舞台版ドラえもん、探検セットの楽曲など披露！陳内は「スネ夫の髪型期待」

藤子・F・不二雄原作による「舞台版ドラえもん『のび太とアニマル惑星（プラネット）』」の囲み取材会が、本日3月3日に都内某所にて行われた。

取材会にはのび太役の小越勇輝、しずかちゃん役の樋口日奈（乃木坂46）、ジャイアン役の皇希、スネ夫役の陳内将、チッポ役の佃井皆美、脚本・演出を手がける鴻上尚史が登壇。まず再演の経緯について鴻上は2008年の初演時はまだ「2.5次元」という言葉もなく集客に苦戦したことを振り返り、「でも見た人には大人にも子どもにも好評で、とにかく再演したいという思いがずっとあった」と述懐する。そしてネルケプランニングの松田誠氏の協力もあり、再演が実現したという。

「9年経ったので、どうせならフレッシュなゲストにお願いしようと」と今回のキャスティングについても明かし、「初演でスネ夫を演った小林顕作には会う度に『お前が40歳になる前には再演するぞ』と言っていたんだけど、あいつはオフロスキーという当たり役を手に入れたので、まあいいかと（笑）」と冗談めかしてみせた。また劇場ならではの演出について鴻上は、歌やジャグリング、バルーンアートなどを例に挙げ、「劇場全体がお祭りな感じになれば素敵だなと」と構想を語る。劇場に足を運ぶからこその演出要素にも期待できそうだ。

舞台では10歳の役を演じるキャスト陣。最年長である29歳の陳内は、「スネ夫のニヒルな感じをちょっと強く出しすぎると“ヤーさん”ぽくなる。ヤーさんと陣内のうまいバランスが取れたらスネ夫になると思います（笑）」と話す。小越は小学生をやろうとすると鴻上から「それは小3」と指摘されたと語り、「小3と小5の微妙な差に悩んでいる」と苦悩を明かした。樋口は「ランドセルを久しぶりに背負ったらすごいワクワクして。きっとこの気持ちなんだろうなって。楽しみながらやればきっとその年代になれるんだなって思いました」と語れば、陳内も「確かにランドセルすっげえ楽しい」と同意しきり。皇希は「最初は小学生を演じようとがんばっていたけど、彼らは普通の小学生とはちょっと違う。その考えは1回捨てて、台本を見て素直に演ったときに、最終的にたまたま小学生だったというところにいきたい」と演技についての展望を語る。

見どころについては、チッポ役の佃井が「のび太くんとの友情」と切り出し、のび太役の小越との親交を深めようとがんばっている最中だと笑う。お互い人見知りすぎて2回目の共演ながらもなかなか打ち解けていないことを語り、「（最近は）だいぶ心を許せるようになってきました（笑）」と不思議な表現で話すと、小越も「僕も少しずつ許せるようになってます（笑）」と乗っかり共演者の笑いを誘う。そしてのび太の演技について小越は「カッコよくなりすぎないように。陳内くんにも『あの反応ちょっとカッコいいよね』と言われたり、ふとしたときにそうなってしまう自分が悔しいので」と自分を戒めると、陳内も「小越さんがカッコいいからなー（笑）」とツッコむ場面も見られた。最後に陳内はスネ夫の髪型がどうなるのか、まだ決まっていないことを明かし、「やっぱりスネ夫はこうあるべきじゃないですか」と手を頭にやりスネ夫の髪型を説明。「例えば客席にまっすぐ向いたときに果たしてこれはスネ夫なのか？ 横を向いたらスネ夫らしさが見えると思うんですけど。どうなるのか気になっているところですね」と、期待を寄せた。

また稽古場の様子が報道陣向けに公開された。本日披露されたのは、アニメのオープニング曲でもあるお馴染みの「夢をかなえてドラえもん」と、新曲「これで安心！探検セット」の2曲。舞台の冒頭を飾る「夢をかなえてドラえもん」では、のび太とジャイアン、しずかとスネ夫が腕を組んで踊ったり、アンサンブルも登場したりと、華やかなオープニングが演出された。

一方の「これで安心！探検セット」は森雪之丞が作詞を、元GOING UNDER GROUNDの河野丈洋が作曲を担当。みの虫式寝ぶくろやカツ丼入り圧縮非常食、どろ水浄水器、糸なし糸電話、警報用花火、ミニカラオケセットが入れられたひみつ道具「探検セット」を解説する楽曲だ。探検セットの小道具も使用し、楽しいステージが繰り広げられた。なお実際の舞台ではドラえもんも登場し、声はアニメ版の声優・水田わさびが演じる。

「舞台版ドラえもん『のび太とアニマル惑星（プラネット）』」の原作は、1989年から1990年に月刊コロコロコミック（小学館）に掲載。1990年には映画が公開され、2008年に初舞台化された。公演は3月26日からの東京・サンシャイン劇場を皮切りに、福岡、愛知、宮城、大阪にて上演される。