「バブル」荒木哲郎監督が武田綾乃を絶賛「映画と小説は2つで1つになった」

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アニメ「バブル」の小説版が発売されたことを記念したトークイベントが、本日4月29日に東京・HMV&BOOKS SHIBUYAで開催。アニメの監督を務める荒木哲郎と、小説版の作者である武田綾乃が登壇し、ライトノベルの編集者で、株式会社ストレートエッジ代表取締役の三木一馬氏がMCを務めた。

トークイベントより。左から荒木哲郎監督、武田綾乃。

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アニメ映画「バブル」より。

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「バブル」は世界に降り注いだ泡(バブル)によって重力が壊れてしまった東京を舞台に、パルクールプレイヤー・ヒビキと不思議な力を持つ少女・ウタが繰り広げるラブストーリー。去る4月28日にNetflix版が配信スタートしてから1日が経ち、周りの反響について聞かれた荒木監督は「SNS上でこの作品に携わってくれたスタッフたちが投稿してくれていたので、ここは感謝を伝えるチャンスだと思い、とにかく褒めていました」と笑いながら語る。武田はアニメの感想を聞かれると「ノベライズを担当するうえで、本当に盛りだくさんの資料をいただき、作品の内容を知ったうえで鑑賞させていただいたのですが、音楽と映像が本当に素晴らしかったです。ヒビキとウタの心の距離感が言葉ではなく、映像で表現されていて、映画の素晴らしさを実感しました」と絶賛した。

左から荒木哲郎監督、武田綾乃。

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武田は小説版を担当することになった経緯について「三木さんにオファーをいただいたのがきっかけでした。監督が荒木さんで脚本が虚淵(玄)さん、キャラクターデザイン原案が小畑(健)さんと、学生のころに観ていた映画や読んでいたマンガを作られた方々の作品をやれるなんて、興奮して飛びつきました! 作品も素晴らしかったですし、本当に光栄でした」と述懐。そして「アクションを小説で描くのは心配でしたが、小説ならではのアプローチで感情を書き込みました。最初にキャラクターの性格がわからないと書けないと思ったのでとにかく(アニメの共同脚本を務めた)佐藤(直子)さんの資料を読み込みました。マコトの背景や、シンの結婚指輪、泡がなぜできたのかなど、映画を観た方がもっと知りたいと思うところを盛り込もうと思っていました。アクションのテンポのよさというのは余計なものを削ぎ落として表現できるものだからこそ、小説は映像にないこの世界をしっかり描きました」と思いを語る。

アニメ映画「バブル」より。

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荒木監督は「映画と小説は2つで1つという作品になったと思う。アクションが主体で構成されたこの作品が文字に起こされるとき、読んで面白いものになるのか不安であったので、武田さんの力が必要だと思いました。映画で描ききれなかったシーンや、キャラクターの心の声を小説で説明してくれて、本当に素晴らしかった」と小説版を称賛。また「バブル」の着想のきっかけについても話が及び、荒木監督は「企画の話をしているときに、ポスターに青空を入れて、青春ラブストーリーを描くとなったときに何をやるか悩んでいました。そのときに『にんぎょ姫』がパッと思い浮かんだのですが、『にんぎょの姫』の物語って結構悲しい話で、この悲哀の物語に乗せて描いてみようと思い、とにかく画を描きました。泡の存在は虚淵さんのアイデアだったので、設定で非常にキャッチーになりましたね」と明かしていた。

アニメ映画「バブル」より。

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荒木監督と武田が、会場に集まったファンと質疑応答する場面も。「これまでの作品でがんばる少女の姿を描いているが、同時に人の弱い部分も描かれている。このピリッとした雰囲気を描くこだわりについて(語ってほしい)」と言うファンに対しては、武田が「小説『バブル』も映画よりもピリつくところが多いと思います。ネガティブな感情をしっかり描いていますが、このネガティブな要素って共感に働くとも思っています。ポジティブとネガティブの要素を描くことで、自分が共感できるキャラクターを見つけることができると思っているので、今回の『バブル』も読んだ人がキャラクターを好きになってくれるように入れていますね」と応える。それを聞いた荒木監督は「各キャラクターそれぞれが傷を抱えていて、その目線が足されているのはすごく良いなと思いました。尺がもっとあったら僕も映画でそれをやりたかったと思いました!」と笑顔を見せ、会場を笑わせた。

左が荒木哲郎監督、右が武田綾乃。

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最後には荒木監督がアニメ「バブル」について「非常にユニークな映画になったと思っています。アクションが得意な僕やWIT STUDIOがラブストーリーを描いたことで化学反応が生まれたと思っています。感情に押し寄せる多幸感とアクションの爽快感が見事に融合していて、こういう作品を生み出せた自分が頼もしくも感じました。是非、映画館の大きなスクリーンで観てほしいです」と力強くアピール。武田は小説版について「劇中のラブパルクールのシーンが本当に大好きで、文字にしたときにちゃんと表現できるかなと考えるなど、とにかく挑戦づくしの作品になりました。『バブル』の世界をより深く掘り下げたのがこの小説版だと思うので、映画と合わせて楽しんでほしいです」と話し、イベントは温かい空気の中、幕を閉じた。「バブル」の劇場版は5月13日に公開される。

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(c)2022 「バブル」製作委員会

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三木一馬 @km_straightedge

昨日のトークイベントが記事になってました!!
映画『バブル』は5/13全国劇場公開です! https://t.co/Pd5jUW9n4a

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