「PLUTO」は
今年はTVアニメ「鉄腕アトム」のスタートから60年、「PLUTO」のスタートから20年。そんな年にアニメ化を果たすことについて手塚眞は「運命的なものを感じます」と述べ「何回もアニメ化しようと話があったんですが、たぶん一番いい形でできたんじゃないかと思います」と期待を込める。さらに「PLUTO」について「紛れもなく本物の名作。よくぞ作ってくださった。きっと父親(手塚治虫)も大変感謝していると思います」と絶賛すると、浦沢は「上のほうから『ちょっとそれは描き方が違うよ』ってずっと言ってくるんですよ(笑)」と冗談めかしつつ謙遜してみせた。
日笠はアトム役に決まった際の思いを「うれしさと驚きと、“苦悩”が同時にやってきました」と振り返る。「と言うのも、オーディション資料に浦沢先生のコメントが書いてあって。『僕も描くときに非常に苦悩した』『アニメーションを作る皆さんにも一緒に苦悩してほしい』と。その言葉がすごく心に残っていたので、受かった瞬間に、『苦悩の旅に出ていくんだ』って思いました」と続けた。また日笠はオーディションを受ける際、兄の持ち物だった「PLUTO」を実家に取りに行ったという。「兄からもらったパワーを受け取って、ウランのお兄ちゃんにさせてもらったな、と。全身全霊で、感情をすべて解放する気持ちで演じています」と強く意気込んだ。
鈴木もオーディション資料は印象に残っていたそうで、「皆さんがこの作品にどのくらい時間と気持ちを懸けているかというのが、何ページも書いてあった」と明かす。「ウランは誰よりも人の痛みに気付くけど、人間にしかわからない気持ちもどこかにある。わかってるようでわかりきれていない、という部分を表現するのに苦悩しました」と話しつつ、「すごくやりがいのある役で、とても楽しいです」と笑顔を見せた。
最後に手塚眞は「今『PLUTO』を観ることの意義がすごくある。世界の中で戦争が起きています。さまざまな差別の問題も起きています。今の時代のためにこのアニメはできたと思っています。ずっと昔からそのことを言い続けてきた手塚治虫の思いを、もう一度受け止めていただければ」と呼びかける。浦沢も「手塚治虫さんは60年前に、この話を我々に提示してくれていた」と続け、「60年経った今、世界はこのような状態である、まだこの作品が有効であるということが、僕の思っていた巨大な“切なさ”なんじゃないかと思います」と語る。そして「手塚さんから渡されたバトンを僕が受け取って皆さんに渡していく。そういう大きなバトンの渡し方をしていかない限り、この巨大な“切なさ”は消えないんじゃないかと思います。皆さんも一緒にそのバトンを受け取っていただきたいです」とメッセージを贈った。
Netflixシリーズ「PLUTO」
2023年独占配信
スタッフ
原作:「
アニメーション制作:スタジオM2
制作プロデュース:ジェンコ
キャスト
関連記事
たつぶう 山形 フォロバ遅れる時あります🙇制限でなかなかフォロバできない😭 @tatubu
「PLUTO」浦沢直樹、手塚治虫から受け取ったバトンを次の時代へアニメでつなぐ https://t.co/gEfZCRhliX