「TVアニメ『BEASTARS』展~東宝×オレンジの世界~」が明日10月11日から11月4日まで東京・有楽町マルイで開催される。これに先がけて本日10月10日にマスコミ向けの内覧会と、CGスタジオ・オレンジの和氣澄賢プロデューサーによる質疑応答が行われた。
入場無料の本イベントでは、東宝とオレンジがタッグを組んで製作する
和氣プロデューサーは2017年に行きつけの書店で「BEASTARS」に出会ったという。「CGでは難しい題材かもしれないとは思いつつ、オレンジで作ったらどうなるのかチャレンジしてみたい」という思いで、東宝の武井克弘プロデューサーに本作のアニメ化について相談したそうだ。それから約2年半、ついに放送を迎えた今の心境を「ようやくここまで来たな、という気持ちです」と感慨深げに述べ、また「『宝石の国』やオレンジの作品が好きで『BEASTARS』を観てみた、という反応をけっこういただいて、作品と会社がちゃんと紐づいてお客さんに届いているのがすごくうれしいです」と語った。
絵づくりでこだわった点について聞かれると「動物たちの顔周辺のフォルムや毛の表現は、技術的にがんばったところです」と和氣プロデューサー。「日本のセルアニメの流れにおける毛の表現は、『ズートピア』のように毛が1本1本生えているファーっぽい表現ではなく、『名探偵ホームズ』や『長靴をはいた猫』にみられる、束感のある表現なんじゃないかなと。そういうことができないかなと考えました」と明かし、「一方で参考にしたのはディズニーの『愛犬とごちそう』という作品で、輪郭周辺に入るライトの具合で毛がうまく表現されているんです。『BEASTARS』でもライトを意識した毛の表現は、監督もすごく大事にしていると思います」と、CGで動物を表現するうえでのチャレンジについて語った。
「そばへ」のコーナーではキャラクター設定やイメージボードに加え、カラースクリプトがストーリー順にずらりと掲示された。カラースクリプトとは、本格的な映像制作に入る前に各シーンの配色やライティングの目安として用意する絵のこと。和氣プロデューサーは「CGのスタッフはまだアニメーションを作ることに慣れていなかったりもするので、(CGではない)作画のアニメーターやスタッフほどには、最終ルックをイメージできないんです。そのため答えに近いものを最初に提示して、指針にしてもらっています」と解説した。
また「そばへ」の監督を務める石井俊匡については「アニメ『僕だけがいない街』で石井監督が演出・絵コンテを担当した第2話を観たときに『本当にすごい』と思いました」と、長年一緒に制作する機会を希望していたと語る。そして「BEASTARS」「そばへ」の2作品を通じて、「オレンジでは毎回作品を作るたびに、今までやってなかったことを盛り込んでいます。『BEASTARS』では立体的な骨格と毛の表現であったり、『そばへ』では水のような流体物の表現であったり。技術的なチャレンジを1つひとつ積み上げているので、今後も注目してもらえるとうれしいです」と質疑応答を締めくくった。
なお会場出口には物販コーナーも用意。「BEASTARS」のグッズはTシャツ、レゴシやハルを模したケープ、もこもこした質感のポーチ、スケジュール帳や一筆箋などがラインナップされた。「そばへ」からは猫の“まっちゃ”のぬいぐるみや描き下ろしイラストを使用したクリアファイルといったグッズに加え、まっちゃのマスコットが獲れるクレーンゲームも設置された。また会場内でチャレンジできる「そばへ」の謎解きゲームに正解すると、オリジナルデザインのうまい棒がプレゼントされる。そのほかエポスカード会員を対象にした抽選会や、レゴシが遊びに来るイベントも予定。詳細は有楽町マルイの公式サイトで確認を。
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TVアニメ「BEASTARS」展~東宝×オレンジの世界~
日程:2019年10月11日(金)~11月4日(月・祝)
時間:11:00~21:00 ※日・祝は10:30~20:30
会場:東京都 有楽町マルイ8階イベントスペース
料金:無料
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
【イベントレポート】CGスタジオ・オレンジの挑戦に触れる「BEASTARS」展、レゴシとハルの人形も(写真30枚) - コミックナタリー https://t.co/6X0LtNpgYe