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イベントには監督の
2008年から2009年に放送された「とらドラ!」でタッグを組んだ長井監督と田中、そして脚本家の
普段は過去の作品をほとんど観返さないという2人だが、田中は本日のイベントにあたってTVシリーズと劇場版を視聴してきたそう。久しぶりに「あの花」を観た感想を「いやあ、若いなと。セリフとかの癖は変わってないですけど、感情移入するポイントが変わりました。もう、お母さん……っていう感じですね」と、我が子を思ってめんまとある約束をしたじんたんの母親に思いを馳せたと話す。また「(長井監督や岡田と制作した)最新作の『空の青さを知る人よ』も大人の目線を強くした作品だったので、やっぱり今はそういう感覚になったということですね」とも語った。
当時、長井監督は「あの花」を地味な作品だと捉えていたそうで、田中は「打ち合わせのとき、最初に『地味です!』って言ってきたよね(笑)」と回想。第1話の反響の大きさも2人には意外だったとのことで、長井監督は「引きこもりの感情がよく表現されてたって言われてて、そっか……と。シナリオがよかったんでしょうけど、当時はよく理解してませんでした」と話す。田中は「何年か経った後に岡田さんと話したときに、こんな業の深い話だったんだってわかったんですよね。当時はそこまで考えが至らず、知らず知らずのうちに岡田さんの片棒をかつがされていた(笑)。そんな、自分が見えていなかった部分がきっと皆さんに響いていたんではないかなと思います」と述べた。
また話題は「あの花」をはじめ、「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」の舞台となった埼玉県の秩父におよぶ。長井監督は「『ここさけ』では別の場所を舞台にしようっていろんなところにロケハン行かせていただいたんですが、なかなかピンとくるものがなくって。その頃よく『あの花』のイベントで秩父に呼んでいただいてたんですが、そのときに撮った写真がよくって、じゃあもう1回秩父を舞台にしようと。2回続けちゃったんで、キリのよいところっていうので3回目も秩父になりました」と話す。また秩父は日帰りで取材に行けるのが利点だとも続けた。
最終回の話になると、田中は「粘り強くみんなで答えを探したよね。キャラクターたちの気持ちをどう消化させようか、みんなで意見を出し合って。結果、荒いけどちゃんとまとまっていて、こういう作品をオリジナル作品として最初に作れたことはすごく幸運なんだろうなと思います」とコメント。最後にめんまがじんたん以外にも一瞬見えるという結末を選んだことについて、長井監督は「それこそ試行錯誤を重ねましたね。煮詰まって煮詰まって、もうこれしかないよねっていうまで話し合いました」と語る。田中は「かくれんぼをするって流れも最初は『ええ!?』って思いましたけど、それがまさか劇場版で回収されるとは。『きれいな終わり方してんな、あの花さんは』って改めて観返して思いました(笑)」と述べた。
「10年経った現在の状態で『あの花』を作ることになったとしたら、今あるものと同じものになるのか、それとも違うものになるのか』というMCからの質問には、2人とも「大きく変わらない」と回答。最後に田中は「今日は長井さんと面と向かって『あの花』についてしゃべるという恥ずかしいことをさせてもらって大変貴重な時間でした。実は『あの花』10周年の準備をいろいろとしているので待っていてください」と、長井監督は「10年前、インタビューで『10年後もみんなに覚えててもらえる作品になったらいいな」って話してたけど、今日皆さんがこうやって集まってくださって本当に幸せです。また田中さんと岡田さんと3人で一緒にやりたいなと話をしているので、期待していてください」と観客に伝えた。
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行きたかったなぁ→【イベントレポート】「あの花」は僕たちの転換点、長井龍雪監督と田中将賀が10年前に思い馳せる https://t.co/oZBBek08wI