劇場アニメ「
これは10月31日から11月9日にかけて開催されている、「第33回東京国際映画祭」の一環として行われたもの。「サイダーのように言葉が湧き上がる」は、人と会話をするのが苦手で俳句以外では気持ちを表に出せない少年チェリーと、容姿がコンプレックスで常にマスクをしている少女スマイルが、ふとしたきっかけからショッピングモールで出会い、次第に関係を深めていく青春グラフィティだ。同作は当初5月15日の公開予定だったが、新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受け、公開が延期となっていた。
上映後に行われた監督へのQ&Aには、アニメ評論家の藤津亮太も登場。企画の発端について聞かれたイシグロ監督は、「2015年9月あたりに、フライングドッグさんから、音楽をテーマにしたオリジナル作品を作りたいと話が来まして。元々の設定はSFだったんですよね」と別の要素も含まれていたことを語る。舞台に郊外のショッピングモールを選んだ理由を聞かれると「(この設定は)脚本の佐藤大さんとの打ち合わせのなかで生まれたんですけど、ショッピングモールって僕らの世代だと盛り場というイメージですが、今の時代の人から見たときに、幼少期の根幹になる部分が多いんじゃないかって思ったんです」と述べた。
また作中でチェリー役を演じる
会場では観客から監督への質問を募集する一幕も。映像配信が主流になっている中、配信を意識した作品づくりを意識しているかと聞かれると、「サイダーのように言葉が湧き上がる」では配信を意識していないことを伝え、「この会場と同じように皆さんが集まって、いい音・いい画面で観ることを想定してすべて作っています」と返答。さらに、チェリーとスマイル以外のキャラクター、俳句の達人・フジヤマを掘り下げた話があれば聞きたいという質問には、「今まさに、YouTubeのチャンネル『サイコトちゃんねる』を立ち上げたことをお伝えしようと思っていたんですよ。そこでフジヤマのバックグランドストーリーについて触れる回も流れます」と打ち明けた。観客とのQ&Aの最中には、同作の新たな公開日が2021年6月25日に決定したことも発表に。監督は「理由としてはシンプルですね、夏の映画じゃないですか、夏に観てほしいんですよ」とコメントした。
最後の挨拶でイシグロ監督は、「コロナ禍の中、実際に劇場へ足を運んでいただけることが、僕やスタッフにとっての強みになります」と観客に思いを伝える。さらに「来年、公開になったときに、また足を運んでいただけたらうれしいです」と2021年に決定した映画の公開に思いを馳せ、メッセージを送った。
なおイシグロ監督は11月7日に実施されるジャパニーズ・アニメーション部門のプログラム「2020年、アニメが描く風景」にも出演が決定している。
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