「未来のミライ」は、とある都会の片隅にある小さな家に住む少年・くんちゃんと、未来からやってきたくんちゃんの妹・ミライを描く物語。本日行われた発表記者会では、まず細田から「未来のミライ」制作の経緯について語られる。作品について「4歳の男の子に妹ができて、その妹に両親の愛を奪われたお兄ちゃんが、愛を求めてさすらい旅立つお話」と話した細田は、作品を作るきっかけについて、自身の5歳になったばかりの息子と、まもなく2歳になる娘の存在を挙げた。「小さな子供からしたら、生まれたばかりの妹は新鮮で、特別な感動を得るんじゃないかと思ったんです」と述べ、「上の子は『夢で大きくなった妹に会ったよ』みたいな信憑性の薄いことを言う(笑)。でもそういう子供の言う他愛のないことからの発想だった」とコメント。さらに「子供の日常を通して、僕ら人生のテーマを垣間見ることはある。彼らをただ単に『幼い子供だな』って思うより、彼らの愛情とか世界に対する純粋なリアクションを見たほうが面白い。この作品を観ていただいた皆さんにも、その世界の広がりを共有できたらいいなと思って作っています」と続けた。
映画を作ろうとした際、「自身の息子が4歳だったから」という理由で主人公を4歳にしたという細田だが、4歳の男の子を主人公にするのはチャレンジだったと語る。「トトロのメイちゃんは4歳ではありますが、それ以外だと4歳の子を主人公にした映画は稀なこと」と語り、「『クレヨンしんちゃん』のしんちゃんが5歳ですが、4歳と5歳は全然違うんです。4歳はシリアスなところと快楽主義なところが折り重なっていて、非常にバイタリティがある。ただ5歳になると『うんこ』とか『ちんちん』とか言い出す(笑)。『クレヨンしんちゃん』が5歳である理由にも納得しました(笑)」と語り、笑いを誘った。
映画の公開日について、こだわりがあったと語る齋藤プロデューサー。「7月20日がどういう日かというと、夏休みの初日、学校が終わって夏休みに向けて気分が高まっているとき。そのタイミングで、映画を出すのがいいんじゃないかと思った」と説明した。さらに作品の舞台が横浜市であることも明らかに。「横浜の中心地から外れた、磯子区だったり金沢区だったり、あの辺り。その理由は映画の内容に関わってくるので言えませんが、家族にとって重要な事が過去に起きた場所です」と述べた。
さらに青空に浮かぶくんちゃんとミライの姿を、ダイナミックに描いたポスタービジュアルについてのこだわりも披露された。「『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』はオリジナル作品で、まだ内容を知らない作品。だからポスターは堂々とさせようと考えて、仁王立ちを続けてきた。『未来のミライ』もオリジナルですが、今回はそこから飛び出して、子供たちというのは大人が思っている以上に大きな、ダイナミズムを持った存在だと伝わるようなイメージにしたかった」と、ポスターに込めた想いを語る。
これまで「家族」というテーマで映画を作り続けてきた細田。本作も「家族の歴史を巡る冒険」になると語り、「家族というのは、1つの作品で終わるモチーフではないです。『サマーウォーズ』では親戚、『おおかみこども』では子育てするお母さん、『バケモノの子』では父親を描いてきた。今回は兄妹です。僕は一人っ子なので、兄妹の感覚はわからないままでした。でも下の子が生まれたときに、親の、特に母親の愛をめぐる争奪戦というか、愛をめぐる狂おしいばかりのやり取りに驚いて。の上の子を見ると、そこには兄妹の因縁がありつつも、愛をめぐる兄妹間ならではの、興味深い人間の反応があった。非常に興味が尽きないモチーフだと思います」と続けた。
最後、細田は「今スタッフが頑張って『未来のミライ』という作品を作っているところです。おそらく独特な面白い魅力を持った作品になるんじゃないかなという予感がしている。自分らで言うのも何だけど、見ごたえあるものになりそうな気配がしています。何より現場のスタッフが面白がって作っている感じがいいなと。それを含めて、自分自身もいい映画になるだろうなと感じています。是非期待して観てくださるとうれしいです」と延べ、会見は幕を閉じた。映画「未来のミライ」は2018年7月20日より全国東宝系にて公開される。
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細田守の最新作は「未来のミライ」4歳の男の子と未来からきた妹の物語
映画「未来のミライ」
2018年7月20日(金)全国東宝系にて公開
スタッフ
監督・脚本・原作:
作画監督:青山浩行、秦綾子
美術監督:大森崇、高松洋平
プロデューサー:齋藤優一郎
企画・制作:スタジオ地図
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