劇場アニメ「
上映後に行われたイベントには監督の
現在執筆中の作品の作業が忙しく、映画館で本作を鑑賞できていないという森見は「代わりに父親が3回も観てくれて、大変気に入っている」と報告。原作小説と4、5年くらい前に出会ったという石田監督は「周りの人から同時期に小説を薦められて、それで気になって読み始めた」と振り返る。続けて「自分が子供時代にアオヤマ君と同じ体験をしたわけではないのに、子供の頃の記憶、感覚、衝動のようなものが呼び起こされる感じがありました。不思議でそれでいて素敵なお話だなと思いましたね」と作品への感想を述べた。
映画化のオファーを受けた際のことについて森見は「郊外の住宅地とか自分の原風景を小説にしたいと思って、ようやく気に入るものが書けた、自分にとって大事な作品」と自作への思いを語る。さらに「最初に依頼があったときはいっぺん断わらせていただいたこともありました。制作中もドキドキして見ていた」と、紆余曲折あった末の映画化だったことを明かした。
原作では詳しく書かれていなかったシーンの映画での描かれ方について、森見は「原作の枠の中で新しいことをしてもらえるのは、原作者として楽しみなところ。クライマックスのシーンは、小説では書けない。アニメならではの醍醐味だと思う」と映像としての見どころを語る。一方で石田監督は「アオヤマ君の内面をもっと描きたかった」と、映像で表現することが難しかったために、泣く泣くカットしたシーンを挙げ悔しさを口にしていた。
また今回のイベントでは、観客からの質問コーナーも実施。作品を作る上でのこだわりを聞かれた石田監督は「1人の男として、お姉さんに惚れてしまいまして」と告白。お姉さんのことが好きなアオヤマ君目線で作品を作るにあたり、アオヤマくんの気持ちに寄り添っていった結果、同じように好きになってしまったと説明した。
次の質問では、探究心旺盛なアオヤマ君が、劇中で女性の胸にも関心を持っていることから、「おっぱいは好きですか?」とストレートな質問が飛ぶ。森見は「アオヤマ君は、自分の子供時代をいろんな部分をいびつに誇張して書いたキャラクター」だと話し、「小学生のアオヤマ君が、いろんな謎に直面する状況を書きたかった。当時の自分の身の回りの謎、不思議なことを挙げていった結果おっぱいにたどり着いた」と、胸について描かなければならなかった理由を解説した。
最後の挨拶で石田監督は、学生時代に第5回TOHOシネマズ学生映画祭のショートアニメーション部門でグランプリを受賞したことに触れ、「それから7、8年たって素晴らしい原作、スタッフ、観客にお会いできてることを、当時の自分に報告してやりたいですね」と笑顔を見せ、イベントは幕を閉じた。
※記事初出時より、タイトルの表現を変更いたしました。
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”おっぱいにたどり着いた”