「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は、映画「
片渕監督は公開延期の理由について「がんばればなんとかなるという意気込みがあった。でも物理的な問題で本当に間に合わなくなってしまった。(制作が)全然進まないという状況だった」と説明。また2015年から絶え間なく映画作りを続けていることに触れ、「すごく少数精鋭でやっているもんですから、そこまで加速がきかない。ずっと長く、ネチネチ作り続ける日々でして」と述べる。また「そうすることできちんとしたものをお届けできるのでは、とも考えています」と語った。
続いて、新規カットで構成された新特報をお披露目。映像の中で公開日が2019年12月20日と発表される。延期される前の段階でも12月20日前後の公開を想定していたそうで、片渕監督は「丸1年延びてしまった。すぐにでも観られると思った皆さんには申し訳ない」とファンに謝罪する。公開を12月に決めた理由として映画の冒頭、幼少期のすずが兄の代理で海苔を届ける場面が設定上「(昭和)8年12月22日」であることに言及し、「クリスマスの準備をしている街から始まります」と強調。その上で「第二次世界大戦を描いた作品は、どうしても8月のものと言われがちです。でも、むしろそうではない、8月のものではないと考えてこの映画を推し進めていきました。戦争、それ以前の歴史は、ずっと続いている毎日、と捉えてもらいたかった」と明かす。
一方で、夏休みのある8月に公開するメリットを考えたという話も。片渕監督は「おじいさん、おばあさんとお孫さんが一緒に観てもらえる。それぞれのご家庭で『あの頃はこうだった』と話が広がるのではという期待もあった」と語りつつ、「正直言うと8月は無理です」と述べて笑いを誘う。そして「夏休みと同じように、世代を超えて話題が広がるのは、年末からお正月にかけての時期なのでは思って、冬に公開を定めました」と付け加えた。
イベントでは「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」応援チームの参加者を募集することも発表される。もともとクラウドファンディングで資金を募り制作された「この世界の片隅に」。映画のエンドクレジットには、クラウドファンディングに参加した人々の名前が並んだ。片渕監督は「クラウドファンディングが終わってからも、たくさんの方々がこの映画を応援してくださった。『もし知っていたらエンドクレジットに名前を載せたかった』という声も多くいただいた」と振り返る。
そこで今回はクラウドファンディングではなく、参加することでエンドクレジットに名前を掲載できる応援チームプロジェクトを展開。参加者には、それぞれの応援チームの名刺と宣伝用のチラシカードが配布され、それを使って映画を応援することができる仕組みだ。名刺の制作費、発送費などがあるため、応援チームは有料会員制。募集開始時期は5月下旬を予定している。詳細は映画の公式サイトにて確認を。片渕監督は最後に「12月のクリスマスの時期には、すずさんが装いを変えて皆さんの前に帰ってくる。それまでどうかよろしくお願いいたします」と呼びかけた。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は東京・テアトル新宿、ユーロスペースほかにて全国ロードショー。本日のイベントで上映された特報の第2弾はYouTubeにて公開中だ。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」
2019年12月20日(金)全国公開
スタッフ・キャスト
原作:
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
監督・脚本:
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会
出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外
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