アニメ「ARIA」シリーズのプロジェクト「蒼のカーテンコール」3部作の最終章にあたる「ARIA The BENEDIZIONE」。上映前に行われた舞台挨拶には晃・E・フェラーリ役の
この日、登壇の叶わなかった藍華・S・グランチェスタ役の
斎藤からのメッセージを受け、皆川には藍華にとって晃がどんな存在だと思うかという質問が投げかけられる。皆川は「憧れの対象で、どこかヒーローのような存在だったと感じている」と考えを伝え、「晃にとっての藍華もヒーロー。お互い自分を救ってくれた大切なヒーローだと思っています」と力強く語った。続けて、中原にはあずさと藍華の関係について質問がなされる。中原はまだ藍華と晃ほどの信頼関係にはなれていないと話しはじめ「そのときが早く来るといいな」と、姫屋の一員としてさらに深い関係になっていくことを望むと、皆川も「ぜひぜひ」とうなずいていた。
音楽へのこだわりを聞かれた佐藤総監督は「これは“恥ずかしいセリフ”を要求していますか?」と司会へ逆質問。司会から「それでお願いします!」と求められると、照れながら「16年前と変わらない穏やかな、聴いているだけで泣きたいほど幸せになる音楽をお願いしました」と回答する。「恥ずかしいセリフ禁止!」と司会にツッコまれると微笑ましいやり取りに客席から拍手が沸き起こった。
名取監督は「『ARIA』って不思議な話とか、楽しいだけの話とかいろんなお話が作れるんですけど、姫屋の話になるとすごく我々にとって身近な話になるんです」と今作のストーリーに言及。「アリアカンパニーだったらすごく素敵なセリフでも、ちょっと恥ずかしいなと思ってしまうのが多々ある。それが姫屋の場合は恥ずかしいけど、がんばろうという気持ちになれるセリフがいっぱいあるんです。観たら力づけられるんじゃないかな」と心にスッと入ってくるセリフたちに自身も力づけられたと語った。
約16年という時を「ARIA」と一緒に過ごしてきた葉月は、「16年演じてきたという感覚がもはや違和感。灯里が別に存在しているけど、でも私の体の一部であり、心の一部という感覚なんです。自分一人では灯里を出すのはけっこう難しいんですけど、ほかのキャラクターたちの声を聞くと灯里がするっと出てくる。それは『ARIA』の世界ならではで、みんながいてくれるから灯里になれる」と話す。広橋も「『ARIA』の世界はどこかに存在している。私が生きているようにアリスも生きていて時が流れている」と同調し、皆川も大きくうなずいていた。さらに広橋が「あるあるって思っている人しか会場に来ていないと思う!」と自信をもって宣言すると、会場から同意を表すような大きな拍手が贈られた。
イベントでは今作が最終章を謳っていることもあり、「あなたにとって『ARIA』とは?」という質問に登壇者全員が回答していく。トップバッターの皆川は「最終章じゃない! 一応、最終章ってなっているけど誰も思っていないです」とファンの気持ちを代弁。「ARIA」が「私の心の中の宝箱」だと言う皆川は「つらいこと、苦しいことがあったときに、ふと『ARIA』のことを思い出すんです。たくさんのキャラが発した素敵なセリフが蘇って、癒やしてくれたり、励ましてくれたりするんです。宝箱であり、人生のバイブルなのかな」と大切な存在であることをしみじみ語る。
一方、広橋は日々変わっていくものだとしながら「栗のおぜんざい」と回答し、会場をざわつかせる。広橋はその理由を「お椀をあけたときの『はあ』。これと『ARIA』は一緒かなって」と、ため息が出るくらいの幸せだと説明し、「栗ぜんざいおいしいですよー!」と観客に呼びかけた。
最後の挨拶で皆川は「何度も言いますが、これは通過点だと思います」と続編への思いを馳せ、「その日まで変わらず『ARIA』を愛し、応援していただけるととても幸せです」とコメント。佐藤総監督は「BENEDIZIONE」が「祝福」という意味だと明かし、「皆さんに祝福が訪れるといいなと思ってこのタイトルを付けました。皆さんにたくさん楽しんでいただいて、それが力になって次のスタートが始まると思います」とイベントを締めくくった
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