7月20日より公開される「未来のミライ」は、甘えん坊な4歳の男の子・くんちゃんと未来からやって来たくんちゃんの妹・ミライちゃんの交流と成長を描く物語。ジャパンプレミアには主人公・くんちゃん役の
5月にフランスで開催されたカンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、同地にて初上映が行われた同作だが、日本で観客に向けての上映は本日が初めて。細田は「日本の片隅に住む小さな家族の話に笑い声や拍手が起こって温かく観てくださり、本当にホッとしました。映画というのは国を越えて伝わるんだと実感しました」と手応えを述べるも、「正直、今日のほうが緊張感がすごい(笑)」と顔をこわばらせる。カンヌに赴き細田の横で初めて本作を鑑賞した上白石は、「初めてだったので周りの反応より自分の反応が気になってしまい……」と述懐しつつ「本当に素晴らしい作品。早く日本の皆さんに観ていただきたいと思いました」と話した。
イベントでは細田が、キャスト陣それぞれの印象を述べていくことに。上白石に対しては「4歳の男の子の役を誰がやるんだろうと思っていたのですが、まさか18歳のこんなにかわいい人が演じるとは思ってませんでした」と声をかける。さらに言葉を続け「素晴らしい出会いだった」と述べると、上白石は「監督にはいつも泣きそうになるくらい褒めていただくんです」とにこやかに返した。また自身の監督作に3度目の出演となる黒木については、「『おおかみこどもの雨と雪』のオーディションで初めてお会いして、なんて素敵な人と出会えたんだろうと思ったんです。こうして6年経って今や日本を代表する女優さんの1人なのに、あの頃の初々しさを失っていない。ヒロイン役をお願いすることができて光栄です」とたたえる。それを受け黒木は、恐縮した様子ながら「よく眠れそうです」と冗談交じりで答えた。
父親役を演じた星野へは「父親然とした感じとそうではない部分。その間を揺れながら、“おとうさん”自身が何かを探して追い求める。そんな父親像を魅力的に演じてくださいました」と声をかけ絶賛する細田。星野は細田がシーンごとにブースに入ってキャスト陣に演出を付けたと明かしながら、「僕のときは、監督はご自身の家族のお話をされるんです。『こういうときはつらかったです』とか(笑)。センシティブな“おとうさん”の気持ちや、監督ご自身の言葉、それを話されているときの横顔が参考になりました」と語った。
最後は「久美さん」と呼び、家族ぐるみで付き合いがあるという麻生について。“おかあさん”の役は麻生から着想を得た部分もあったそうで、細田は「映画本編でも女神のようなんですが、今日、白いドレスを着ている姿を拝見してリアル女神だなと(笑)。星野さんと並ぶと白と黒のコントラストが素敵です……」と照れながらも語る。さらに演技については「ズバッとした言葉だけど、久美さんにかかるとそれがふわっと優しさに包まれるような。セリフ以上の要素が声に盛り込まれていて、感動しました」と続ける。麻生は本作について「共感することばかりで、後半になるにつれて心が揺さぶられて涙が止まらなくなりました。普通の家族、日常をベースに作られていますが、細田さんの手にかかるとそれが普通じゃなくなる。細田マジックだな……と映画に引き込まれました」と述べた。
最後に細田は「ご自身の家族のこと、小さいときのことを思い出しながら観ていただくと作品に映っている以上のものが感じていただけるかもしれません。大事なことを思い出せるきっかけになるような作品です。ゆったりとした気持ちでご覧ください」とコメント。上白石は「家族のつながりや自分自身について考えるきっかけにもなると思います。最後までくんちゃんと一緒に冒険を楽しんでください」と笑顔を見せ、イベントは幕を閉じた。
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