寺島優原作による
藤原は「雷火」舞台化のきっかけについて、「飲み屋さんで『雷火』のことが好きだというスタッフの方と知り合って、舞台化したいという話をいただきまして」と説明。またこれまでにもアニメ化や実写化などの話が浮上していたことを明かし、「ただどれも話が潰れてしまったので、ちょっと不遇な作品なんです。だから話があれば、表現される媒体は問わず、形にしたいと考えていて。僕にとっても思い入れのあるかわいい作品なので、作品のことを好きなスタッフに作ってもらえるのであればこのお話はいいんじゃないかなと思いました」とオファーを受けた経緯を語った。
かねてから「雷火」を愛読していたという石田が、「正直僕が脚本と聞いてびっくりしなかったですか?」と質問すると、藤原も「そうですね、最初はピンとこない部分ではありました(笑)」と素直な感想をぽつり。続けて藤原は「ただ『雷火』のお話を2時間に凝縮するのは至難の業だったと思うんですが、それを見事にやってのけたんですごいなと思いました」と石田の脚本を称賛する。これを受け、石田は「最初プロットを書いたときは、『このシーンもやりたい』『あのシーンもやりたい』となってしまって、何時間の舞台になるんだって長さだったんですけど。(脚本を削って)ダイジェストになるのだけは嫌だなと思っていて、より密にする形でまとめていきました」と解説した。
舞台化にあたり、「忍者が飛んだり駆け巡ったりするようなアクションを取り入れてほしい」とリクエストしたという藤原。この要望を受け、本作にはパルクールの経験者が出演者として参加している。この日舞台の稽古を初めて鑑賞した藤原は、「やっぱりアクションが入ると舞台がしまりますね」と満足気な様子をみせた。
石田は本作で描きたかったことについて、「ライカは肉体的にも精神的にも強いキャラクターなので、舞台ではライカの不安定さというか、心の弱さみたいなものをピックアップしたいと思ったんです」と脚本執筆を振り返り、「人間の物語に重きを置くことで、よりライカの芯を見せられると思っています」とその出来に自信を覗かせる。また藤原は「(原作担当の)寺島さんと『雷火』をもう1度やろうなんて話していたんですけど、続編ではなくまったく新しい『雷火』をイチからやるのがいいんじゃないかなと思っているんです。それが実現するかどうかは、今回の舞台にかかっているかもしれないですね(笑)」と新作への意欲を覗かせた。
「雷火」はコミックバーガー(スコラ)およびコミックバーズ(幻冬舎)にて1987年から1997年まで連載されていた、邪馬台国を舞台とする歴史ファンタジー。卑弥呼殺しの濡れ衣を着せられた主人公・ライカが、老師から伝授された神仙術を武器に強大な敵に立ち向かう様を描く。
舞台「雷火」
日程:2017年6月22日(木)~6月26日(月)
会場:武蔵野芸能劇場
脚本:
演出:かみざともりひと
キャスト
ライカ:吉岡大輔
壱与:和地つかさ
オタジ:竹内大気
ウツキ:大川敦司
タキ:鈴木浩文
キクナ:川村海乃
ダナン:本田晋
タキの母:池上恵
キバ:
ヒメキコソ:小栗銀太郎
キジノヒコ:下塚恭平
夜美:春奈
張政:潮見勇輝
イキナメ:新村享也
ワタハタ:輝海
ムジン:塩野圭
シン:碓井英司
タルバ:きみたろう
ユン:加賀功平
ラトウ:武田大右
タマキ:佐河ゆい
生口:横浜進一・小野流星・shao・關文比古
パフォーマー:KAN・鈴木智也・Natsu*
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