公開中の「映画HUGっと!プリキュア▽ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」のスタッフによるトークイベントが、本日12月13日に東京のT・ジョイ大泉にて行われた。なお本記事には映画本編に関する内容が多数含まれているので、ネタバレを避けたい方はご注意を。
イベントには本作の監督を務めた
香村は約1年前には脚本を完成させていたということで、「(ファンの)みなさんと同じような目線で、できあがったものを見たような感覚だったのですが、最後に私が出した脚本から更に素晴らしいものに仕上げていただいて。その結果がちゃんとヒットにつながっていて、素晴らしいと思いました」と話す。すると神木が「試写会に来ていただいたとき、香村さんがボロボロ泣きながら出てきて。『いや、内容知ってるでしょ!?』『あなたの書いたセリフですよ!?』って(笑)」とツッコミを入れたというエピソードを明かし、観客からも笑いが起こる。
初代「ふたりはプリキュア」のキャラクターデザインを務めた稲上は「15年前に鷲尾(天)プロデューサーと西尾(大介)監督と、前の大泉スタジオの狭い部屋で3人で話していた、それがまさか15年後こんな形になっているとは、夢にも思っていなかった」と感慨深げな様子を見せ、「15周年の節目に自分に(総作画監督の)お話が来たときは『これはやらなきゃ』という思いだけで『ハイ』って言っちゃって(笑)」と続ける。敵キャラ・ミデンに小さな姿に変えられてしまった“ベビープリキュア”の設定画をすべて手がけた稲上は、「それぞれのプリキュアの特徴も踏まえつつ、パーツを省略したり、差し色を残しつつかわいくシンプルに……というのが1体1体ありまして、大変でした」と苦労を明かした。
そんな稲上の仕事ぶりに関して宮本は「『髪の毛が大きすぎるキャラは、なるべく(髪の毛を)小さくしてください』って無茶をお願いしてしまい、それでもあれだけかわいくしてくださって。(デザインが)上がってくるたびに『さすが稲上さんだな』と感激していました」と絶賛。神木も「稲上さんは、このキャラクターを作るのに当時どのくらいの労力がかかって、どのくらいの思いがあったのか、1人1人(のプリキュア)が当時のスタッフにどれだけ愛されていたのか、ということをきちんと分かった上で向き合ってくださっている」と語った。またプリキュアたちが小さな姿に変えられてしまう展開は、香村の発案だったという。香村は「記憶を失う、というのが小さい子にはわかりづらいと思ったので、わからなくても楽しめるような見た目で、でも意味のわかる年齢になったらちゃんとお話の筋として通るように」とアイデアの意図を明かした。
最後に司会から「ぜひここは注目してほしい」ポイントを尋ねられ、香村は「この映画は『はなちゃんのお話』だと、そこは通さなきゃいけないと思って作ったので、はなちゃんの見せ場に注目してほしいです」とコメント。稲上は、「なぎさが『私たちはプリキュアである前に、普通の中学生の女の子だよ』といったセリフを言うところがあるんですけど、それは『プリキュア』を始めたときから大切にしてきたテーマなんです。自分はずっとそういう思いで『プリキュア』シリーズに関わってきました」と、初代から携わってきた者ならではの思いを明かした。
神木は「今日ならではということで、スタッフロールに名前のあるたくさんの人たちは、この(大泉の)地で一生懸命作ったんだということを感じてもらえたら」と集まったファンに語りかける。最後に宮本は「1つ目は林先生が“ハム演説”って命名してくださったところ」と、劇中でハリハム・ハリーが観客に呼びかけるシーンを挙げ、「ミラクルライトを持っているっていうのはあくまで比喩で、アイテムとして物理的に持ってはいなくても、みなさんが“思い出”を持っているっていうことを感じていただきたい」と呼びかけた。
2点目として宮本は稲上が挙げたなぎさのセリフに触れ、「尺の都合で削らなければいけない部分をジャッジしていく中で、稲上さんが『このセリフは残してほしい』とおっしゃって。実はこのセリフは、僕と神木さんが最初に『プリキュア』に携わるときに、鷲尾さんから『ここは守ってほしい』と最初に言われたテーマのひとつだったんです」と明かす。そして「見てくださった方の感想でも、このセリフが刺さったという方がたくさんいらっしゃって、本当に残してよかったと思いますし、稲上さんが気持ちをぶつけてくださってよかったと思っています」と語り、イベントを締めくくった。
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kasumi@ねとらぼにてプリキュア記事連載中 @kasumi1973
オルメモ、香村純子氏が自分で書いたセリフでボロ泣きしてたエピソード大好き。
>>神木が「試写会に来ていただいたとき、香村さんがボロボロ泣きながら出てきて。『いや、内容知ってるでしょ!?』『あなたの書いたセリフですよ!?』って(笑)」
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