「PSYCHO-PASS」ステージで10年間を振り返る、最新劇場版は「群を抜いて完成度が高い」

「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」スペシャルステージが、「AnimeJapan 2023」内で本日3月25日に開催され、常守朱役の花澤香菜、狡噛慎也役の関智一、宜野座伸元役の野島健児、塩谷直義監督が登壇した。

2012年にTVアニメ1期が放送され、現在10周年イヤー真っ只中の「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ。ステージはこの10年間で印象深かった出来事を振り返るコーナー「PSYCHO-PASS サイコパス事件簿」からスタートした。関は「名場面がありすぎて選ぶの難しかった」と語りながらも、TVアニメ第1期の最後に狡噛が朱に宛てた手紙をのシーンをあげ「この手紙自体もそうだけど、このシーンの一連の流れが好きなんですよ。朱ちゃんが無茶するときに、初めて『朱！』って叫ぶじゃないですか。2人が培ってきたものの結末も見れて、最終回にふさわしい」と語ると、花澤も強く同意する。

さらに関は印象的なエピソードとして、劇場版3部作の「PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.3『恩讐の彼方に＿＿』」で、塩谷監督から狡噛のセリフについて意見を求められたことを振り返る。「『狡噛的にどうですか、何が言いたいですか、ほかに言いたいことありますか』と聞いてくださって。結果的には特に変わったことはなかったんですけど、一緒に作品を作る仲間にしてもらえた感じがしてうれしかったですね」と語った。

続く野島は、宜野座の父親である征陸智己が死ぬシーンを紹介し「宜野座さんを語る上でなくてはならないシーン」とコメント。「最後にちゃんと親父に愛されていると気付けたし、自分が大事に思っていたことも気付けた。自分自身に対しても『遅すぎるだろうが！』と言ってると思う」と述べる。さらに事前に塩谷監督からキャラクターの誰かが死ぬことを聞いていたが誰がいつ死ぬのかは教えてもらえなかったため「毎週台本をハラハラしながら読んでいた」と語る野島に、関が「俺だけ知ってたんだよね。（塩谷監督と）喫煙仲間だったので（笑）」と明かすと、野島は羨ましそうにしていた。

そして花澤がピックアップしたのは、船原ゆきが殺されるシーン。実際にその映像がモニターに映し出されると、花澤は「ほんとにごめん！ こんな朝にステージあるとか知らなかったんだもん（笑）」と慌てた様子。しかし「朱ちゃんがこれからどう生きていくか、法律とどう向き合っていくかを考えるきっかけになった出来事」とその理由を語った。

さらにステージに塩谷監督が登場し、最新作「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」のトークへと展開する。同作のキーワードとして紹介された「出島」について、塩谷監督は「江戸時代に鎖国を開いたときに使っていた長崎の出島が、『PSYCHO-PASS サイコパス』でも同じ役割で出てきます」と明かす。また「ピースブレレイカー」というキーワードについては、「TVアニメ第3期でもちょっと出してるんですけど、『PROVIDENCE』ではメインででてきます。ピースをブレイカーする存在として」と語る。

そして同作で中心人物として描かれる朱について「この子がどういうふうに思って耐えたり、考えが成長していくというか、答えを出していくのが見どころ」と述べると、花澤も「……言いたいけどあんまり言えない（笑）。でも見どころいっぱいありますからね。本当に大変な目にあってるんですよ、朱ちゃんは。なので応援しててください」と観客にアピールした。

最後の挨拶で、花澤は「朱ちゃんにいろんなことが降りかかってくるんですけど、そこをどうやって戦い抜いていくか、生きていくかを見届けていただけたらと思います」とコメント。そして塩谷監督が「今までいろいろと『PSYCHO-PASS サイコパス』を作ってきたんですけど、『PROVIDENCE』に関しては群を抜いて完成度が高くなったかと思ってます。大きいスクリーンで見ないとよさがわからない作りにしてますので、ぜひ映画館に足を運んでもらえたら」と自信をのぞかせた。

そのほかステージでは、「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」の来場者特典の第1弾、「PSYCHO-FES 10th ANNIVERSARY」の出演者情報、フジテレビでの新編集版と劇場版の再放送といった情報も伝えられた。「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」は5月12日に全国公開。

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