頭の中でInfernoが鳴り止まない!「プロメア」澤野弘之&音響監督・えびながトーク

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劇場アニメ「プロメア」のトークショー付き上映会が、本日6月15日に神奈川・川崎のチネチッタで開催され、同作の音楽を手がけた澤野弘之、音響監督・えびなやすのりが登壇した。

左から澤野弘之、えびなやすのり。

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澤野弘之

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まず完成した映画を観ての感想を問われた澤野は、「最初に資料を見せていただいたとき、色合いや絵のテイストにすごく惹かれて、これがどうやって動くのかって楽しみにしてたんです。完成した映像はすごく迫力があったし、とても感動しました」とコメント。また「最初、『プロメア』ってタイトルが出た後、テーマ曲の『Inferno』が流れるんですが、個人的にはバグっていきなりスタッフロールが始まったように感じたんです(笑)。それが面白くって、これからどんな物語が始まるのかとわくわくしました」と答えた。好きなキャラクターの話題では「クレイも印象には残ってますけど……」と言いつつガロの名を挙げ、「やっぱりあの元気な感じが好きですね」と頷く。

聞き手を担当した、音楽ライターの後藤寛子氏。

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当初、メインテーマではなかったという「Inferno」。澤野は「メインテーマはインストゥルメンタルの曲で作ってたんですけど、今石(洋之)監督がデモの段階で『Inferno』のメロディを気に入ったとおっしゃってくれて。僕自身も、こっちがメインテーマになったらよりいいのかもなって思っていたので、そう言っていただけてよかった」と同曲がメインテーマに決まった経緯を明かす。えびなが「Inferno」を「頭の中でヘビーローテーションになるんですよ。映画を観た後、電車に乗っていても、ずっと頭の中で曲が鳴ってる。駅に着いて家に帰るときも、気が付いたら『Inferno』が流れてる。これはすごい曲だなと」と評すると、澤野は「劇中ですごく効果的に使っていただいてるおかげだと思うんですけどね、僕自身は」と謙遜した。

えびなやすのり

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アフレコ現場の話題では、えびなが本作の脚本を手がけた中島かずきのことを「現場ですごく熱い方」と紹介。「大きな声で笑うし、途中でセリフを思いついたら『こうしよう』ってどんどん変える。リアルタイムでセリフが変わっていくので、役者に『このセリフ、修正になります』って伝えづらいところはあるんですが、ただ(セリフを変えることで)どんどん面白くなっていくんです。すごく刺激的な現場でした」と収録を振り返る。またその具体的な例として、ヴァルカンとイグニスの一騎打ちのシーンを挙げ、「今日台本を持ってきてるんですけど、このシーンで2人が自分の名前を叫んでいる部分も、台本には書いてないんですよ。中島さんが収録中に「『ヴァルヴァル!』とか『ヴァルカン!』って叫ぼう」とおっしゃって、(ヴァルカン役の楠)大典さんにアドリブで演じてもらったんですけど、そうしたら(イグニス役の小山)力也さんが、その後に自分の名前を叫ばれまして。現場が大笑いになって、『これ採用にしよう!』という経緯なんです(笑)。それもあり、すごく印象に残っています」と語った。

またえびなは、クレイが放つ必殺技“滅殺開墾ビーム”について、「劇場で観てのけぞった」とコメント。「画面に出た文字を見て、初めてその言葉を認識したんです(笑)。収録のときはそのセリフをちゃんと言えてるかってことに集中していて、そんなに言葉の意味まで考えつつやっていない。現実にある言葉だったら『イントネーションが違います』とか言えるんですけど、生きてきて“滅殺開墾ビーム”なんて言ったことないですから……」と話し、集まったファンを笑わせる。

左から澤野弘之、えびなやすのり。

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アフレコの話を聞いていた澤野は、「おじいちゃんが回るときのトゥルルルーってやつは、アドリブなんですか? すごく斬新だなって思って」とえびなに質問。えびなは「あれは(おじいちゃん役の)岩田光央さんのアドリブですね」と答え、「最終的にちょっと縮めてはいるんですけど、本当にあの長さをずっと、岩田さんにやってもらったんですよ。だから全部使おうって話になったんですが、ほかの人たちもガヤを録るときに、なぜかみんなであれをやらされるっていう(笑)。後ろであの音がずっと回ってたでしょう? 全然、画からもこぼれてると思うんですけど、もう面白いから使いましょうって使ったやつです」と話した。

左から後藤寛子氏、澤野弘之。

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今後、映画「プロメア」が海外進出していくことについてコメントを求められた澤野は、「今石監督の世界観やスピード感、今回は色合いとかも独特ですし、僕自身それに惹かれたので、もちろん僕が作った音楽にも興味を持っていただけたらうれしいですけど、全体を通して今石監督のエンタテインメントが海外の方にも楽しんでもらえたらと思います」とコメント。また澤野は「僕、試写以外にも個人的に映画館で観たんですけど、海外のお客さんがたまたま横にいて」と切り出し、「『海外の方も観られるんだなあ』って思っていたら、オープニングのスタッフクレジットが出るところで、『サワノサン……』って(つぶやいた)。まさか本人が偶然横にいるとは思わなかったでしょうけど、僕のことを知っていてくださったみたいで、ありがたかったです」とエピソードを披露。会場を驚かせた。

澤野は最後に会場を見渡し、「『プロメア』という作品に携われたことをすごく光栄に思っていたんですけど、今日はこんなたくさんの方に観にいらしていただいて、すごく支持されている作品だと実感できました」と挨拶。「改めて、参加できたことを幸せに感じています」と述べて、イベントを締めくくった。

なおナタリーでは本作の公開を記念し、映画、コミック、音楽とジャンルを横断した特集を実施。ダブル主演を務める松山ケンイチと早乙女太一の対談、今石・中島へのインタビューと制作現場への潜入レポート、そして澤野へのインタビューをお届けしている。

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