少年ブック(集英社)1963年1月号から10月号にかけて連載された「新選組」。剣の腕を磨き、父の仇を討つため新選組に入隊した少年・深草丘十郎を軸に物語は展開される。幕末の京都を舞台に、どこか謎めいた親友・鎌切大作や新選組の隊士たち、そして坂本龍馬との出会いを経て成長する丘十郎の姿を描いた歴史ドラマだ。
なお手塚作品が歌舞伎として上演されるのはこれが初めて。深草丘十郎役は中村芝翫の三男・
中村歌之助(深草丘十郎役)コメント
まさか歌舞伎座で主役をさせていただけるなんて……プレッシャーもありますが、すごく嬉しいです!
勘九郎の兄から手塚治虫先生の「新選組」が面白いと伺って兄たちと読みました。幕末の話でありながらも、現代に通ずるテーマ性があり、若い人にも観ていただきたいです。手塚治虫先生の作品は、母方の祖父が「鉄腕アトム」を見せてくれたり、小さい頃から作品に触れていたのでご縁を感じています。初めて歌舞伎になるときに、主人公の丘十郎として舞台に立たせていただけることは有難く、光栄です。
「八月納涼歌舞伎」は若手が一致団結してやる公演でもあるので、今回「新選組」を8月の歌舞伎座でさせていただけることも、すごく嬉しいです。勘九郎の兄や七之助の兄はじめ錚々たるみなさんが出てくださると思うので、周りにも支えていただいて、ひと月がんばりたいです。
出演が決まったときは、家族みんなで喜びました。父(芝翫)は「チャンスだからがんばりなさい。本当によかったね」と言ってくれました。母(三田寛子)はひたすら「がんばりなさい。もらったチャンスをものにするのよ」と。兄弟の反応は…一番上の兄(橋之助)からは「ずるいなぁ……」と。僕ら二人にすごい嫉妬が……。丘十郎と大作の関係は、僕たち兄弟の関係とどこか似ているようで、二人に合っているのかもしれません。兄と芝居をするのはすごく楽しみですし、二人が成長していく過程を日に日に観ていただけたら嬉しいです。
中村福之助(鎌切大作役)コメント
とにかく楽しみでしょうがないです! がんばります!!!
数年前に勘九郎の兄から、手塚治虫先生の「新選組」が面白いからと勧めていただいてすぐに読みました。兄弟で回し読みしながら、新選組をそう描くんだ!と、とても面白くて、これが歌舞伎になったら……と想像したり、ワクワクしながら読みました。
今回、鎌切大作を勤める上では、手塚治虫先生のファンや「新選組」を愛していらっしゃる方々に舞台を観ていただいたときに、「あ、鎌切大作だ!」と自然に馴染んでいただけるように演じられたら、それがベストだと思っています。まだ誰もやっていないお役に臨めることも、楽しみでしようがないですね。
「八月納涼歌舞伎」は、小さい頃から勘三郎の伯父や父が出ていた公演なので、そこに出させていただけることは身の引き締まる思いです。さらに今回、「新選組」というお芝居ができるのは、「新選組」を勧めていただいた勘九郎の兄に感謝ですし、今、自分たちができる最高のパフォーマンスを出し切れるようにがんばりたいと思います!
関連記事
ティグレ @Masked_Tigre
手塚治虫作品が初の歌舞伎に、「新選組」を3年ぶりの八月納涼歌舞伎で上演(コメントあり) https://t.co/RrT18dyH1a