「劇場版 Free!-the Final Stroke-」後編の舞台挨拶が、去る4月23日に京都・MOVIX京都で開催された。
イベントには七瀬遙役の
同じ質問に鈴木は「我々も長いことフィルムに関わってきたということもあって、一言では言い表せない何かになったんだなっていう。自身ではなかなか持ったことのない、観た後に感想がわからなくなるような思いがあって。マイナスなことではなくすごくポジティブな、いろんな感情がミルフィーユみたいに重なっていって、『日本語でなんて言ったらいいんだろう?』という感覚になりました。それが、皆さんにどう伝わるのかなって思いましたし、とてもいい形で心に残ったらうれしいなってふと感じましたね」と回答。細谷は「本作に携わる全てのスタッフが、この『Free!』という作品を長い間応援してくれているファンの皆さんに喜んでもらえる結末を、懸命に考えたと思います。宗介は肩を故障しました。僕も声帯を故障させた時期があります。自分が故障から完全に回復するには、3年以上4年未満くらいの時間が必要でした。当時の感覚を監督に伝えたことがあります。実際に故障を体験している人間の言葉なので、監督は黙って僕の話を聞くしかなかった。今回のエンディングはそのときの自分の意見が反映されていると勝手に思っています(笑)。故障から回復までの時間が丁寧に描かれていました」と述べる。
代永は「ずっと『Free!』ってつながっていくんだなって思いましたね。前編が衝撃的な終わり方だったので、この後どうなるんだろう?って皆さんにもお待ちいただいて、今回こうやって公開されて、これぞ『Free!』だなっていうのを見せつけられました。『Free!』に関われて本当によかったなと思いました。エンドロールでも思い出したり溢れてくるものがあったんですけど、それも含めてうれしいなと。みんな大人になったし、河浪(栄作)監督の思いが詰まっていて。これから先も希望が見えるというか、それぞれのキャラクターがどういうふうにこの先歩んでいくのかな、と思える出来になっていた。終わっちゃうという感覚はなくて、どこかでまた会えるんじゃない?と感じる終わり方なので『僕らもいつまでも待ちます!』という思いでいっぱいです」とコメント。平川は「完成品を初めて観たときは、当たり前ですけどずっと黙って観てて……最後のカットが終わって画面が暗くなった後、自分の顔が笑顔になっていることに気付いて。やっぱり俺、こんなに『Free!』が好きなんだなって思いました。すごく笑顔になっている自分に気付く、そんな瞬間がありました」と語った。
またお気に入りのシーンを聞かれ、島崎は「気に入ってないシーンなんてないんですけど、やっぱりラストは……。あれは全員で泳いでるんだなってアフレコのときから思っていて。今まで関わってきた全員、真琴だったり、これまで遙と出会ってきた、つながってきた、関わってきたみんながいてこそ辿り着けたラストだし、泳ぎ切れたなって。みんなで泳いだんだよっていう思いがあったので印象的でした」とコメント。この満点の回答に「このあと何を話せばいいのか」とほかの登壇者たちが焦る一幕もありながら、さらに島崎は宮野真守演じる凛、鈴木演じる真琴との思い出深いシーンに触れる。そして次の鈴木が“凛の圧倒的なヒロイン力”に触れようとすると、会場から時間が迫っているという合図が。動揺する2人に、細谷は「(タイムキーパーから合図が出ているんだから)いい加減気付けよ主人公!」と劇中の宗介の印象的なセリフをもじり、観客の笑いを誘った。
最後に登壇者たちは1人ずつ挨拶。平川は「改めて皆さま観ていただいてありがとうございます。前編の舞台挨拶のときに『最後のターンをついにしました』と話していたんですけど、彼らの人生とか、彼らの水泳はこれからもずっと続いていくんだなと。まだまだ道が長く長く続いていくんだな、みんなの気持ちの中や僕らの気持ちの中で『Free!』は、夏は終わらないんだなと感じました。皆さまには、彼らの行末を想像していただきながら、応援していただけたらうれしいなと思います。どうぞ今後とも、彼らをよろしくお願いします。愛してあげてください」と、代永は「『Free!』の物語としてはこれで終わりますけども、平川さんの言うように彼らの道は続いていきますので、またどこかで交わる瞬間があるかもしれないし、別々の道を歩む瞬間があるかもしれないし。1期から観ていただいている方には本当にそう感じてもらえる作品になっています。僕らも、楽屋でずっと話が尽きないぐらい思い出がありすぎて……。すべて含めて『Free!』を愛している皆さんや、僕らの思いが詰まっている作品です。皆さんの応援が続く限り、『Free!』はずっと続いていくと思いますので、これからも長く長く、応援していただけたらありがたいなと思います」と呼びかける。
細谷は「この回でライブビューイングを含めた初週の舞台挨拶は終わってしまうんですけど、信長さんの話はまだまだ続くので、5月の舞台挨拶もぜひ遊びに来てください。ありがとうございました」とコメント。鈴木は「本当に皆さんがおっしゃってる通りで、明日へ続くフィルムなんだなってすごく思っています。作品の中に出ているみんなもそうだし、それを支えたり作り上げてきた我々もそうだし、観ていただいた皆さんにもつながるような、明日へ歩くためのフィルムかなと。それが皆さんに伝わったらうれしいし、その一歩に『Free!』がなったらいいなって思いますし、そのきっかけが日常にあふれる水の音だったら幸せだなと思います。これが完成なんだな、これもまた始まりなんだなって思える瞬間が今です。本当にありがとうございました」と語る。
ラストの島崎からは「『Free!』と関わってきて、『あ、だからか!』って腑に落ちたことがあって。アニメのキャラクターとか作られた世界とかじゃなくて、完全に僕たちの中で生きている人たちなんですよね。あの世界があって、そこにみんなが生きている。あくまで彼らの人生の一部をこうやってフィルムに切り取ったものがあるだけで、彼らもあっちで生きてるんだと思うから、終わりなんじゃなくて彼らの人生が楽しみだし、ずっと僕の中にも生き続けていくから寂しくないんだなと。こんなに希望溢れる、素敵なこれからを予感させてくれるものを観せてもらいました。代わりがいないから、こんなに長い間愛してもらえるんだなって。そんな作品に関わらせてもらったこと、本当に幸せだなって思います」という言葉が。島崎のコメントを受け、鈴木がすかさず「そうした作品を引っ張っていってくれたり、みんなのところに背負っていったのは、あなたのおかげよ」と声をかけると、客席からまたも温かい拍手が起こる。そんな中、島崎は「そう背負えるように、背負える“遙役の島崎信長”に育ててくれたのがこの現場のこの作品のみんなだったので、本当にこちらこそです……。皆さんが応援して、つないでくれたから、ここまで辿り着くことができました。すべての人にありがとうございました!」と感謝を伝え、舞台挨拶は幕を閉じた。
「劇場版 Free!-the Final Stroke-」
後編:上映中
スタッフ
原案:「ハイ☆スピード!」おおじこうじ(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
監督:
構成・脚本:河浪栄作
脚本協力:横谷昌宏
キャラクターデザイン:西屋太志
キャラクター設定:岡村公平
総作画監督:岡村公平、門脇未来
美術監督:笠井信吾
3D美術:鵜ノ口穣二
色彩設計:米田侑加
小物設定:唐田洋
撮影監督:高尾一也
3D監督:柴田裕司
音響監督:鶴岡陽太
音楽:加藤達也
アニメーション制作:京都アニメーション
配給:松竹
製作:岩鳶町後援会2021
キャスト
七瀬遙:
橘真琴:
松岡凛:宮野真守
桐嶋郁弥:内山昂輝
山崎宗介:
椎名旭:豊永利行
遠野日和:木村良平
葉月渚:
竜ヶ崎怜:
似鳥愛一郎:宮田幸季
御子柴百太郎:鈴村健一
桐嶋夏也:野島健児
芹沢尚:日野聡
鴫野貴澄:鈴木千尋
金城楓:小野大輔
東龍司:草尾毅
ミハイル:木内秀信
アルベルト・ヴォーランデル:JEFF MANNING
※高尾一也の高ははしご高、島崎信長の崎はたつさきが正式表記。
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