もたびたび飲みの席に参加したことなども明かされた。
また「制作していて、または演じていて皆さんの中で思い入れの強い話数、個人的に好きな話数はありますか?」という質問が飛び出すと、多田はエドが初登場し、佐藤の脚本デビュー作でもある第9話「ジャミング・ウィズ・エドワード」、林原はマッドピエロ・東風が登場した怪奇色の強い第20話「道化師の鎮魂歌」とお気に入りの話数を挙げる。一方あらかじめイベントでこう聞かれることを予想し、全話を見直したという山寺は、スマートフォンに各話の感想をメモしていたことを打ち明け、気合いの入りようを感じさせる。そのうえで山寺は、スパイクの過去の話が絡むエピソードから最終第25話、第26話の「ザ・リアル・フォークブルース」をチョイス。さらに、スパイクの宿命の相手であるアンディが登場する第22話「カウボーイ・ファンク」も付け加えた。また佐藤から信本の書く脚本の幅の広さについて指摘され、全員で驚くひと幕も見られた。B級映画好きの渡辺監督は、自分でもB級映画のようなエピソードを作ろうと臨んだ、謎の宇宙生物が登場する第11話「闇夜のヘヴィ・ロック」をセレクト。劇中に登場する“開かずの冷蔵庫”のモデルは、プロデューサー・南雅彦の引っ越しに立ち会った際に体験したことがヒントになっているという裏話が披露された。
最後に多田は「こうして見ると、本当にさまざまな年齢層、性別の方に見ていただいているんだなと実感して、やっぱりすごい作品に関わっているんだなと思いました。毎回イベントに呼んでいただいて、こうして皆さんと直に会う機会を設けていただけてすごくうれしいです。これからもずっとずっとずっと、孫、ひ孫の代までずっと“いい作品だよ”って言い続けて、ファンの分母をどんどんどんどん広めていっていただけたらうれしいです」と笑顔を見せる。林原は「こういう“いい作品”っていつ見ても楽しめる。25年前の自分に戻る人もいるだろうし、今ここから観始めてこの作品から何かをもらう人もいるだろうと。そういう感じで、本当に『ビバップ』の見方には正解も不正解もないと思います。この作品には「〇〇みたい」もないし、「〇〇すべき」もない。この作品の緩いけど骨太なところを、末長く味わっていただければいいなと思います。またどこかでお会いしましょう」と呼びかけた。
山寺は「今回、改めて第1話から見直してみて、やっぱり最高に面白いなと思ったんです。本当にいろんな要素が詰まっていて、渡辺監督を中心にこの奇跡のような作品ができた。今は配信でいつでも作品を楽しめるし、サブスクで菅野さんの音楽も聴くことができる。いろいろな楽しみ方ができるので、これからもずっとこの作品を愛し続けていただければと思います。さらに監督をはじめこの作品に関わったスタッフの皆さん、キャストの皆さん、そして信本さんに運昇さん、皆さんに感謝しています。そして、何よりもずっと『ビバップ』を愛し続けている皆さんに一番感謝しております」と吐露。渡辺監督は「『カウボーイビバップ』は本当にいいスタッフやキャストに出会えた作品で、一緒にやった人たちは戦友みたいな感じなんです。戦友の何人かは亡くなってしまった方もいるんですが、信本敬子脚本で『ちょっと久々に一緒にやろうぜ』と言って始めた『ラザロ』という作品を今は制作しています。初期の企画段階は信本と一緒にやっていて、途中で亡くなってしまったんですが、これを引き継いでちゃんとした作品として残したいなと。それがこの『ビバップ』からつながることの、ひとつの供養になるのかなと思っています」と述べ、イベントは大盛況のまま幕を閉じた。
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楊(やん) @yan_negimabeya
映画「COWBOY BEBOP」第1話から見直した山寺宏一「信本さん運昇さん皆さんに感謝」 https://t.co/NfHv8uz15t