「はたらく細胞BLACK」は、
自身のラジオ番組にて、過去にEDであったことをカミングアウトしていた伯山。今回のコメンタリー動画への出演は、EDを公表している数少ない芸能人であったことや、プロデューサーのたっての希望で実現した。アニメの視聴が始まると伯山は「これを観た子供たちが科学や生物に興味を持って、すごい人が出てくるきっかけになりそう」「社会的意義がある」と絶賛。さらに、人体について学べるとあって、子供にも見せやすい作品だと親としての視点からも感想を述べる。しかし少しずつ物語が本題に入り始めると、大勢のスタッフに見守られながら自身のEDに絡めたトークをするということで若干の照れを見せ、「普通の回に呼ばれたかったな(笑)」と冗談を飛ばし、笑いも忘れなかった。
伯山は「EDのときに観たかった、孤独な戦いだったんで」と、自身の中学生時代に思いを馳せながら、勃起について分かりやすく描かれるアニメに関心しきりの様子。まるで保育所のようなファンシーな睾丸の描写には「かわいい」と声を漏らし、陰茎へ血液を送り込むために、大勢の赤血球が壮大な音楽をバックに奮闘する場面では「ここから観た人は勃起の状況だとは思わないだろうな(笑)」と至極真面目に描かれるやりとりのおかしさに思わず笑いがこぼれる。さらに「このアニメを観たら、自分がEDだったらよりEDになりそうな気もする(笑)」と、男性なら自身に重ねて体内の様子を想像してしまいそうな印象的な演出の連続を楽しんでいるようだった。
この第3話では、ストレスや生活習慣といったEDの原因となる要素も描かれる。かつてEDを相談できずに悩んだこともあったという伯山は「さりげなく原因を教えてくれるから勉強になりますね」と、細かいポイントにも注目。そして物語が終盤に差し掛かると、バイアグラなどの商品で知られる勃起不全の治療薬が投与される。劇的に変化する体内の様子に伯山も「すごいな!」と声を上げ、自身も含め勃起不全治療薬に救われた大勢の人へ思いを巡らせていた。
そして物語はついに射精のシーンへ。目を輝かせ、卵子へ一番に辿り着こうと飛び出していく精子たちの様子に「エロくなくてすごい」と感心する伯山。しかし、この射精が性欲処理のためのものかも知れないことがシリアスに語られると「オナニーに罪悪感を感じるね」と男性視聴者の思いを代弁していた。さらにラストシーンでは体内に淋菌が侵入したことが明かされる。含みを持って第3話が終わると、性病について描かれる第4話の内容にも興味津々の様子だった。
この日は伯山と医療監修を務める原田知幸氏の対談も実施。8年ほどEDとつきあい、大学生時代に病院に行ったことで回復したことを明かした伯山は「人に言えなかったから世の中が全部面白くなかった」と当時を振り返る。雑誌のグラビアにも興奮せず、去勢を施された中国の官吏・宦官の日記を読んでいたという伯山は、同じような悩みを持つ子供たちに向けて、原田氏とともにまずは医者に行くことを勧めた。また、そのうえで大学生時代に病院に行ったときでさえ恥ずかしさがあったと、若い人がEDで病院に行くことの大変さにも理解を示す。伯山は、その当時の医者から投げかけられた肯定的な言葉のおかげで精神的に楽になったと話し、「人って自信が付くとこんなにも変われるんだ」と、人に打ち明けることの大切さも体験を交えて伝えた。
また伯山は「いまだにEDだったら(コメンタリー動画に)出ていない。それを克服したからこそ出られる」と、EDが決して軽い病でないことを強調。「この病にかかって物事を斜交いに見るようになったというか、そういう癖がついて今の芸風に影響を与えているなと思ったりもします」とEDになったことをポジティブに捉えながらも、「ぼく自身がEDで悩んでいるときにこのアニメを観たかったなと思ったんで、逆に今はいい時代だなと思いました」と、EDで悩む男性たちの一助になるようなアニメだと太鼓判を押した。
最後に、約1年近く続くコロナ禍を踏まえ、今後はこの新型コロナウイルスが取り上げられる日が来るのではと考えを述べた伯山。「ワクチンや薬ができたときこそ、それを使って治っていく模様が描かれて、ポジティブにコロナが終わったんだとアニメでも感じられるみたいなね」と明るい未来に思いを馳せ、「『はたらく細胞』で取り上げて(出版元の)講談社が儲かればいいんじゃないでしょうか(笑)」と、最後は笑いで締めた。
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【イベントレポート】「はたらく細胞BLACK」神田伯山のコメンタリー動画「EDで悩んでいるときに観たかった」(動画あり)
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