2002年より週1回ペースで連載されていた「毎日かあさん」は、2児の母親である西原が家庭内のエピソードを描いたギャグマンガ。2004年に第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2005年に第9回手塚治虫文化賞短編賞、2011年には第40回日本漫画家協会賞の参議院議長賞を受賞した。また2009年にはテレビ東京系列でテレビアニメ化され、2011年には小泉今日子、永瀬正敏の主演で実写映画化も果たしている。
足かけ16年間の連載に幕を閉じる理由について西原は、「お母さんが終わったからです」「子育て終わり、お母さん卒業、各自解散(笑)」とコメント。また「16年、幸せでした。みなさんで(連載を)守ってくださって、本当にうれしかったです」と感謝の言葉を寄せた。なお単行本の最終14巻は、毎日新聞出版より9月に刊行される予定だ。
新連載について西原は、「『卒母』した女性の悩みや第2の人生を描きたい」と明かす。タイトルは未定で、「毎日かあさん」同様に週1回のペースで掲載されていく。
西原理恵子コメント
終了の理由
お母さんが終わったからです。下の子も16歳になって、「あっ、お母さん終わった」って気が付いた。経済的な支援とかはまだ必要ですけど、それ以外はもう要らないな、と。子育て終わり、お母さん卒業、各自解散(笑)。すごいさみしいけれど、もう子どもに干渉しちゃいけないんだろう。私も後は自分の好きな人生を送らせてもらいます。だから「毎日かあさん」も終わり
それに、シリーズも13巻になって、飽きてきた人もいるかもしれないし、どっから読んだか分からなくなって同じ巻を2冊買っちゃうとか──私も同じ本を3回買ったことがあるからね──そんな方がいっぱいいそうなんで、ここらでリニューアルしよう、と
うれしかった反響
私のだらしなくて、いいかげんな子育てを、「いいよね」って言ってくれた。みんなで慰め合ったという感じ(笑)。今までは子育ては聖域だったんです。その像をちょっと私が崩したら、たくさんの女性たちが「そうだよね」って。それが先輩女性からも来たのがうれしかったです
お詫びとお礼
汚い絵とヘタな文字で、特にご高齢の読者の、老眼の方、本当にすみませんでした。長いこと描いているんで、絵も字も上手になると思っていたら、なりませんでした。そこらへんすいません
でも16年、幸せでした。みなさんで(連載を)守ってくださって、本当にうれしかったです
新連載について
子どもたちは、家族としてちょっと描かせてもらうけど、もうそんなに出てこない。これまでキャラにして金儲けしてごめん(笑)
新連載では、「卒母」した同じ女性の悩みや第2の人生を描きたい。女性にとって一番楽しい時期なんです。歳いったおばさんたちの柔軟な人生を描ければ
私たちの母親の世代が夫に殴られたり、しゅうとめにいびられたりしても「あなたたちはそんな目にあってほしくない」と変えてくれたように、私たちも次の世代の常識を変えていきたい。おばさんの愚痴と説教だと思って読んでください
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職人の技を生かす建築士:寺澤秀忠 @syotaku
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