漫才日本一を決める大会「M-1グランプリ2018」にエントリーしている、
森田はプロのお笑い芸人を描いた「べしゃり暮らし」、長田は大喜利をテーマにした「キッド アイ ラック!」という作品をそれぞれ発表している。また森田は「べしゃり暮らし」の執筆にあたって吉本興業の養成学校・NSCに1年間通ったという経験があり、長田は「タピ岡ススル」という名義で数々の大喜利イベントに出演している。
そんな2人のコンビ「漫画家」は8月に行われた「M-1」1回戦を突破し、本日の2回戦に挑んだ。なおコンビとして人前に立つのはこれで6回目とのことだ。「漫画家」としての漫才のネタは、森田の「ろくでなしBLUES」や「ROOKIES」作者としての知名度を活かしたもの。森田による尾田栄一郎、井上雄彦、冨樫義博に対しての妬み発言も飛び出し、それを長田がなだめるというスタイルで観客の笑いを誘った。
出演を終えコミックナタリーの取材に応じた森田と長田。2人が知り合ったきっかけについては、森田が長田の「キッド アイ ラック!」の初回を読んだ際にまで遡るという。「『べしゃり暮らし』では、漫才ネタを文字で書いても面白くするのは難しかった。なのに『キッド アイ ラック!』では、漫才と大喜利と違いはあるものの面白くって、『これは悔しい!』と。こいつは誰だと思って、赤塚賞のパーティーとかで、つの丸とかうすた(京介)くんに聞いて彼(長田)のことを探したんですよ」と明かす森田。そこで知り合ったのち、2人が出演した大喜利ライブの打ち上げで森田が「M-1」出場に誘い、コンビ結成が実現したとのことだ。
本日披露したネタについて森田は「マンガ家ならではの、僕らにしかできないズルいネタです(笑)。でもテレビに出る有名な芸人さんが予選に出ることもありますよね。それはがんばって売れた結果、テレビに出た知名度がアドバンテージになるわけだから、僕らもマンガ家としての知名度を武器にしてもいいはず」と狙いを語る。対する長田は「ボケとツッコミというよりは、森田先生が言いたいことを言ったりボヤいてたりしてるのを、後輩の僕が『まあまあまあ』となだめるというスタイル。だからボケとツッコミではなく、ボヤきと“なだめ”です(笑)」と笑った。
技術的なことについて、森田は「最初に舞台に立ったのを映像で見たらフラフラしてて、まっすぐ立つことさえもできてなかったんです。それを知り合いの芸人さんに見てもらって、アドバイスをもらって。まだまだ声は小さいとか言われますけどね」とコメント。長田は「大喜利のライブに出た経験はあるけど、やっぱり漫才は全然違いますね。そもそも大先輩と2人でやるプレッシャーが……(笑)。ツッコミで頭を叩く場面で、もっと強く叩いたほうが面白くなるんですけど、なかなか……」と語り、森田も「まだ(強さが)足りないね(笑)」と同意した。
また森田は「M-1」の舞台に立った経験を作品に活かしたい意欲があることを明かし、「僕は『べしゃり暮らし』を一生描くつもりだから、この経験は続編を描くときが来たらかならず役に立つと思う」とアピール。最後に、今回の「M-1」出場に関してはともに「緊張するけど楽しかった」と声を揃え、森田は「マンガを描いてるだけじゃ、こんな経験できない」、長田も「森田先生が51歳、僕が42歳ですからね。周りからも『その年齢で新しいことに挑戦するのはいいことだね』って、うらやましそうに言ってもらえる」と笑顔を見せる。さらに森田は「うすたくんとかおおひなた(ごう)さんも出たら絶対面白いと思うけど、僕らがかすむから『出んなよ』って(笑)」と冗談めかしてコメントした。
取材後「 M-1グランプリ2018」の公式Twitterで、「漫画家」の合格が発表された。これを受け森田は「よかった! 1回戦は松井優征くんも来たし、大石浩二くんも来たし、今日だって荒木(飛呂彦)先生から『がんばってください』ってメールもらってたので。ただ3回戦の会場、(お笑いライブの会場として有名な)ルミネtheよしもとだから……これはヤバいことになった(笑)。また眠れない夜が続きますね。ネタは2回戦から変えないと思うので、表現の仕方をもっと磨いていきたいと思います」とコメントしている。
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