「テニスの王子様」で知られる
2016年1月に行われた「許斐 剛☆サプライズ LIVE ~一人テニプリフェスタ~」以来、2回目となる許斐のワンマンライブ。前回と同様、今回も「ハッピーメディアクリエイター時々漫画家」を名乗る許斐が、企画、演出、脚本のすべてを担当した。ライブは「テニプリ Fantastic Bazarのテーマ」で幕開け。シルエットでキャラクターが次々と映し出され、ファンの期待が高まる中、許斐がポップアップでステージのセンターに登場する。そして越前リョーマ、丸井ブン太、幸村精市、不二周助、遠山金太郎、白石蔵ノ介、手塚国光、跡部景吾が順にアクセントダンスを披露していく。ライブに登場するキャラクターは、許斐が描き下ろしたイラストをもとに3DCGで制作されたもので、許斐とテニプリキャラたちは見事に息の合ったダンスを踊ってみせた。
1曲目は許斐とリョーマのデュエットによる「future」。これは10年前の2008年に同じくパシフィコ横浜にて行われたアニメ「テニスの王子様」のイベント「100曲マラソン」でもトップバッターを飾った楽曲ということもあり、ファンからは大きな歓声が上がった。また許斐が「今回のライブはキャラクターのみんなが歌いたい曲をリクエストしてくれたので楽しみにしていてね」とライブへの期待を煽ると、さらに大きな声が上がる。続いて幸村がステージに登場すると、リョーマが「幸村さん、前回のライブで先生の五感、奪いかけてましたよね」と回想。許斐が「今日はせっかくだから、2人で歌っていったら?」と提案すると、2人は照れた仕草を見せながらも「last game」を歌唱する。キャラクター同士のデュエットに、観客は大興奮。歌い終わった幸村が「ボウヤと全国大会決勝で戦った日のことを今でも鮮明に覚えているよ。今日はボウヤと歌えてよかった」と伝えると、リョーマも「こちらこそ、どーもっス」と頭を下げる。そして幸村は「俺が楽しいときも苦しいときも、立海のみんなとともにテニスをしてきた日々の想いが詰まった曲を聴いてください」と「夢の続き」「夢の続き II」を、メドレーで許斐とともに歌い上げた。
続いて登場したのは、同じく立海の丸井ブン太。「みんなもこの曲を聴けば元気が出るぜ!」と、許斐と2人で「one two three it's all right!」を拳を振り回しながら元気いっぱいにデュエットした。歌い終わると、許斐が「U-17(アンダーセブンティーン)の合宿でブン太くんとダブルスを組んだ沖縄の彼が、なんとイカダでこのパシフィコ横浜に来ているらしいよ」と口火を切る。観客が「永四郎ー!」と呼ぶと、今回が許斐のライブ初登場となる比嘉中の木手永四郎が、ミュージカル「テニスの王子様」の楽曲である「ダークホース」を歌いながら登場。木手は「今回ライブにこの俺を呼ぶとは、どういうつもりか知りませんが、ありがとうございます」と許斐に挨拶。そしてブン太と「Side-by-Side」をデュエットし会場を盛り上げた。さらに許斐が「木手くんの歌いたい曲は何かな?」と振ると、「今回比嘉中のほかのメンバーはこのステージには立っていませんが、先生と会場に来てくれた皆さん、この歌でうちなー魂を感じていただきたい」と「CHU-BA-FIGHTER」をリクエスト。スクリーンにはほかの比嘉中メンバーが映し出される中、木手と許斐はアップテンポなこのナンバーで会場を盛り上げた。
そしてもう1人、今回のライブが初登場となる氷帝の忍足侑士が登場。「今日は呼んでくれておおきに」と挨拶し、忍足が選んだという楽曲「銀の剣」を許斐と歌い上げる。また忍足は「もうひとつ歌いたい曲があるんですわ」と「メガネ☆セブン」をリクエスト。これは忍足のほか、手塚国光、木手永四郎、柳生比呂士、金色小春、乾貞治、越前リョーマからなるユニットによる楽曲だが、7人のうち4人がこの会場に揃ったことから、今回披露することとなった。忍足、手塚、木手、リョーマ、そして許斐は光るメガネを装着し、息の合ったダンスを見せた。
青学(せいがく)オールスターズによる楽曲「Tricolore」のイントロが流れると、そこに登場したのはミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンより、新青学レギュラー陣の9人。テニミュのキャストがアニメの楽曲をカバーするという次元を超えたサプライズにファンは驚きながらも狂喜する。7月12日から上演される「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝」が初公演となる新青学メンバー。フレッシュなステージでライブに華を添えた。越前リョーマ役の
次に許斐が「忙しい中作ったんだよ」という新曲を初披露。リズムゲーム「新テニスの王子様 RisingBeat」のタイトルBGMに、許斐自身が詞をつけた楽曲「恋のフリックを刻み込め-WaitingRisingBeat-」だ。この日のために制作されたMVには、数々のキャラクターやゲーム画面が映し出される中「まだ誰も通っていない道は、ないか」「ファンのみんなが僕の原動力です」といった許斐の名言も差し込まれた。歌い終えた許斐が「皆さん、聴き馴染みのある新曲はいかがでしたか?」と問いかけると、大きな歓声が。「今回のライブにあたって、ブシロードさんからリョーマの『RisingBeat』をカバーしてくれないかという話があったんですけど、せっかくだからこの耳馴染みのある曲に歌詞をつけたいという逆提案をしたら、快くオッケーをいただいて、この曲ができました」と経緯を明かす。またライブ当日の6月10日17時より、「新テニスの王子様 RisingBeat」にて、許斐剛 featuring 越前リョーマによる「フェスティバルは突然に」が配信されることも告知された。
許斐のアカペラで始まったのは、「悲しいね…キミが近すぎて」。スクリーンに映し出された不二、木手、ブン太、幸村、忍足、手塚の原作イラストから3Dモデルの彼らが登場し、楽曲をしっとりと歌い上げた。続いて四天宝寺中の白石蔵ノ介がポップアップで舞台に現れると、許斐は1階後ろの扉から客席を走り抜けてステージへ。「like bored days」を2人でデュエットした後、「フランスの“イケメン”や“パリコレ”と戦う白石くん、カッコよかったよ」と、最近の「新テニスの王子様」の内容について言及しつつ白石に声をかける。さらに「白石くん、君はもっと強くなれるよ」と続けると、白石は「俺はすべての星を掴み取る。会場にいるみんなも迷うことはあると思うけど、そんなみんなに届くように」と「go on」を歌唱。最後に許斐と2人で白石の決めゼリフ「んんーっ絶頂(エクスタシー)!」を披露してみせた。白石と入れ替わりでステージに現れた不二は「白石、フランスと戦ってから、やたらとポーズ取るのが好きになりましたね。僕も負けてられないな……つばめ返し!」と、対抗して自身の技のポーズを決めてみせる。そして許斐と「大好き」を、手塚と「たとえば今…」を歌唱。現在はドイツに渡っている手塚は、不二との久しぶりの再会を楽しんでいた。また手塚と許斐のデュエット「Decide」では、2人が手から青い炎を出す演出も。
次に舞台に登場したのは、氷帝学園の部長・跡部景吾。「氷帝コール、いくぞ! アイン、ツヴァイ、アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーア!」と煽ると、会場からは割れんばかりの氷帝コールが。跡部が「パチーン!」と合図をするとコールが鳴り止み、跡部が「あーん、ランウェイじゃねーの」と決めゼリフを放つ。許斐が「跡部くん、いつになく気合い入ってるね」と声をかけると「今日は自分だけじゃなく、新たな氷帝メンバーを呼んでいただきありがとうございます」と礼儀正しく感謝を口にする。そして忍足との入部当初の思い出を語ると、許斐が跡部と忍足について「まさに氷帝の太陽と月だね」と感想を述べる場面も。そして跡部がリクエストしたのは「俺様の美技に酔いな」。許斐とデュエットし会場を大いに盛り上げた。次に歌われたのは、テニミュでの氷帝学園の楽曲「氷のエンペラーll」。テニミュでの人気曲をアニメの跡部がカバーするというだけあって、イントロが流れた瞬間会場からは悲鳴にも近い声が沸き起こった。許斐は「今回のライブは“オールテニプリフェスタ”だから、ぜひ跡部くんにミュージカルの氷帝の楽曲『氷のエンペラーll』を歌ってもらいたかったんだ。みんなも、最初で最後かもしれない夢のコラボが聴けたね」と説明。そして「リョーマとは違う目線でキミがテニプリを引っ張ってくれたから、今この時があるんだよ」と跡部に語りかけると、「まだまだ誰よりも高い場所に上り詰めてやりますよ。この後も、おてふぇすの美技に酔いな!」と跡部はステージを後にした。
「さあ、まだまだ行くよ!」と許斐が煽ると、ステージに登場したのは、テニミュ1stシーズンにて立海・真田弦一郎役を務めた
「ついに最後のデュエットがやってきました。リョーマ」と許斐が呼び込むと、「先生、待ちくたびれたっス」とリョーマが舞台に。許斐とリョーマは、前回のソロライブのために許斐が制作した楽曲「青学テニス部に捧げるヤッホー」、そして「約束」をデュエットする。リョーマが「先生、19年間俺たちのことを見守ってくれてありがとうございます。これからも俺たちは未来に向かってまだまだ突っ走っていきます」と伝えると、許斐は「頼んだよ、リョーマ、これからもよろしくね」と優しく返答し、「Gather」を歌唱。そして許斐が「2016年1月16日豊洲PITからはじまったテニプリのVRライブはみんなに喜んでもらえるようにまだまだ進化を続けていきます」と力強く宣言。「VRだけではなく、アニメ、ミュージカル、それぞれのキャラクターを演じてくれるキャストの皆さん、愛を持って作品を作ってくださるスタッフの皆さん、そして何よりこうして応援してくださる皆さんのおかげでテニプリはここまで続いてこれました。本当にありがとうございます。今日キャラクターたちの想いが聞けたように、マンガの中で彼らは日々成長していきます。これからも『新テニスの王子様』とキャラクターたちの応援をよろしくお願いします」と感謝を述べた。最後に10年前の「100曲マラソン」でも最後に歌われた「We Love TENIPURI」をもとにした新曲「We Love ALL TENIPURI」で幕引き。マンガ、アニメ、ミュージカル、すべてのジャンルのテニプリに愛を伝える内容の歌詞となっており、「おてふぇすっていいな!」とコールする部分では、観客はありったけの声でテニプリ愛を叫んでいた。
本編が終わると客席からは「ラブ! ラブ! フェスティバル!」とアンコールを催促する声が巻き起こる。再び登場した許斐は、「ハッピーサマーバレンタイン」を、またテニミュの楽曲である「F・G・K・S」を兼崎健太郎と共にラケットを手に歌唱。「一人テニプリ★パラダイス」では、テニプリのSDキャラ「ハニプリ」姿のキャラクターたちが大集合するMVも流れた。すると許斐の姿がスモークで見えなくなり、スクリーンの中央に許斐のハニプリも。許斐が2次元に溶け込んでしまうかのような演出に、ファンは驚きの声を上げていた。そして「Love Festival」では、許斐がテニミュ青学メンバーをバックダンサーに従える。阿久津仁愛演じるリョーマがソロパートを歌唱する場面では、ひときわ大きな声援が上がった。
再び「サプライズ☆タイム」が流れると、四天宝寺中・千歳千里の原作イラストがスクリーンに映し出され、彼が許斐の誕生日を祝うサプライズも。許斐は「サプライズ返しをされちゃった」と笑いつつ、「最後の曲になりました。19年もの長い間、支えてくれたすべての皆さんへ、テニプリを支えてくれてありがとう」と最後の曲を歌唱。「来年の20周年に向けて、まだまだ誰よりも挑戦を続けていきたいと思っています。これからも『テニスの王子様』、『新テニスの王子様』、愛しのキャラクターたちを、どうぞよろしくお願いいたします」と深々とお辞儀をし、2時間40分にもおよぶライブは盛況のうちに幕を閉じた。
「許斐 剛★パーフェクトLIVE~一人オールテニプリフェスタ2018~」2018年6月10日 パシフィコ横浜 国立大ホール 昼の部 セットリスト
OP.テニプリ Fantastic Bazarのテーマ
01.future(
02.last game(幸村精市 with 越前リョーマ)
03.夢の続き ~ 夢の続き II(許斐剛 with 幸村精市)
04.one two three it's all right!(許斐剛 with 丸井ブン太)
05.Side-by-Side(丸井ブン太 with 木手永四郎)
06.CHU-BA-FIGHTER(許斐剛 with 木手永四郎)
07.銀の剣(許斐剛 with 忍足侑士)
08.メガネ☆セブン(許斐剛 with 忍足侑士、手塚国光、木手永四郎、越前リョーマ)
09.Tricolore(ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン青学レギュラー)
10.恋のフリックを刻み込め-WaitingRisingBeat-(許斐剛)
11.悲しいね…キミが近すぎて(許斐剛 with 手塚国光、不二周助、忍足侑士、幸村精市、丸井ブン太、木手永四郎)
12.like bored days(許斐剛 with 白石蔵ノ介)
13.go on(白石蔵ノ介)
14.大好き(許斐剛 with 不二周助)
15.たとえば今…(手塚国光 with 不二周助)
16.Decide(許斐剛 with 手塚国光)
17.俺様の美技に酔いな(許斐剛 with 跡部景吾)
18.氷のエンペラーll(跡部景吾)
19.KEEP GOING ON!(許斐剛 with
20.フェスティバルは突然に-HATF2018ver.- ~ ゴンタクレ(許斐剛 with 遠山金太郎)
21.50/50(越前リョーマ with 遠山金太郎)
22.青学テニス部に捧げるヤッホー(許斐剛 with 越前リョーマ featuring 青学レギュラー)
23.約束(許斐剛 with 越前リョーマ)
24.Gather(許斐剛)
25.We Love ALL TENIPURI(許斐剛)
〈アンコール〉
26.ハッピーサマーバレンタイン(許斐剛)
27.F・G・K・S(許斐剛 with 兼崎健太郎)
28.一人テニプリ★パラダイス(許斐剛)
29.Love Festival(許斐剛 with ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン青学レギュラー)
30.テニプリを支えてくれてありがとう(許斐剛)
※本文中の★の正式表記は二重星。
※記事初出時、一部セットリストに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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