劇場アニメ「
辻村の小説を原作とする「かがみの孤城」は、学校で居場所をなくし家に閉じこもっていた中学生・こころをはじめとした少年少女たちが、鏡から行き来できる城に集められることから動き出す物語。第52回ロッテルダム国際映画祭のLimelight部門に正式出品されることが、先日12月19日に発表された。
明日12月23日に劇場公開される「かがみの孤城」。公開前日の心境を問われた原監督は「ドキドキします。明日になったらどういうことになっているのか不安ですけど、できあがったものに関してはすごく自信があるので、それを頼りに見守っていきたいと思います」とコメント。また、制作に費やした5年という歳月について原監督は「アニメーションの映画はだいたい3年ぐらいで制作されるので、やはり5年は長い。それだけ関わった時間が長いので、思い入れも強くなります」と思いを述べた。
初めてアニメの主演声優を務めたことに加え、舞台挨拶やTV出演など多くの初体験を「かがみの孤城」で得た當真。オーディションから本日までを振り返り、當真は「こころちゃん役に決まってからたくさん取材していただいたり、舞台挨拶を経験したりと初めて尽くしでしたが、その中でも皆さんに作品をお届けできるということが、本当にうれしいことなんだとわかりました」とコメントする。続けて「皆さんがこの映画を観て、どういう気持ちになるんだろうと気になります。私と同じ気持ちになってくださるのかな、とかそういうことを考えてワクワクしています」と心境を述べた。
原作と辻村の大ファンであるという芦田は、過去に辻村と対談した日のエピソードを紹介。「映画のお話をいただくずっと前に対談させていただいたんですが、辻村先生がもし『かがみの孤城』が映像化されて、芦田さんが何か役を演じるならオオカミさまを演じてほしいなとおっしゃってくださったんです。そのときは夢のような話だと思っていたんですが、本当にお話をいただいて信じられませんでした。自分がとても好きな作品なので、私でいいのかなという思いもありながら、イメージを壊さないようにしないと、と思いました」とファンならではのプレッシャーを明かした。
宮崎は収録を「録っている時間は短かったんですけど、監督が的確に道を照らしてくださるので、ついていくばかり」と振り返る。またこころを優しく見守るフリースクールの先生という役どころと自身の心境が重なる部分があったといい、「前回のイベントは當真さん初の舞台挨拶。その初めてに立ち会えたことがうれしくて。初めては1回しかないから、これから當真さんがいろんなことを経験して変化していく姿も見たいし、それは喜多嶋先生と同じ気持ちで當真さんを見ているのかなと思います」と述べた。
ここで原作者である辻村が登壇。「『かがみの孤城』が映画化されるならアニメーションがいいと思っていた」という辻村は、作品のできあがりに「感無量です。物語が動いていないときでも、私の書いたあの子たちが思った通りの姿で画面いっぱいに活躍していて、思い描いた通りの感情がありました。原監督、ありがとうございました!」と頭を下げる。また原監督に最初に挨拶した日を振り返り、辻村は「原さんに『お任せください』と言われました。この映画には皆さんが過ごされているような現実の世界と、お城の中の空間という2つの世界が出てくるんですが、この世界にあそこまでの奥行を持たせることができたのは原さんだからこそ。こころたちと孤城を原さんにお任せしてよかった」と重ねて感謝の言葉を伝えた。
当の原監督は「お任せください」と言ったことを覚えていないと申し訳さそうな表情を浮かべ、辻村からアニメ化にあたってほとんど注文がなかったこと、アフレコに辻村が参加する日もあったことを明かす。原監督は「當真さんのオールアップの瞬間に辻村さんも立ち会って、最後の瞬間を一緒に見てくれて。終わったときに當真さんが素敵な涙を流していたんですが、ぼくはそれがうれしかったです」と回想。當真は「ワクワクして楽しかった半面、やっぱり不安やがんばらないとという気持ちがあったので、すべて終えられたときに肩の荷が降りた気がしたんです。それで涙が出てたのかな」と振り返り、原監督は「アニメはバラバラで収録するのであまりこういうことはないんですが、そのときスタジオの中に一体感ができたなと。辻村さんも来て僕も熱が入っていき、當真さんがそれに応えて、みんなで登り詰めていくような珍しい瞬間でした」と当時の気持ちを述べた。
最後に當真は「この作品が観る人にとって背中を押してくれるようなきっかけになればと思います。ご家族やご友人にこの作品の感想を伝えてくれたらうれしいです」と挨拶。イベント終盤には氷でできた孤城の像が登場し、キャスト陣と原監督、辻村が像を囲んで写真撮影を行った。
「かがみの孤城」
2022年12月23日(金)全国公開
スタッフ
原作:
監督:
主題歌:優里「メリーゴーランド」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚本:丸尾みほ
キャラクターデザイン・総作画監督:佐々木啓悟
ビジュアルコンセプト・孤城デザイン:イリヤ・クブシノブ
音楽:富貴晴美
配給:松竹
アニメーション制作:A-1 Pictures
キャスト
※宮崎あおいの「崎」はたつさきが正式表記。
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