連載開始50周年を迎えた心境を問われ、池田は「これを描き始めたときは24歳だったので、歳をとったなあと。50年後は生きてないだろうと思ってたんですけど、こんなにすごい展覧会をやっていただけるなんて」と笑顔に。また連載当時について「マンガは子供たちにとって害悪だとされていたので、ものすごく叩かれたという記憶しかないですね(笑)。地位がとても低くて、文化でもなんでもないと言われていましたから。なので読み捨てにされないようなものを作ろうと、編集さんとものすごくがんばった記憶があります」としみじみ振り返る。
宝塚版をきっかけに「ベルサイユのばら」のファンになったという高橋は、大好きなオスカルをイメージしたというバラのモチーフがあしらわれたジャケットで登場。高橋がオスカル愛を熱心に伝えると、池田は「あの当時は今より女性の社会的地位が低くて、何かと『女のくせに』と言われる時代。私なんか家を建てたときに見知らぬ男性から『家なんか建てやがって』と電話がありましたから。だからオスカルには女性とか男性とか関係なく、自分の努力と才能で人生を切り開いていけるんだって示してもらいたかったんです」とキャラクターに込めた思いを説明した。
また高橋の「お気に入りのキャラクターは?」という質問に、池田は自分の描くキャラクターは全部好きと悩みながらも「男性だったら特にルイ16世」と回答。その理由は包容力だそうで、これには高橋も「わかります! あんなに妻のすべてを愛してくれるなんて!」と激しく同意する。さらに池田は「(オスカルにとっての)アンドレのような(サポートしてくれる)男性がそばにいたら仕事がしやすいだろうなと思います。あの当時、働いている女性の方々から『私もアンドレが欲しい!』という声が多くって」と明かす。すると高橋から「そう考えると私の旦那さん(あべこうじ)はアンドレですね」と身近な例が。池田も「私の旦那もアンドレです。洗濯も進んでしてくれますし、今日の髪も巻いてもらったんです。そういう男性が増えてきて、今は女性が社会で仕事をしやすくなっている時代なのかなと思います」と述べた。
展覧会について池田は「すごく意気込みを感じさせられました。でも、自分の50年前の絵って少し恥ずかしいんですよね。わー、下手だったなと。今ならもっとうまく描けたのにっていう気持ちが強いです」と苦い表情。そんな池田の発言を高橋は「いやいや、美しかったですよ!」とフォローしつつ「作品にのめり込みすぎて『あ、この人嫌い!』とか言いながら見ちゃいました(笑)。先生が執筆当時どういう思いだったかも書いてくださっていて、それがクスッと笑えたり。あとオスカルが生涯で一度だけ身にまとったドレスも素敵で……!」と、文化服装学院の生徒が制作した展示物のドレスに触れる。
これから展覧会に来る人たちに向けて、高橋は「入り口から『ベルサイユのばら』の雰囲気が味わえますし、原画だったりドレスだったり、宝塚のコーナーがあったりと盛りだくさんのなので体感していただくのが一番!」とアピール。池田は「あとカフェも! さっきメニューを見てきて『これ食べたいね』なんて言ってました。会期中、メガネで変装して遊びに行こうかな」と、ファンの期待を上げる。最後に池田は「私はもう後期高齢者です。遠くない将来いなくなっても、『ベルサイユのばら』を読んで感動してくださった思いを後の人たちに伝えて、ずっと読み継いでいただければと願っています」と呼びかけた。
「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展ーベルばらは永遠にー」
会期:2022年9月17日(土)~11月20日(日)
会場:東京都 東京シティビュー
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