アニメ「劇場版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』」の初日舞台挨拶が、本日6月4日に東京・新宿バルト9で開催され、愛城華恋役の
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、ミュージカルとアニメーションが相互にリンクし展開するプロジェクト。テレビアニメは2018年7月から全12話で放送され、憧れの舞台「スタァライト」に立つことを約束した主人公・愛城華恋と幼なじみの神楽ひかりが、聖翔音楽学園に集う仲間たちとともに、舞台に挑む喜びや葛藤を抱く姿が描かれた。劇場版では第99期生のメンバーを中心に、テレビアニメシリーズから続く新たな物語が展開される。公開された気持ちを聞かれると古川監督は「自分の作った作品が映画館で上映されるなんて、人生で起きると思わなかったですし、完成した作品を観てもらってから感想を聞くのが初めてに近いので、恥ずかしいですね」と照れながら話し、小山は新型コロナウイルス感染拡大による延期を経て、ようやく公開されたことに触れながら「無事公開できて、率直にうれしいです」とホッとした様子を見せた。
また劇場版の制作が決定したときの気持ちについて三森は「舞台、アニメを経て、劇中劇の『スタァライト』がどんな風に集大成を目指していくのか、イチ出演者・ファンとしてとても楽しみにしていました。手元に台本がきたときは壮絶な内容に驚いて、こういう道を切り開いていくのかと感慨深くなりましたし、この作品に出会えて本当によかったと思えた瞬間でしたね」と語り、樋口は「テレビシリーズを作っていたときは、監督と『やり残しのない作品にしよう』とずっと話していたんですね。そこからの劇場版だったので、まったくゼロからのスタートでしたが、テレビシリーズ12本以上の熱量を持った作品になったのではないでしょうか」と言い、それを受けて武次も「完成版を観て、情熱は再生産できるんだなと、スタッフの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました」と答えた。
続いて一番の見どころについて尋ねられると、小山と三森はともに「まずは監督に聞きたい!」と古川監督に視線を向ける。古川監督は「実は見どころを見つけられないまま、進んでいったんですよね。キャラクターのあんなシーンやこんなシーンも観たいって欲張りになってしまって。どうまとめようかと思ったときに、全部盛り込んだうえで、あとから引き算していくという作業を行ったら、観るたびに見どころが発見できるように結果的に仕上がったという(笑)。あとは映画館で観てもらうことを前提に作りましたね」と語った。それを聞いた樋口も「前回のアニメシリーズが組み合わせを考えたコース料理だとしたら、『食べ方は皆さんにおまかせするので、全部大盛りで出そう』と思ったのが今回の劇場版ですね」と同意。小山は自分が演じた華恋の好きなシーンを取り上げ、「ひかりがイギリスに留学したあと、華恋はひかりのことを見ない・聞かない・調べないって決めていたのに、結局調べてしまって、彼女が王立演劇学院に通っていることを知ってしまったシーンは、脚本を読んでもアフレコをしていても、すごくくるものがありました。すべてを知ったうえで、ひかりちゃんとの対面を迎えていたかと思うと……。彼女のキャラクターに深みが生まれましたし、自分じゃできないなって思います」と振り返る。三森は心にズッシリきたという、キリンの「普通の女の子としての喜びや悲しみを捨てて、この舞台に取り組んでいる」というセリフをピックアップ。「百代ちゃんも私もほかのメンバーもそうなんですけど、それぞれ活動するにあたって、普通の女の子としての楽しみを犠牲にしている部分があるじゃないですか。彼女たちも私たちと同じくらい情熱を持って、舞台少女としての人生を歩んでいるんだって、ひかりちゃんたち9人と私たちは一心同体だったんだっていうのがわかって。すごく共感してキュンとしたんですよね」と思いを重ねながら述べた。
新曲を使用したレヴューシーンも今回の作品を彩る見どころのひとつ。印象に残ったレヴューシーンについて聞かれると小山は「どのシーンも曲がいいんですけど、特に(露崎)まひるちゃんとひかりちゃんが2人で歌うシーン。私たちが舞台『少女歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 revival』で過ごした楽屋がモデルになっていて、エレベーターの遅さとか、肌で感じていたものがすごくリアルに再現されているんですよ」と裏話に触れる。三森は「華恋とひかりの最後のシーンも好きだし、1曲のなかで、(キャラクターの)いろいろな面が楽しめますし、(石動双葉と花柳香子のレヴューシーンに登場する)“セクシー本堂”には衝撃を受けました(笑)」と話すと、すかさず古川監督が「京都の有名な某お寺の本堂が、キャバレーになっていたら面白いかなと。(石動双葉と花柳香子の)2人には昭和歌謡のような雰囲気を感じていて。実際に『仕事と私、どっちが大切なの』って、怒られたことがあるんですけど、2人のレヴューではその雰囲気を出したいって、ずっと言ってたんです」と打ち明ける。またレヴューシーンで描かれる“デコトラ”に並々ならぬこだわりを見せたという古川監督。「デコトラが出てくるアニメってないなと思って。10年くらいアニメ界におけるデコトラの金字塔って言われるように、はりきって作りました」と言い、笑いを誘った。
最後に武次は「1人でも多くの人に、劇場で体験してほしいです」とアピール。樋口は「監督が九九組の9人を大事に思っている気持ちを大事に、脚本を書きました。みんなが憧れるセンター・ポジションゼロの塊のような作品です。映画を反芻して、感じ取っていただけたら」と語り、古川監督は「皆さんが観たいと思ってくれたおかげで、劇場版が生まれました。今日は皆さんのお顔を拝見できて本当によかったです」と気持ちを伝えた。三森は「私たち9人の物語でもあるし、そして今日観に来てくださった皆さんの物語でもあると思います。1回目より2回めのほうが泣けました。ぜひエンドロールの最後まで観てほしいです」と言い、小山は「最後まで味わっていただけたらと思いますし、1回では見落としている部分もあると思うので、細かい部分まで何度も観てほしいです」とメッセージを贈り、イベントは締めくくられた。さらに小山、三森、古川監督、樋口、武次からはコメントが到着している。
小山百代(愛城華恋役)コメント
無事に公開されてとても嬉しいです。キラめきを浴びて再生産されてください!(エンドロールまで見るように!)
三森すずこ(神楽ひかり役)コメント
ようやく公開できてほっとしています。舞台を続けるという情熱や迷いなど、私たちが通ってきた道をひかりちゃんも体験しているんだなと思ったらすごくぐっと来て涙が止まりませんでした。ぜひたくさんの人に見ていただきたいです
古川知宏(監督)コメント
こんな状況ですが、全てのスタッフ・キャストが映画館で彼女たちの物語を「観劇」するためにこの作品を作り上げました。ぜひ映画館でご鑑賞ください。アタシ再生産!
樋口達人(脚本)コメント
「スタァライト」の続きの先にある新章を、みんなが全力の情熱で創り上げた映画になったと思います。これまでのキラめきをすべて注ぎ込んだ最大火力の劇場版、ぜひお楽しみに!
武次茜(アニメプロデューサー)コメント
キャスト、スタッフの汗と涙と愛情が詰まった映画です。9人の舞台少女の物語であると同時に、「スタァライト」を愛してくださるすべての方のための映画になっていると思います。ぜひ劇場で物語の結末を見届けてください
記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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