「ククルス・ドアンの島」安彦良和が新作期待され「歳を取らなければ気が変わるかも」

16

482

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 112 339
  • 31 シェア

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の完成披露舞台挨拶が、本日5月18日に東京・丸の内ピカデリーにて実施され、古谷徹武内駿輔古川登志夫潘めぐみ成田剣、廣原ふう、監督の安彦良和が登壇した。

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」完成披露舞台挨拶の様子。左から廣原ふう、成田剣、武内駿輔、古谷徹、古川登志夫、潘めぐみ、安彦良和監督。

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」完成披露舞台挨拶の様子。左から廣原ふう、成田剣、武内駿輔、古谷徹、古川登志夫、潘めぐみ、安彦良和監督。

大きなサイズで見る(全27件)

古谷徹

古谷徹[拡大]

6月3日に公開される「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」は、1979年に放送された「ガンダム」シリーズの原点であるTVアニメ「機動戦士ガンダム」の第15話「ククル ス・ドアンの島」を映画化したもの。「機動戦士ガンダム」にも参加した安彦が監督を務め、劇場版3部作でも割愛されたエピソードを生まれ変わらせた。

武内駿輔

武内駿輔[拡大]

イベントの冒頭には、TVアニメ第15話放送当時の永井一郎による予告ナレーションが流される演出も行われた。トップバッターとして挨拶した古谷は「スクリーンに15歳のアムロが帰ってきました。こんなにうれしいことはない!」と、おなじみのアムロのセリフを引用して感情を表現。今作でアムロとともにもうひとりの主人公とも言えるククルス・ドアンを演じた武内は「この作品が約40年越しに、なぜ劇場版という形で戻ってきたかという意味がようやくわかっていただけると思うと、ワクワクしています」と、これから映画を鑑賞するファンへメッセージを贈る。初代ブライト役の鈴置洋孝亡き後、役を引き継いだ成田は「『ガンダム』のメンバーの一員になれたかなという気持ちにさせていただきました」と、ホワイトベースクルーとともにブライトを演じられた喜びを語った。

安彦良和監督

安彦良和監督[拡大]

ドアンの住む島で子供たちの母親代わりとなっている少女・カーラを演じた廣原は、安彦監督から「子どもたちと接するときはお母さんのように優しく優しく、みんなを包み込むようなお芝居をしてくれたら」とディレクションを受けたことを明かす。安彦監督は、廣原が7人兄弟の長女であるという情報を伝え、「うまいわけですよ! お姉さんやってたんだもん」と彼女の演技を褒めていた。

成田剣

成田剣[拡大]

またイベント中には、「機動戦士ガンダム」の有名シーンが新たに描かれた本編映像の一部も解禁に。スクリーンに映し出されたのは、ブライトに殴られたアムロが「親父にもぶたれたことないのに!」と食ってかかる、よく知られたシーン。司会から約40年ぶりに、改めてこのシーンを演じた感想を聞かれた古谷は「ゲームとかで毎年このセリフを収録しているので、43年間ぶたれっぱなしなんですよ(笑)」と笑いを交えて返しながらも「映画に出てくるとは思いもしなかった」と驚いたことを明かした。

廣原ふう

廣原ふう[拡大]

今回解禁された映像以外にも「機動戦士ガンダム」ファンが懐かしくなるシーンがちりばめられているという今作。安彦監督は当初そういったシーンをもっと盛り込んでいたことを話し、「コンテをきったら2時間を超えるとなってしまった。それで絞り込んで今のシーンが残っています」と裏話を明かした。さらに「BGMもオールドファンは感涙ものだと思います。意図してアレンジしたものを使っていただきました」と音楽面もファンの期待に応えるものになっているとアピールした。

ファンから集められた質問。

ファンから集められた質問。[拡大]

Twitterで募集したファンの質問に答えるコーナーでは、「ガンダムを映像で作るのはこれが最後」と公言している安彦監督に、「安彦監督指揮のファーストガンダムのリメイクが観たい」という要望も届く。本当に監督業を辞めるのか?というファンの声に安彦は「歳ですから最後だろうということ」と発言の意図を説明し、今作の完成もスタッフの力あってこそだと感謝を伝える。さらに「歳を取らなければ気が変わるかもしれない(笑)。でもファーストガンダムに関しては思い残すことはないというのが本音です」と満足そうな表情で思いを語った。

古川登志夫

古川登志夫[拡大]

続いて寄せられた質問は「これまでガンダム作品にほとんど触れたことがない人へのおすすめポイントは?」というもの。セイラ・マス役を演じた潘は、「こういう情勢でもある中で、この瞬間に『ククルス・ドアンの島』の物語を届けられることに、すごく意味がある」と力強く述べる。“ファーストガンダム”から変わらずカイ・シデンを演じる古川は「『ガンダム』は、大きな状況に飲み込まれていく小さな者たちの物語、そして愛する者たちを守る物語。これはすべての『ガンダム』に共通するメインテーマですよね。それがこの一本の映画に凝縮されていますね」と絶賛した。

潘めぐみ

潘めぐみ[拡大]

最後の挨拶では、古谷が「観終わったときに心が温かくなる、そんな素敵な作品です」と述べ、「もっともっと大好きな15歳のアムロを演じたいなと思っております」と「機動戦士ガンダム」の新たな映像化を望む。安彦監督は映画化発表当時を振り返り「『なんで?』というリアクションが非常に大きくて、そんなに意外だったかな?と思っていました」と明かし、「それが今は『楽しみだ!』という風に変わってきていると感じていて、最近はうれしいです」と笑顔を見せた。続けて「観終わって暗くなる話ではないので、期待を込めて観ていただきたいと思います」と締めくくった。

この記事の画像・動画(全27件)

劇場アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」

2022年6月3日(金)全国ロードショー

スタッフ

企画・製作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:安彦良和
副監督:イムガヒ
脚本:根元歳三
キャラクターデザイン:安彦良和、田村篤、ことぶきつかさ
メカニカルデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、山根公利
総作画監督:田村篤
美術監督:金子雄司
色彩設計:安部なぎさ
撮影監督:葛山剛士、飯島亮
CGI演出:森田修平
CGI監督:安部保仁
編集:新居和弘
音響監督:藤野貞義
音楽:服部隆之
配給:松竹ODS事業室
製作:バンダイナムコフィルムワークス

キャスト

アムロ・レイ:古谷徹
ククルス・ドアン:武内駿輔
ブライト・ノア:成田剣
カイ・シデン:古川登志夫
セイラ・マス:潘めぐみ
ハヤト・コバヤシ:中西英樹
スレッガー・ロウ:池添朋文
ミライ・ヤシマ:新井里美
フラウ・ボゥ:福圓美里

エグバ・アトラー:宮内敦士
ウォルド・レン:上田耀司
ユン・サンホ:遊佐浩二
セルマ・リーベンス:伊藤静
ダナン・ラシカ:林勇

マルコス:内田雄馬
カーラ:廣原ふう

全文を表示
(c)創通・サンライズ

読者の反応

ヤマ @jun_yama

【イベントレポート】「ククルス・ドアンの島」安彦良和が新作期待され「歳を取らなければ気が変わるかも」 https://t.co/k7fesUWWMe

コメントを読む(16件)

関連記事

安彦良和のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのコミックナタリー編集部が作成・配信しています。 安彦良和 / 古谷徹 / 武内駿輔 / 古川登志夫 / 潘めぐみ / 成田剣 / 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 の最新情報はリンク先をご覧ください。

コミックナタリーでは国内のマンガ・アニメに関する最新ニュースを毎日更新!毎日発売される単行本のリストや新刊情報、売上ランキング、マンガ家・声優・アニメ監督の話題まで、幅広い情報をお届けします。