「風の谷のナウシカ」は“火の七日間”と呼ばれる戦争によって産業文明が崩壊し、大地のほとんどが、巨大な蟲や有毒な瘴気を発する菌類が息づく森・腐海に覆われた世界を舞台に、“風の谷”の族長の娘・ナウシカを描く物語。マンガは1982年から1994年にかけてアニメージュ(徳間書店)で連載された。1984年には、宮崎自身が監督を務める形で劇場アニメ化もされている。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」ではマンガ全7巻のストーリーすべてを、昼の部・夜の部通しで舞台化。脚本は丹羽圭子と戸部和久が、演出は
鈴木はまず「原作を提供する我々は今回、期待する立場なので、映画制作と違って気が楽です(笑)」と挨拶。「『ナウシカ』は宮崎駿にとって一番大事な作品」と切り出すと、「ハリウッドでの実写映画化をはじめ、これまでいろいろなお話をいただきましたが、全部お断りしてきました。今回の歌舞伎化も宮崎に断られると思っていたので、菊之助さんにも、歌舞伎にするなら『もののけ姫』はどうですか?と提案していたくらい(笑)。でも宮崎は『やろうよ』と言ってくれたんです」とエピソードを語る。鈴木はさらに、宮崎から「『
その鈴木に「『ナウシカ』を歌舞伎にしようと考えた張本人」と紹介された菊之助は、「準備を始めたのは約5年前。本日記者発表の日を迎え、武者震いをしております」と心情を吐露。「原作の深いテーマ性、壮大さに惹かれました。戦争、エネルギー問題、環境問題、核の問題、遺伝子の問題。そういったテーマが歌舞伎と融合したとき、どういうものになるのか、自分自身ワクワクしております」と述べつつ、「宮崎監督、スタジオジブリさんが大事にしているものをお預けいただいたという責任を感じております。“One for All, All for one”という気持ちで、一座で力を合わせて作り上げます」と言葉に力を込める。
七之助は「菊之助のお兄さんから『ナウシカ』を歌舞伎にするので、力を貸してほしいと電話で言われたとき、純粋に驚きました」とコメント。続けて「うちの兄(中村勘九郎)もジブリ作品の大ファンで、実はナウシカが初恋の人なんです」と話し、会場の笑いを誘う。自身が演じるクシャナの役については「カッコよくて力強い女性のイメージがありますが、彼女の心の揺れを深く表現できれば」と意気込んだ。
記者から演出について問われたG2は、「原作には空を飛ぶシーンがあったり、巨神兵や王蟲が出てきたりする。歌舞伎の手法を駆使してケレンをしっかり出していきたい」と返答。菊之助は「日本舞踊の場面もありますし、久石譲さんの音楽を何曲かお借りして、和楽器で演奏するということもやっております。歌舞伎ファンのみならず、ジブリファンの方にも納得していただける作品に仕上げたいと思っております」と決意を新たにした。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は12月6日から25日にかけて、新橋演舞場で上演。チケットの一般販売は10月19日10時よりスタートする。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」
日程:2019年12月6日(金)~25日(水)
会場:東京都 新橋演舞場
スタッフ
原作:漫画「風の谷のナウシカ」
脚本:丹羽圭子、戸部和久
演出:
出演
ナウシカ:
クシャナ:
ユパ:
セルム / 墓の主の精:
ミラルパ / ナムリス:
アスベル / オーマの精:
道化:
ケチャ:
第三皇子 / 神官:
ミト / トルメキアの将軍:
上人:
クロトワ:
ジル:
城ババ:
チャルカ:
マニ族僧正:
ヴ王:
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