昼公演には本田透役の
トークコーナー前半では、キャスト陣が選んだアニメの印象的なシーンを振り返っていく。最初にスクリーンに流れたのは、第5話で由希と夾が親戚の家から透を連れて帰るシーン。同シーンには登場しない紅葉役の潘が選んだといい、「紅葉として透を見るようになっているので、透のことが愛おしすぎて。観返していたら5話で涙腺が限界でした」と理由を明かす。島崎も「僕は由希の距離感が好きで、最初はけっこう遠いところにいるんですよ。夾が透の手を掴んだ瞬間に、高速移動してきたんだと思うんです(笑)。『男の子なんだな、見えないところでバタ足してるんだな』ってところがかわいいなって」と自身演じる由希への愛情を覗かせた。さらに同シーンについてコメントを求められた中村は「ああいうシーンをしたいですよね。けっこうアフレコやってきたんですが、こういうグッとくるシーンに一切いないんですよ」と、常にひょうひょうと見守る立場である紫呉役ならではの感想を語った。
続いてスクリーンに13話より綾女の初登場シーンが流れ始めると、早くも客席から笑いが起きる。セレクトしたのは綾女役の櫻井。「こういうキャラなので、それなりの準備をしてアフレコに臨んだんですけど、生ぬるいと。もっとテンションを上げてくれと言われて」と裏話を明かした。続いて17話から、透の母・今日子がうおちゃんをおぶって歩くシーンを挙げた種崎は、「どうしても今日子さんのシーンを選びたくて。うおちゃん役に決まった時に『このシーンをやらせてもらえるんだな』って一番に頭によぎったくらい、大好きなシーンです」と思い入れを明かし、石見も「涙がちょちょぎれました……」と振り返った。
そして石見、島崎、内田の3人全員が選んだのが、本来の姿が明かされた夾に透が泣きながら語りかける24話での一幕。内田は「これまでの2クールを思い出しながら、透がいてくれてよかったな、と思いながらやっていました。現場では皆さん涙腺が崩壊していて、石見ちゃんもびしゃびしゃになりながら演じていて、すごく影響されました」と思い入れを滲ませながら語る。石見は「原作を何回も読ませていただいて何回も泣いてきて、収録では大丈夫だと思ったんですが、これまで夾くんがかけてくれた言葉の積み重ねが、走馬灯みたいに頭の中に流れてきて……」と涙の理由を明かし、「その感情が画面を通して伝わる表現になるのか、自己満足になってしまわないか心配で。でも休憩中に中村さんが『その溢れてしまう感情は透くんとリンクしているものだから、監督さんが信じてくださるようであれば、心でお芝居することを許してもらえる現場だし、そのままでいいと思うよ』って言ってくださったんです」と、温かい現場の空気が伝わるエピソードを明かした。
一方同シーンには登場しない由希役の島崎は、「個人として素敵だなって思うシーンでもあり、このときに感じたことが、この続きの由希の考えや行動に大きな影響を与えていると思うんです」と理由を説明。「画面には映っていなくても、由希にとって大事な回だと思います」と、この先の展開にもつながるエピソードであると語った。
その後は「ほかのキャストを動物にたとえると?」「自分にとって暖かい場所」といった、作品にちなんだテーマでトークが展開された。興津が「たまたま見つけて去年の夏に買いました」と身につけたタツノオトシゴのネックレスを披露したり、杞紗役の上田が燈路役の大地の隣を「暖かい場所」に挙げ、大地が「うれしいけど、めちゃくちゃ恥ずかしい!」と慌てたりと、和やかなムードでイベントは進行。さらに「隠しているもうひとつの顔」がわかるという心理テストに挑戦した場面では、「イケイケお調子者」という結果が出た内田について、現場での様子を聞かれた石見が「パリピでいらっしゃいます」とコメントし、会場中の爆笑をさらった。
イベント後半で披露された朗読劇「恐怖の雨宿り」は、紅葉の発案により順番に怖い話をすることになった一同を描いたエピソード。互いの耳をふさぎ合おうとする透と杞紗や、怖がる杞紗のために徐々にハッピーな方向へ話を改変してしまう燈路、由希の話にいちいち口を挟む綾女、綾女の言葉に感動する利津といったおなじみのキャラクターたちのやり取りに加え、燈路が初対面のはなちゃんに怯える様子や、紫呉にスマートフォンを借りる由希など、新鮮な場面も盛り込まれた。朗読劇の後はBeverlyが「Again」を披露。透明感のあるハイトーンボイスで熱唱した。
最後に内田は「彼らの選択を最後まで見届けてください」と呼びかけ、島崎は「由希にとって大きな葛藤や変化、成長が待っています」と2nd seasonへの期待を高めさせる。石見は「楽しかったですか?」とファンに呼びかけ、「初めて本田透役として皆さんの前に立った時は不安な気持ちが強かったんですが、今日は朝からすごく楽しみな気持ちでした。作品はもちろん、作品のファンの皆さんも大好きだなと思いました。ありがとうございました」と柔らかな笑顔でイベントを締めくくった。
※はつ春の「はつ」はさんずいに発の旧字体が、島崎信長、種崎敦美の崎は立つ崎が正式表記。
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