展示の感想を聞かれた池田は、「改めていろいろ見させていただいたんですけど、安彦先生が緻密な設計をされている。この見事な作品に、こうして参加できてることはうれしく思います」とアピール。同じく安彦は「(展示物が)設定とか原画なので、正直言って地味だなあと(笑)。でもよく見ると全部コピーとかじゃなくて生なんですよ。作画監督の修正とかも生で描き込まれている。そういうところで現場の作業の匂いというのを感じてもらえたらいいのかなと思います。ただ、こういう現場の匂いを感じて喜ぶお客さんは、かなり濃いお客さんでしょうね」と集まったマスコミ陣を笑わせた。
安彦は秋に上映されるアニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」の見どころについて聞かれると、「この作品は過去の話なので、どこがガンダムなんだって感じがすると思うんですよ。1話なんか特に。それがだんだんガンダムらしくなっていって、4話でもっとガンダムらしくなるので期待してください」とコメント。この「機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」には古谷徹演じるアムロ・レイが登場するということで、話題は古谷のことに及ぶ。池田は「アムロ(古谷)とは久しぶりにスタジオで会いました。特別に(作中で)絡んだりはなかったですけど、アムロと飲みに行きましたね、まっすぐ帰ればいいのに。ひさしぶりに美味しいお酒を飲みました」と笑顔を見せた。
最後に安彦は展示について「さっきも言ったとおり、一見地味ですけど、全部生の素材です。今はコピーもプリンタも優秀で、複製原画も綺麗にできるので、目をくっつけて見ないと生かどうかわからないですけど、近づけて見て、スタッフの息吹を感じ取って欲しいです」と生であることを強調した。さらに「もう1点、『生』が加わります。池田さんが使ったアフレコ台本を展示してくれとリクエストして、これは実現します。明日から置いてもらえます」とうれしいサプライズがあることを発表。池田は「あんまり綺麗な台本じゃみっともないので、今日ウチに帰っていろいろ書いておかないと」とその場を和ませた。
マスコミからの質問パートでは、安彦に「マンガからアニメになるにあたって変更した部分はあるか」と質問が飛ぶ。安彦に「4話(「機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜」)には『映像にするとちょっとな』という部分がある。それは4話のひとつの目玉であるララァとシャアのエピソード。特殊な話なのでちょっと浮いちゃうんですね。でもそれをどう馴染ませるかということについて皆さんのお知恵をいただいて、ちょっとしたことことをやったんですけど、結果として上手くいったと思ってます。楽しみにしてほしい」と期待を煽った。
本展では安彦のマンガ原画をはじめ、アニメの設定資料、アニメ原画、背景画、絵コンテ、3DCGの資料や映像を約300点展示。なかでもアニメ関係の資料のほとんどは本展で初公開となる。また10分の1サイズのGUNDAM THE ORIGIN版ガンダムRX-78-2の立像も初お披露目。グッズコーナーでは展覧会限定のガンプラや、この展覧会から販売されるグッズが約70点並ぶ。
GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダム THE ORIGIN展
会期:2016年8月3日(水)~8月22日(月)※会期中無休
時間:10:00~20:00(入場は閉場の30分前まで、最終日は17時閉場)
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
入場料:一般800円、高校・大学生600円、小中学生400円
主催:GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 展実行委員会
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リンク
- GUNDAM PRODUCT ART 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN展 - 展覧会&ギャラリー | 松屋銀座
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト
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