「ホワイティ編」と題される第6・7話は、霊幻の身に降り掛かったとある騒動をきっかけに、師弟関係であるモブと霊幻、2人の関係を描き出すエピソード。上映後には客席から温かな拍手が贈られ、涙ぐむ観客の姿も見受けられた。伊藤は原作で同エピソードを読んだ際を振り返り、「モブくんと師匠が気持ち的に距離ができることって今までなかったので、どうなるんだろうってハラハラしながら読み進めた記憶があります」と述懐。「原作もそうですが、台本で読んだときも(胸に)くるものがあった」と話す櫻井は、「彼も初めての感覚だったと思うんです。歩んできた道の中で、モブのような成長を果たして自分が体験できているのか。ずっと(モブを)子供扱いしていたので、その成長についていけない自分がいて。それでも彼は彼らしく振る舞ったりして、そこにも霊幻という人間性が見えてくる」と印象を述べた。
一番の“推しキャラ”であり、「語ると30分じゃ足りない」と“霊幻愛”を口にする立川監督。「最初の頃、脚本家と打ち合わせしているときから『6・7話は(脚本を)自分でやっていい?』と言った記憶があります」と自ら筆を執ったことを明かす。またモブと霊幻の出会いのシーンに触れ、「霊幻がモブのことを軽くいなそうとしたときに言った言葉を、きっと霊幻自身も覚えてなくて。その言葉にモブは救われて、回り回って自分が救われることになるっていうのがすごくいいなと」と、自身が好きだというシーンを挙げる。すると伊藤は「今日名言Tシャツ着てきたんですよ」と、「魅力の本質は人間味だ。いいやつになれ」と記された「霊幻の名言Tシャツ」を着てきたことをアピールした。
松澤千晶アナウンサーから「バーで(霊幻が女性客から)言われた、『ちょっと顔がいいからって!』というセリフって、原作にありましたっけ?」と聞かれると、立川監督は「……なくて(笑)」とどこか照れくさそうに回答。「おばちゃんが去っていくときに捨てゼリフが欲しくて……出てきたんでしょうね。書いたときのことを覚えてないんですよ(笑)。でも霊幻の顔が好きとかではないんですけどね。霊幻とモブの関係性が好きなんです」と霊幻を“推しキャラ”と呼ぶ理由を説明した。
また「ホワイティ編」を演じるにあたり、伊藤は「モブくんとしては『最上編』が終わって、3・4話で感じていたモヤモヤは1つ解消されて。師匠についていく、ではなく、モブが考えてモブとして結論を出すというところは意識したかった」とコメント。「最後の(霊幻に対する)『いいやつだ』っていうセリフも、弟子からというよりは、今までもらったもののお返しという気持ちが強かった」と思いを語った。櫻井は「ホワイティ編」について、「霊幻の脆い部分が見れて、僕は逆によかった」と言う。「『ちょっと顔がいいからって!』と言われていたように、霊幻ってなんとなくイケメンに見えません? 特に第1期はカッコよくも解釈できるキャラクターで。だけど、第2期のど真ん中でああいう形でクローズアップをされるというのは、彼としてはどうかわかりませんが、僕としては演じられてよかった」と演じ終えての心境を口にした。
さらに第8話以降の見どころを問われると、伊藤は「第2期は激しいお話が多いので、(8話は)久しぶりに日常に帰ってきたというか、ほっこりできるお話だと思わせておいての……」と何やら匂わせる。また立川監督は「8話は霊幻がモブのために何かするエピソードが欲しいということで、シリーズ構成の打ち合わせのときにたまたまONEさんが来ていたので、ONEさんにアイデアをもらいつつ、少し構成を入れ替えた感じの作りになっています」と触れた。
最後に立川監督は「7話の最後、霊幻の表情は原作では描かれていないんですけど、アニメでは描かなきゃならんだろうと思って入れることにしました。これから怒涛の展開が続いていくので、最後まで応援よろしくお願いいたします」、櫻井は「7話は霊幻の表情を見せないで、背中で表現しているような絵も素敵。そのあたりもまた観直していただけたら」とそれぞれ挨拶。昨晩の放送後、SNS上で視聴者の感想を見ていたという伊藤は「皆さん、僕らが演じていても気づかないようなところまで気にしてくださっていて。僕らがやったものが皆さんに伝わって、愛に満ち溢れた感想をいただけることに幸せを感じました。このあと8話、9話と続いていきますが、皆さんにいいものを届けたいと思いますので、今後とも『モブサイコ100』をよろしくお願いいたします」とメッセージを贈った。
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