「薔薇王の葬列」のドラマCD化を記念したこのイベントは、未来古代楽団・砂守岳央の司会により、まずはモニターに映し出された画像を見ながら、菅野と担当編集の山本氏がコメントする形で進行した。これまでに描かれたカラーイラストや菅野の仕事場の紹介、取材旅行の様子などに続いて公開されたのは、「薔薇王の葬列」連載開始前のキャラクターラフ画。ラフ画の公開は昼の部、夕方の部でも行われ、夜の部ではエドワード、ジョージ、セシリー、ヨーク公リチャードという4人のラフ画が披露された。画像を見た菅野は「エドワードがただのいいお兄ちゃんだった頃ですね(笑)。最初の頃は人気があったんですよ……。王になってからはどんどん株が下がっちゃって」とコメントし、会場の笑いを誘った。
ここでドラマCDでリチャードを演じる
ドラマCDでエドワード王子役を演じた松岡禎丞については、菅野が「たまにやり過ぎっていうときもありますけど(笑)」と述懐すると、斎賀は「役者は(演技を)抑えることもやり過ぎにすることもできるんですよ。最初に抑えて『もっと』って言われるよりは、最初からやっちゃったほうが表現として面白いものが出てきたりするんです。だからやるだけやって、あとから『ここは真面目にいきましょうか』と抑えることがある」と解説。さらに「みんなキャラが掴みやすいから、ほぼリテイクもなく収録を終えた思い出がありますね」とまとめた。
Twitterで募集した質問に答えるコーナーでは、「お気に入りのシーンは?」という問いに対し、菅野は「父親が死んだときに、晒された首にリチャードがキスをするシーン」と回答。続き山本氏が「お兄ちゃん(エドワード)監禁事件」と答えると、菅野は「あのシーン、本当は(原作の戯曲では)軟禁されてはいるけど、鎖でつながれてはいないんですよ。でも山本さんに『絶対につないでほしい』って言われて(笑)」と暴露。斎賀が「読者の欲望を形にしてくれてるわけですね」と続けると、山本氏は「真面目な話をすると、マンガだから視覚的に捕まってることがわかったほうがいいと思うんですよ」と慌てながらフォローした。
最後の挨拶では、月刊プリンセス11月号(秋田書店)で第1部が完結した「薔薇王の葬列」について、菅野が「(2017年)1月6日に発売される連載再開号では、びっくりするような続き方をする予定です。(1月17日に発売される)単行本7巻を読むと、続きを読みたくなると思うので、ぜひよろしくお願いします」とアピールし、イベントは終了した。
月刊プリンセスにて連載されている「薔薇王の葬列」は、ウィリアム・シェイクスピアの史劇「リチャード三世」を原案に描かれるダークファンタジー。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返した薔薇戦争を軸に、男でも女でもない体に生まれたリチャードの数奇な運命が描かれている。
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Simona Stanzani 詩文奈 @simona_com
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