「鬼滅の刃×SLぐんま~無限列車大作戦~」は、映画の舞台となる蒸気機関車・“無限列車”にちなんだコラボ仕様の「SLぐんま よこかわ」の走行を中心に、コラボSLの発着駅である高崎駅と横川駅、そして横川の碓氷峠鉄道文化むらや名物「峠の釜めし」で知られる荻野屋も協力した、大型コラボレーション企画。映画の中心キャラクターである煉獄杏寿郎や竈門炭治郎らが車掌や機関助士に扮したビジュアルも用意され、彼らとともに機関士を目指して任務に応えていくというストーリーが楽しめる。
さらにコラボSLの発着地である高崎駅までは、「リゾートやまどり」をコラボ仕様の「鎹やまどり」として上野駅から走行。上野駅のホームでは、発車時刻を知らせる電光掲示板にも「無限列車大作戦 7:02出発」と表示されており、乗客たちは旅への期待感を膨らませる。群馬県の鳥・ヤマドリをイメージした車両の「リゾートやまどり」は、展望室やキッズルームも備える広々とした車内が魅力。各車両をキャラクターたちが彩るほか、道中ではキャラクターによるアナウンスが流れ、彼らとともに旅をしているような気分が味わえた。座席にはコラボビジュアルを使用したヘッドレストカバーがセットされ、降車時には持ち帰り可能。またずらりと吊るされた鎹烏の中にはチュン太郎も混じっているので、乗車の際はぜひ探してみよう。
高崎駅に到着し、「SLぐんま よこかわ」へと乗り換え。高崎駅の構内はSLの発着するホーム以外にも、乗車口案内や駅名標にキャラクターがあしらわれるなど、あちこちに「鬼滅の刃」の装飾が施され、SLの利用者以外もコラボを楽しむことができる。そして、いよいよコラボ仕様の「SLぐんま よこかわ」へ乗車。この日は初走行ということもあってか、駅員たちが鬼殺隊を思わせる羽織りを着て送り出してくれた。出発の際に響き渡る汽笛の音は、映画の予告編にも収められた無限列車の姿を彷彿とさせ、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の鑑賞前後に体験すれば、世界観をよりリアルに味わえるだろう。
「SLぐんま よこかわ」には前後にオリジナルのヘッドマークが設置され、SL車両は炭治郎、EL車両には禰豆子がデザインされている。レトロな車内の窓枠は鬼殺隊のメンバーが彩っており、窓の外の景色と一緒に写真を撮るのもおすすめだ。出発から到着までの間は、煉獄・炭治郎を中心にしたオリジナルのナレーションで、信越本線の歴史やSL車両について学ぶことができる。通常の車内販売も行われており、「上州D51弁当」やアイスクリームなども購入可能だ。なお窓の外にはコラボ列車の姿を一目見ようとカメラを構えた人の姿や、キャラクターをイメージした洋服を着て列車に手を振る子供たちの姿も見られた。
1時間弱のSLでの旅を終え、横川に到着。ここでは地元学校の和太鼓部による力強い演奏や、安中市のキャラクター・こうめちゃんが出迎えてくれた。駅舎ももちろんコラボ仕様。駅前には記念撮影に最適なフォトスポットも設置されている。続いて向かうのは、横川駅隣接の碓氷峠鉄道文化むら。蒸気機関車や電気機関車など貴重な車両を展示・公開している体験型鉄道テーマパークだ。入場するとすぐ、コラボフードを販売するキッチンカーが。伊之助の好物・天ぷらをイメージし、カニかまぼこ、きゅうり、チーズ、出汁つゆマヨネーズ、天かすを包んだものなどキャラクターをイメージしたクレープ、キャラの名前をかたどったチュロスなどがグッズ付きで販売されている。
正面の鉄道展示館には、鉄道文化むらのランドマークの1つであるアプト式ED42車両とともに煉獄のパネルが鎮座。2階にもキャラクターが集合したフォトスポットが置かれている。展示館1階の奥ではコラボ謎解きゲームが販売されており、「鬼滅の刃」にちなんだ謎を解きながら園内をめぐると、鉄道文化むら全体を楽しめるという仕組みだ。ゲームをクリアした人には、限定のクリアファイルをプレゼント。謎解き以外に、鉄道展示館1階や屋外展示場の展示車両の中にも禰豆子や善逸らキャラクターが隠れているので、くまなく探してみよう。
鉄道文化むらをめぐってお腹が空いたところで、ほど近くにある荻野屋横川店へ。ここでは「鬼滅の刃」とコラボした、横川駅の名物駅弁「峠の釜めし」が堪能できる。10月31日までは炭治郎と禰豆子、11月1日から30日までは善逸と伊之助、12月31日までは煉獄をそれぞれイメージしたオリジナル釜めしを販売。弁当の具材はそれぞれのイメージに合わせて荻野屋が考案し、キャラクターに合わせたカラフルな釜や掛け紙も、今回のコラボのために1から作られたものだ。この日試食に提供された禰豆子の釜めしは、低温調理された鴨肉と梅のピンクが鮮やかな一品で、禰豆子の竹筒にちなんだ筍の煮物や、峠の釜めしには欠かせない杏の甘煮など、優しい味の和のおかずが詰まっていた。なお炭治郎には和風ローストポークや緑が鮮やかなほうれん草のお浸し、善逸には甘めの味付けの鶏肉や錦糸卵、伊之助には海老や豚角煮の天ぷら、煉獄には好物のさつまいもなどを使用。釜はもちろん持ち帰りが可能だ。
横川の町や山並みを堪能し、帰りは再びコラボSLに乗車。行きとは異なるアナウンスが聴けるので、遊びまわって疲れて夢の中に誘われてしまっても、キャラクターが元気な声で起こしてくれるので安心だ。これから秋が深まれば紅葉も楽しめるという横川の町。感染防止対策を心がけつつ、足を伸ばして無限列車の世界観を味わってみては。
なおコラボ仕様の「リゾートやまどり」「SLぐんま よこかわ」の乗車は事前抽選制で、10月中旬より12月走行分の申込受付がスタート予定。碓氷峠鉄道文化むらへはコラボ列車以外でも、車や信越本線でアクセス可能だ。碓氷峠鉄道文化むらでのコラボ装飾や謎解きゲームは12月28日まで展開されているが、キッチンカーの出店はコラボSLの走行日のみのためご注意を。コラボ仕様の「峠の釜めし」は12月31日まで予約販売を受け付けており、数量限定となるが当日購入も可能だ。詳細は「鬼滅の刃×SLぐんま~無限列車大作戦~」の特設サイトで確認しよう。
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※禰豆子の禰はネに爾が正式表記。
※煉獄杏寿郎の煉は火へんに東が正式表記。
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「鬼滅の刃」SLぐんまで無限列車の世界へ!コラボ車両内部や鉄道文化むらに潜入セヨ(イベントレポート / 写真59枚) - コミックナタリー
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