芥見下々原作による映画「劇場版
「
公開後の舞台挨拶ということもあり、キャストたちは映画の内容に踏み込みながら「今だから話せる裏話」というテーマでトークを展開していく。緒方は、映画終盤の五条と夏油のシーンを挙げ、「中村さんと櫻井さんはあのシーンについては(取材でも)あまりしゃべれなかったと思う」と2人に話題を向ける。櫻井は「あんまり克明に言ってはいけない場面だと思うんですが、あそこの収録のときは、人知れずグッと胸に来てました。あのシーンは自分の中でもすごくいい感じにパフォーマンスできたと思います」と回想し、「あと、五条のすごさを感じました。TVアニメから今までずっと作品の顔を張ってきていて、五条がいるからこそ、という力を感じましたね」と述べる。櫻井の称賛を受け、中村は「あざす」と感謝した。
中村は裏話を求められ、少し考えたのち「ヒットしましたけど、そんなに僕らはお金をいただいていませんよ」とジョークを飛ばし、花澤から「なんですか、その話!(笑)」とツッコまれる。緒方と櫻井と3人で行ったアフレコについて、中村が「緒方さんに圧巻、圧倒されるばかりで、冷静な面と冷静じゃない面がありました。劇場には年明けに行ったんですけど、劇場だと収録のときに気付けなかったことに気付けたんです。緒方さんの呼吸の演技がめちゃめちゃよくて! 呼吸の音でこっちの心が持っていかれる」と語ると、隣の櫻井も「そうなんですよ!」と同意。緒方は「収録のときはアクリル板のようなものが両脇にあるので、隣で話していても全部は聞こえないんです。以前はこういうこともなかったので、気配まで感じられたんですけど。細かい息遣いなどを聞けない状態で録っていたので、我々も完成した映画を観て知る、ということはありましたね」と振り返った。
緒方はアフレコの思い出話として、花澤の演技についてコメント。「香菜ちゃんが最初に『大大大大大好きだよ』って言ってくれるシーンにゾワッとしたんですけど、尺が長かったので、OKテイクは録り直したほうだったんです。OKテイクもよかったんですが、1発目の花澤さんの芝居がものすごかったので、残念だったなと思いました」と語る。緒方に褒められ、花澤は恐縮しつつも「あそこからセリフを畳みかけていくじゃないですか、いいきっかけになれたのかなと思いました」と微笑んだ。
続けて緒方は、終盤に乙骨と夏油が対峙するシーンのセリフについて「あの辺のシーンのセリフについては、事前に話さないようにと戒厳令が敷かれていたので、今まで言ってこなかったんですけども、夏油に『女たらし』と言われてしまう一連のシーンをどうしようかなと思っていて」と思い悩んだことを明かす。悔しさや、「どうしても勝ちたい」という気持ちを前に出そうとしていた緒方だが、スタッフから「もっと凪いでいてほしい」と言われたという。緒方は「どうやったら凪げるんだろうと考えていたんですけど、そうかと思ったことがあって。『一緒に逝こう』ってセリフを、『結婚しよう』と言うつもりで話しました。結婚するということは、里香と一緒に向こうの世界に行くということなんですけど、そのことも腹に据えた状態で話すことを意識したんです。それを話したあとに(里香に)『大好きだよ』と言われたので、本当に幸せでした」と述べる。花澤は緒方のコメントに「私たぶん、次に(映画を)観に行ったら、『大大大大大好きだよ』って言っちゃいそうです!」と声を弾ませた。自身のアフレコの思い出話として、花澤は「幼少期の憂太くんがめちゃくちゃかわいくて、これは好きになっちゃうよなと、アフレコの前から思いを募らせていたんです」と話し、「アフレコしたら、やっぱり里香ちゃんには憂太くんしかいないよなと思えて、緒方さんと一緒にアフレコできて本当によかったと思います」と述べた。
ここでМCが「呪術廻戦」に関する重大発表を行うことをアナウンス。スタッフが舞台袖から巨大な箱を台車で運んでくると、中村が「里香ちゃんの形のケーキはもういいですよ」とぼやいてキャストたちを笑わせる。会場中の視線が集まる中、МCが「お願いします!」と発すると、箱の中から虎杖悠仁役の
榎木も「劇場版 呪術廻戦 0」を鑑賞したといい、「中村さんと、1年生組の内田雄馬くんと瀬戸麻沙美さんと、観に行きました!」と明かす。中村は「出てない奴らと行きました!(笑)。だからリアクションが楽しみでしたよ。原作にないシーンとか、この人たちどういう気持ちで観てるんだろうって。観てる最中に、今どんな気持ち? TVシリーズの主役チームだけ出てないのどんな気持ち?って聞けないんで」と話す。感想を問われた榎木は「終わったあとみんなで感想話したり、めちゃくちゃ興奮しました。あと泣けましたね。憂太の気合いみたいなものがスクリーンからすごく伝わってきて、圧倒されました。内田くんと瀬戸さんは小学生のようにはしゃいでましたね。瀬戸さんは『おもろかったー!』って言ってました」と振り返った。
舞台挨拶では芥見からのお祝いイラストコメントが公開されたほか、芥見が初日舞台挨拶に出席するもタイミングが悪く登壇者たちとあまり言葉を交わせなかったことを緒方らが残念そうに語る場面も見られた。最後に榎木は「劇場版も100億円を突破したということで、僕は出ていないんですけども(笑)、本当にうれしいです。こんなに多くの方に観ていただけてすごいなと思っています。TVアニメの2期も決定しましたので、引き続き多くの方に『呪術廻戦』を楽しんでいただけたらと思います」と挨拶。緒方は「この映画がこれだけヒットしたのは、芥見先生の原作の力があるからであり、TVシリーズのキャストやスタッフの皆さんの熱が皆さんに伝わって、すべての『呪術廻戦』チームの思いが結実したのだと思います。100億というのは肌で感じにくいですが、1つだけ確かなのはこうして皆様お一人お一人が心を震わせていただいて、たくさんの方に伝えてくださったから。とても稀有な素晴らしい作品だと思います。コロナ禍の中でこの作品を作れたことが一番大きいかもしれません。未来につながっていく作品だと思います」と述べ、舞台挨拶を締めくくった。
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