「これさえあれば」を歌ってみて、芦田は「漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています」と、宮本は「先生からの『信子さん、のって、のって~~歌って~~。いつものライブのように!』のお言葉を胸に、楽しく一生懸命歌いました」とコメント。演奏も担当したT字路sは、2人のレコーディングについて「今日まで生きて来られたなかで紡がれた物語そのものが乗り移ったような歌声に、歌い出した瞬間にハッとして引き込まれ、歌い終わる頃には胸がいっぱいになりました」と感想を述べた。
またT字路sは主題歌楽曲の提供のみならず、同作の音楽全般を手がけている。プロデューサーの河野英裕氏は、T字路sの起用と主題歌の選曲について「昔から好きなアーチストでしたが、T字路sを聞いていると映画のイメージがどんどん膨らんできて。だったら思い切って音楽を頼んでみようかなと。ボーカルはなくてもそのメロディと音で、この映画を違う場所まで運んでくれるに違いないと。そして映画の最後、エンドロールまで全部ひっくるめて物語が完結するようにしたかったので、どうしようかと悩んでいたら、『これさえあれば』というT字路sの曲があるじゃないかと。“これ”はBLでもいいし、隣にいる誰かでもいい。好きな音楽でも本でも場所でも食べ物でも何でもいい。この物語のためにある曲だと思いました」と説明。なおT字路sのギターボーカル・伊東妙子は、うららの母親役として映画にも出演している。
また4月8日より通販サイト・メイジャーでは、同作の特典付き前売り券を数量限定で販売。特典は2種類用意されており、劇中シーンや登場人物を両面にあしらったクリアファイル、もしくは劇中に登場するBLマンガのキャラクターをデザインしたクリアポスターのどちらかを選ぶことができる。
芦田愛菜コメント
スタッフの皆さんにすぐ後ろで見て頂きながらレコーディングしたので、すごく緊張していたのですが、歌っているうちにだんだん楽しくなりました。
漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています。
この曲を聴いていると雪さんとの二人のシーンが思い浮かぶんです。
素敵な映画のエンディングになったと感じました。
宮本信子コメント
二人の歌をエンドロールにしたい!と言われた時は、もうビックリしました。青天の霹靂! 責任重大!
とてもむずかしい楽曲でしたが、レッスンを受けて、なんとか本番に間に合いました。
レコーディングは緊張しましたが、先生からの「信子さん、のって、のって~~歌って~~。いつものライブのように!」のお言葉を胸に、楽しく一生懸命歌いました。
T字路sコメント
劇伴を制作した感想
劇伴音楽の制作はまったく初めてのことでしたが、私達が何より幸せだったのは、この作品をとにかく大好きになったことで、手探りながらも無我夢中で情熱を傾けることができました。
うららも雪さんも愛しくてたまらなく、だからこそ、寄り添い感情移入するところ、逆に俯瞰したり距離を置くところ、シーンによって試行錯誤しました。普段は作らないような曲調、使わないような楽器や音響効果を織り交ぜたりもして、この上なく楽しく充実した、全力の挑戦でした。
芦田愛菜と宮本信子とのレコーディングを終えた感想
うらら(芦田さん)と雪さん(宮本さん)おふたり+おふたりが、今日まで生きて来られたなかで紡がれた物語そのものが乗り移ったような歌声に、歌い出した瞬間にハッとして引き込まれ、歌い終わる頃には胸がいっぱいになりました。
簡単なようで節回しがややこしく歌いにくかったかと思うのですが、こんなにチャーミングに、晴れやかに、凛々しく、表現してくださりとても嬉しく感激しました。
実は10年以上前に作った曲なのですが、この映画のために作ったかのようにぴったりですよね?
完成した映画を観た感想
自分達が作った曲が実際に映像に当てはめられると、表情(から感じ取られる心情までも)が、音楽に合わせて変化してゆくように見えて、震えるほどの感動がありました。
傍目には何の変化もないように見えるかも知れない、でも、好きなものが出来ただけで人生はこんなにも動き出し、輝く。
うららを、雪さんを抱き締めたいと思う気持ちは自分自身を抱き締めたい気持ちでもあると感じます。
劇伴制作をしながら何十回観たかわからないけれど、完成した映画はますます愛おしい作品になっていました。たくさんの人に観て欲しいし、何回でも観て欲しいと心から願っています。
「メタモルフォーゼの縁側」
2022年6月17日(金)全国ロードショー
原作:
脚本:岡田惠和
監督:狩山俊輔
出演:
プロデューサー:河野英裕、谷戸豊、大倉寛子
製作幹事:日本テレビ放送網
制作プロダクション:日テレアックスオン
配給:日活
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