「えいがのおそ松さん」福山潤が石油王の魅力を語る、神谷浩史は嘘の顔

劇場版「えいがのおそ松さん」の舞台挨拶が本日3月31日に東京・丸の内ピカデリーにて行われ、おそ松役の櫻井孝宏、カラ松役の中村悠一、チョロ松役の神谷浩史、一松役の福山潤、十四松役の小野大輔、トド松役の入野自由が登壇。MCを鷲崎健が担当した。

本作の舞台挨拶で6つ子の担当キャスト全員が揃うのは今回が初めてということで、櫻井は「1回揃えば格好がつくと思ってたんですが、ついにその日が来ました」と口火を切る。既に本作を何回か観たという櫻井が「なんかすごい深い作品なのかも、すごいメッセージが隠されているのかもって思い始めた」と話すと、中村は「僕は1回しか観てないので、まだその境地じゃないですけど、櫻井さんがそう言うと不安になってきました」と言い、神谷は「最後うっかり感動させられて『いい話観たな』と思うけど、『違うやん！ 松原秀が適当に書いた脚本だよ！』って、騙されたって気付くまで時間がかかる」と続けて観客を笑わせた。

福山は「テレビで冒頭だけオンエアされたのを観たら、ちょっと印象が違うなと感じて。僕も劇場ではまだ観てないので、劇場で皆と観たらまた印象が違うのかなと思います」と真面目なコメントをすると、小野は「そんなちゃんとしたこと言うんだ!?」と困惑しつつ、「すごい楽しかった！ なんかほら、全部盛りみたいな！」と曖昧な感想を述べ、入野に「このあと2人で舞台挨拶なんですけど、大丈夫ですかね」とツッコまれる。そんな入野が「『おそ松さん』のすごく好きなところも、全然訳が分からないところも全部詰まっていて。人によって笑えるポイントが違う作品だと思うので、自由なポイントで笑って楽しんでもらえたら」とちゃんとしたメッセージを送ると、客席からは大きな拍手が贈られた。

本作で気になったキャラを聞かれると、福山が「僕、石油王がホントに好きで。どうしても劇場版に出てほしかったので、1シーンだけしか出てこないんですけど、あの1点集中がいいんですよ」と熱弁。また櫻井が「やっぱりダヨーンかな」と言うと、入野が「グロテスクすぎる」、中村が「気持ち悪かった」と続け、櫻井も客席に「『気持ち悪かった』って言っていいんですよ」と呼びかけた。キャスト一同も注目していたという18歳のチョロ松を演じた神谷は「台本に『高い声で』って指定が書いてあったんです」と明かし、「試写会の前半から『チョロ松がヤバい』ってみんなが言うもんだから、みんなチョロ松に期待して観に行くんです。どんどんハードルが上がっちゃって、ついにチョロ松でみんな笑わなくなっちゃって、本当にやめてほしいと思った（笑）。1人ずつ頭を殴ってチョロ松に対する記憶を消したいですね」と話して観客を笑わせた。

最後に入野は「見てくださった方々の口コミというか、どう伝えるかが大事だと思うんですね。ちゃんと感想を反芻して練習して人に伝えるってことをしてください」とアピールし、小野は「僕も観たんですけど、だいぶ（内容を）忘れてます。彼らも忘れてるんですよ、高橋さんのこと。楽しい思い出って、楽しかったことは覚えてても細かいことは覚えてないじゃないですか。だから何回も観るといいと思います」とコメント。福山は「くだらないことがくだらないままでいいんだな、ってことを分からせてくれる作品なので、鬱屈してる人に観ていただいて『このままでいいんだな』って思っていただけたら、この作品の意義もあるんじゃないかと思います」と語った。

神谷は「冒頭で櫻井孝宏も言ってましたが、非常に深い物語になっています」と真面目な表情で切り出し、入野や中村から「嘘の顔してる」とツッコミが飛ぶのを無視しつつ「2回、3回と観ると物語の真相に辿りつくので、その瞬間が訪れるまで何度でも劇場に足を運んでください！」と呼びかける。中村は「友達が『明日暇だよね』って言ってたら連れてくるくらいの気持ちで、何も残らなかったら『何も残らなかったね』って言って、贅沢な時間を過ごせる映画だと思っていただけると」と気軽に鑑賞することを推薦した。最後に櫻井は「藤田（陽一）監督や脚本の松原さんが、この作品で何を描きたかったのかというのも考えてみると、違うふうに見えてくる映画だと思います。キャラがわーってしゃべってるこの場面に一体どういうメッセージがあるのかまで考え出すと、もう沼にはまっちゃってますから。そうやって掘り下げて楽しむのも1つの見方じゃないかと思います」と語り、舞台挨拶を締めくくった。