ミュージカル「SPY×FAMILY」開幕！自由すぎるアーニャの子役たちに大人タジタジ

遠藤達哉原作によるミュージカル「SPY×FAMILY」の初日会見が、東京・帝国劇場で去る3月8日に開催された。

3月8日から29日まで東京公演が行われたのち、4月11日から16日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センターのKOBELCO大ホール、5月3日から21日まで福岡・博多座で上演されるミュージカル「SPY×FAMILY」。初日会見にはロイド・フォージャー役の森崎ウィンと鈴木拡樹、ヨル・フォージャー役の唯月ふうかと佐々木美玲（日向坂46）、アーニャ役の池村碧彩、井澤美遥、福地美晴、増田梨沙が出席した。アーニャ役の面々は大人たちとそれぞれ手をつないで壇上に現れ、会場には和やかな空気が流れた。

まず司会から「初日を迎えた気持ちを色に例えると？」という質問が。森崎が「白です。お客さまと一緒に作っていくのが舞台なので、その白がこれからどんな色になるのか楽しみ」と答えると、アーニャ役のキャストたちは「おおー！」「素晴らしー!!」と声を挙げながら拍手する。鈴木は「色と言っていいのかわかりませんが“春色”。季節的にも春ですし、ミュージカルとしてもアーニャが学校に入学するところのお話なので」と回答。唯月は「赤茶です。劇中の曲がとてもカッコよくて、ジャジーな感じが茶色っぽいイメージ。それにヨルさんのイメージカラーである赤を交ぜました」と、佐々木は「虹色。これから舞台をやっていく中で、虹色のようにパッと明るくなれればいいなと思います」と述べる。それぞれの発言後にはアーニャ役の子供たちが必ず「素晴らしー！」と言うため、大人たちは思わず笑ってしまう。

次は同じ質問に、アーニャ役の4人が回答。池村は「水色！ たくさんの人が元気になれるから、がんばろうってなれるからいいなって思いました」と、井澤は「虹色です！ みんなニコニコになれるように虹色にしました！」と話す。福地は「私も水色です！ 舞台にいる人たちと、オーケストラの人たちがキラキラしているから、早くお客さんに観てほしいです」と、増田は「黄色です！ ワクワクな気持ちと、アーニャの元気な感じが黄色かなって思いました」と答えた。

会見ではそれぞれが着用してきた衣装を、くるりと1回転して見せた後に説明する一幕も。黒のTシャツにカーキのカーゴパンツという出で立ちの森崎は、「衣装を早替えできるように重ねて着ているものなので今はブカブカです。本番ではこんなに腰パンはしていません（笑）」と明かす。ピンクのジャケットを着用した佐々木は「ボタンのデザインがいばら姫のトレードマークになっています。ふうちゃん（唯月）のワンピースにも同じボタンが付いているので注目していただけたら」と小さな見どころをアピールする。

続いては、「ダブルキャスト、クワトロキャストでよかったと思うエピソードは？」という質問に。森崎は「舞台に立っている相方を見て、もらえるものがたくさんある。拡樹くんは稽古で変更点が生まれたらすごく丁寧に伝達してくれるんです。僕だけじゃなくカンパニー全体のことが見えていて、さりげなくフォローしてくださる。それが、座長としてのあるべき姿なんだなと思いました」と述べ、鈴木を照れさせる。鈴木は「ダブルキャストっていい意見も悪い意見もあって、稽古時間が分割されるからあまり練習できないという場合もあるんです。でも今回は、一緒に稽古することによってその穴を埋められたのではないかと。個々で舞台に上がるわけですが、気持ちは同じくして挑もうと思います」と力強く語った。

唯月は“みれたん”と呼んでいるという佐々木のことを「そこにいるだけで癒しの存在というか、空気清浄機のような方」と紹介し、「ヨルさんの細かい感情や、演技のうえでの悩みを話し合いながら役を作っていけたことが楽しかった」と述懐。佐々木は「私はミュージカルが初めてでわからないことだらけだったので、ふうちゃんにすべてのことをイチから教えてもらいました。自信がなくなったときに『自信を持って、みれたんらしくがんばったら素敵だから！』と連絡をくださったのがすごくうれしかった」と明かす。唯月からは「舞台が終わって離ればなれになるのが寂しい。これからも仲良くしてください！」という言葉もあり、2人の確かな絆を感じさせた。

続くアーニャ役の面々は、和気藹々とした雰囲気で稽古場での思い出を振り返っていく。池村は「みんなでね、休憩中に折り紙を作ってて。それで携帯（電話）を作って、記念写真とか撮ったりして。『ピポパポ♪』『ではいきますねー』ってやってる子がたくさんいて、楽しいなと思いました」と話す。福地は「学校みたいに賑やかで楽しかったです！」と振り返り、休憩中に遊んでいたという“ボンドマンごっこ”をほかのアーニャ役たちと再現してみせる。1月の「アーニャ役お披露目ミニ会見」では少々緊張していた4人だったが、稽古を経て仲が深まったことでその自由さが炸裂。自分たちにしかわからない話を勝手に進めていくなど、大人たちを困惑させつつも笑顔にさせた。

最後に森崎は「素晴らしい原作を、日本オリジナルのミュージカルとして世界に向けて作ったものです。カンパニー一同、千秋楽まで全速力で突っ走ってまいります。最後まで応援よろしくお願いします」と挨拶。鈴木は「日本発のミュージカルを作るということに我々は臨んできました。アニメ文化は日本が誇る、世界に通用するコンテンツ。この作品がいずれ海外まで届くように、初日のウィンくんと美玲ちゃんに勢いよくスタートを切ってもらえれば。そして、この作品がしっかり皆さんのもとに届くといいなと思います」と締める。最後もアーニャのキャストたちは大人としっかり手をつなぎ、ジャンプしたり大きく手を振ったりしながら舞台裏に帰っていった。