会場に入ると、まず羽海野作品の歴史がわかるパネルがお目見え。長編デビュー作「ハチミツとクローバー」がスタートした2000年から、実写映画「3月のライオン」2部作の公開が決まっている2017年までの18年間に発行された単行本の表紙や、アニメ化・映画化などメディアミックスされた出来事、受賞歴などが順を追って披露されている。また第18回手塚治虫文化賞の贈呈式に出席する羽海野のため、KEITA MARUYAMAが仕立てたドレスも展示された。
そして「ハチミツとクローバー」エリアへ。CUTiE Comic(宝島社)、YOUNG YOU、コーラス(ともに集英社)と掲載誌を移した同作の予告カット、カラー扉、雑誌の表紙を飾ったイラストなどが所狭しと並べられている。
「3月のライオン」エリアも見応え充分。名シーンの生原稿、各単行本の表紙イラストの原画に加え、桐山零、あかり、ひなた、モモの川本3姉妹を中心としたカラーイラストが展示された。また10月に放送がスタートするアニメのアフレコ台本、新房昭之監督やアニメキャストたちがメッセージを寄せた色紙も登場。さらに映画「3月のライオン」の決定稿台本や、零を演じる神木隆之介が実際に着た学生服、メガネ、鞄もお披露目された。
このほか羽海野の母親作の編み物、ファンからもらったプレゼントなどが陳列された「ウミノお宝コレクション」コーナーも。またストーリー構築の手順を開示した絵コンテや、アイデアノートの一部などが公開された。BUMP OF CHICKEN、三浦建太郎「ベルセルク」とのコラボレーションの資料や、羽海野の愛猫・ブンちゃんのグッズ、写真も披露。グッズの販売コーナーも設置されている。
内覧会では囲み取材が実施され、白泉社の鳥嶋和彦氏、集英社の北畠輝幸氏、三省堂書店専務取締役の亀井崇雄氏、アニプレックスの岩上敦宏氏、アスミック・エースの豊島雅郎氏が登場。鳥嶋氏は「原画展で印象に残ったのは、羽海野さんが描く非常に硬質な下町の風景。対照的に食事のシーンがすごく楽しそうに描かれている。この対比が僕にとっては印象的で、小津安二郎の映像を見ているような感覚に襲われました」と羽海野が描く硬軟織り交ぜた表現について語った。また「羽海野さんが勇気あるなと思ったのが、作家さんにとっては見せたくないであろう絵コンテを、非常にきちっと展示されてたことで。この勇気には敬服致しました」と驚いてみせた。
北畠氏は「CUTiE Comic、YOUNG YOU、コーラスと、残念ながら(掲載された)3誌はもうないんですけど、『ハチクロ』はまだまだ元気です。1巻は昨年100万部に達しています。雑誌をはるかに凌ぐ生命力を持った、稀有な作品が『ハチクロ』だと思います」と評し、「その原画が、ここにたくさん展示されている。ものすごく絵に力のある方なので、見ているだけで引き込まれます」と羽海野の原画の魅力について語った。
「羽海野チカの世界展~ハチミツとライオンと~」では、「ハチミツとクローバー」と「3月のライオン」の原画を含む150点以上の作品を展示。巡回展も予定されている。
羽海野チカの世界展~ハチミツとライオンと~
会期:2016年8月4日(木)~8月17日(水)
会場:西武池袋本店
入場時間:10:00~21:00
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