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庵野秀明が総監督を務めた「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。第3村はニアサードインパクトを生き残った人々が作り上げた集落であり、診療所や公衆浴場、居住施設を備えた生活拠点として機能している。劇中では主人公・碇シンジの同級生である鈴原トウジと相田ケンスケ、洞木ヒカリが第3村の住人として登場した。
SMALL WORLDS TOKYOに展示されるミニチュアセットは、実際に「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の制作に用いられたもので、映画制作スタッフはカメラアングルを探りながらミニチュアを撮影し、写真や映像を画コンテ作りに活かした。第3村のイメージを1/45スケールで表現した中心部のセットでは幅9m、奥行4mのスペースに静岡・天竜二俣駅などをモデルにした駅舎のほか、診療所や民家などの緻密な木製ミニチュアを設置。集落から少し外れた場所に位置するケンスケの家や、心を閉ざしたシンジがたどり着いた廃墟のミニチュアには、それぞれケンスケ、シンジのフィギュアが置かれている。
記者会見には「エヴァンゲリオン」シリーズなどの著作権管理を行うグラウンドワークス・神村靖宏社長、庵野が代表を務めるカラーの文化事業担当学芸員・三好寛氏が出席。神村社長は第3村でのシーンについて「映画をご覧になった方は驚かれたと思います。『:序』『:破』『:Q』とSFチックな物語が続いて、まさかいきなり、ひなびた農村でアヤナミレイ(仮称)が田植えをするとは(笑)」と述べる。三好氏もうなずきながら「物語の舞台としていかにリアルに描くかを考えた結果、ミニチュアを作るという結論になりました。実はセット自体は2017年にはもう存在していたんです」とセットの成り立ちを述懐。神村社長は「村の位置関係や建物、そこに人が立つとどう見えるのかということを丁寧に積み上げていくことが今回の庵野さんの手法でした。実写とアニメ、特撮をこなす監督だからこそ今回のようなことができたと思います」と話した。
「自分の知る限り、アニメ制作のために村をまるごとミニチュアで作ったという例はない」と語る三好氏。神村社長も「自分たちの頭の中で(画を)組み立てるのは限界があったので、村を作り、自分たちでカメラを持って撮影することによって新しい発見があったそうなんです。ヘリコプターを飛ばさないと撮れないようなアングルもありましたから」とミニチュアのもたらしたメリットを説明する。司会がミニチュアの制作期間を質問すると、三好氏は「最初に1/450スケールのセットを作成したのが2017年の春頃と聞いています。半年後の2017年秋に今回展示されている1/45スケールのセットが完成し、スタッフたちの撮影に使われました」と解説。セットの制作には庵野が総監督を務めた「シン・ゴジラ」にも携わったスタッフが参加しており、神村は「(庵野がスタッフに向けて)『オッケー、これで。ありがとうございます』『やっぱりここを直して』というやり取りを5回ぐらい繰り返していました」とスタッフの苦労に思いを馳せた。
ここでゲストとして、ケンスケ役の
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