黒柳が自身の幼少期を描き、1981年に出版された「窓ぎわのトットちゃん」。日本では累計発行部数が800万部を突破し、中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、全世界での発行部数は2500万部を超える。第二次世界大戦が終わる少し前、トットちゃんは落ち着きがないという理由だけで、小学1年生にもかかわらず学校を退学になってしまう。母親が見つけてきてくれた学校・トモエ学園に通うことになったトットちゃんは、自由でユニークな校風と恩師となる小林先生に出会い、新たな学校生活を始める。
これまで数々の映画化オファーが届くも「読者の頭の中にあるイメージを壊したくない」という黒柳の考えなどから、映像化は一度も実現していなかった。原作に惚れ込んだ八鍬がイメージボードを手に何度も黒柳のもとを訪れるなど熱意を伝え、劇場アニメとして制作が決定。アニメーション制作はシンエイ動画が担当し、アニメ「ドラえもん」シリーズなどに携わった金子志津枝がキャラクターデザインを手がける。黒柳と八鍬のコメントは以下に掲載した。
黒柳徹子コメント
1981年に「窓ぎわのトットちゃん」を書いたあと、ものすごくたくさんの映画監督から映画にしたいと依頼がありました。よく冗談で言っているのですが、あの黒澤明監督以外のほとんど全ての映画監督から、ありがたいことにお手紙をいただいたのを今でも覚えています。ただし、本を読んでくれた皆さんの頭の中にある映像の方が良いものなんじゃないか? と思って全てお断りしてきました。そうしたら今度はアニメーションでどうですか?という話で…笑。それであれば若い方々がご覧になっても楽しめるかもしれないと思いました。今でも本屋に行って置いてあると聞くと嬉しくなりますし、本を読んだ子どもたちの感想を聞くのが楽しみです。最近は世界情勢がいろいろ変わってきているので、この映画を観た若い世代の皆さんに「面白かった!」と思ってもらえるといいなと思います。
八鍬新之介(監督・脚本)コメント
映画化を企画したのは2016年。シリアでは化学兵器によって子どもたちの命が、国内では相模原の障がい者施設で多くの命が奪われました。そのような暗い出来事に触れる中で、アニメーションを通して社会に貢献できることはないだろうかと考えるようになりました。そんな時に出会ったのが『窓ぎわのトットちゃん』です。そこには「生と死」「戦争と平和」「思いやりと差別」など、相反するテーマが雄弁に語られていました。それも、世界中の誰もが理解することができる瑞々しい子どもの言葉で。この瑞々しさをそのまま映像化して世界中に届けることができたなら、今よりほんの少しだけ社会が明るい方向に進むかもしれません。どうぞお楽しみに。
窓ぎわのトットちゃん
2023年冬、全国ロードショー
スタッフ
原作:
監督:
脚本:八鍬新之介・鈴木洋介
キャラクターデザイン:金子志津枝
制作:シンエイ動画
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Tetsuko Kuroyanagi's autobiographical memoir "Totto-Chan: The Little Girl at the Window" is receiving an anime film adaptation scheduled to release in Japan next winter, production: Shin-Ei Animation.
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