「映像研」試写会で湯浅政明「アニメ制作は大変だけど本当は楽しいんだぞ」

大童澄瞳原作によるTVアニメ「映像研には手を出すな！」の試写会が本日12月26日に行われ、会見に浅草みどり役の伊藤沙莉、金森さやか役の田村睦心、水崎ツバメ役の松岡美里、監督を務める湯浅政明が登壇した。

2020年1月5日よりNHK総合テレビにて放送される「映像研には手を出すな！」は、アニメは“設定が命”の浅草みどり、カリスマ読者モデルでありながらアニメーターを志す水崎ツバメ、金儲けが大好きなみどりの友人・金森さやかという女子高生3人組がアニメ制作に青春をかける物語。上映後に行われた会見では、湯浅監督がアニメの制作現場を舞台にしたNHK連続テレビ小説「なつぞら」に触れながら「アニメを制作する作業ってどうやっているかなかなか知られていなくて、それが大変だけど本当は楽しいんだぞっていうところを感じていただければいいなと思っています」と、本作に込めた思いを語る。

本作でTVアニメの声優初挑戦となる伊藤は「ファンの方もたくさんいらっしゃる作品で緊張もしていたんですが、台本を読むたびに熱い気持ちになって毎回『楽しい』って心から思いながらやらせていただいている」と感想を述べる。さらに「浅草・金森・水崎の熱い気持ちと、作っている側の熱い気持ちが見ている方に届くといいなと思っています」とスタッフの熱量の高さを伝えた。湯浅は本作でチャレンジしたことを聞かれると「『映像研』（のメンバー）と同じように楽しみながらアニメーションを作りたいと考えていますし、大概のことはできると思ってやっています」と自身のアニメ作りに対する考えを述べ、「今までの例に囚われずに、思いついたことはできるだろうと思って作っています。それは、『映像研』の中でイメージが実際に形になっていくところとつながっていて、今作は想像したことができていくっていう醍醐味に溢れていると思います」と見どころを語った。

会見ではアニメ制作に夢中になっていく女子高生を描く本作に絡め、「夢中になっていること」について質問が。伊藤は「ずっと昔から、“最強の家”を想像で考えている」と、子供の頃から家に強い関心があったことを明かす。続けて「小学生のときもモデルルームを眺めたり、友達を連れて家を建てている最中の現場に行って大工さんに『どんなふうに作るんですか？』って聞いたり。今でもネットでずっと家の構造をひたすら検索している」と意外な趣味を話し驚かせた。本作が初レギュラーだという松岡は「アフレコに夢中になっている」と笑顔で話す。「週1回のアフレコなんですけど、アフレコが終わったら1回休憩して、すぐに次のアフレコのことを考えてマンガを読み直して、台本をもらったらまた練習して」と、1週間常にこの作品のことを考えていると気合いの入れようを伝えた。

アフレコの様子について話す場面では田村が「（物語が）どんどん加速していくんですよね。みんなが作りたいものを熱を込めて作っていくので、もっともっと激しくなって。どんどんどんどんセリフの量が増えていってますよね、監督（笑）」と、湯浅監督へ笑顔を向ける。続けて「決まった尺の中にどれだけ情報量、熱量を詰め込むかっていうのがあると思うので、一言がすごく長いのにギュッと凝縮されている」と、演じるうえでの苦労と熱量を感じていることを明かした。

お揃いのイヤリングを着けてこの会見に臨んだ3人。記者からそのことについて質問が飛ぶと、3人がこの日一番の笑顔を見せる。イヤリングは会見のために松岡からプレゼントされたことが、伊藤の口から伝えられ、松岡は「作中でアニメを描いているから」という理由で鉛筆型のものを選んだことを説明した。伊藤と田村は「本当に感動しました！」とうれしそうな様子を見せ、“お宝”になったというプレゼントを取材陣にアピールし、3人の仲のよさを覗かせた。