特別展「ルーヴルNo.9」は明日開幕!日仏マンガの華麗なる大競演を詳細レポ

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ルーヴル美術館監修の特別展示「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」が、明日7月22日から9月25日まで東京・森アーツセンターギャラリーにて開催される。本日7月21日、同展のオープニングイベントと内覧会が行われた。

(上段左から)ダヴィッド・プリュドム、坂本眞一、ベルナール・イスレール、二コラ・ド・クレシー、五十嵐大介、エリック・リベルジュ、エティンヌ・ダヴォドー。(下段左から)クリスティアン・デュリユー、松本大洋、神谷浩史、菜々緒、ファブリス・ドゥアール、谷口ジロー、フィリップ・デュピュイ。

(上段左から)ダヴィッド・プリュドム、坂本眞一、ベルナール・イスレール、二コラ・ド・クレシー、五十嵐大介、エリック・リベルジュ、エティンヌ・ダヴォドー。(下段左から)クリスティアン・デュリユー、松本大洋、神谷浩史、菜々緒、ファブリス・ドゥアール、谷口ジロー、フィリップ・デュピュイ。

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ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 ~漫画、9 番目の芸術~」のチラシ。

ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 ~漫画、9 番目の芸術~」のチラシ。[拡大]

ルーヴル美術館ではその魅力を、マンガという表現を通して伝えるため、2005年より「ルーヴル美術館BD(べーデー)プロジェクト」を実施。これはフランス内外の著名なマンガ家やバンド・デシネ作家に、ルーヴル美術館をテーマとした作品を描いてもらう企画だ。「ルーヴルNo.9」ではそこで描かれた作品の原画や関連資料、映像など約300点を一挙に展示する。

オープニングイベントには、作品を出展したマンガ家11人が登場。日本からは谷口ジロー松本大洋五十嵐大介坂本眞一が、海外からはニコラ・ド・クレシー、エリック・リベルジュ、ベルナール・イスレール、クリスティアン・デュリユー、ダヴィッド・プリュドム、エティエンヌ・ダヴォドー、フィリップ・デュピュイが登壇した。

谷口ジロー

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マイクの前に立ったクレシーは、「日本の文化はヨーロッパのアーティストたちにとって重要なインスピレーションの源泉でした。例えば(歌川)広重や(葛飾)北斎の作品は、かなり昔から世界の芸術の遺産として認められています。私にとってそれは河鍋暁斎、宮崎駿先生、谷口ジロー先生、松本大洋先生といった方たちです。彼らのような偉大なアーティストたちが、日本および世界の作家たちに幾世代にもわたって影響を与えているのです。フランス人作家を代表して言わせてもらうと、ここ、森アーツセンター(ギャラリー)という日本現代美術の代表的な場所で作品が展示されることは、私たちにとって、とても感動的なことなんです」と、感慨深げに語った。

続いて谷口も挨拶し「私は古くからバンド・デシネの魅力に取り憑かれていて、自分のマンガもかなりそれに影響を受けてきました。たくさんのバンド・デシネ作家と一緒に作品が展示されるのをうれしく思っています。今回の16人の作品ひとつひとつ見ても、どれも全然違う個性がある」と、作品への期待を持たせてくれる。

ファブリス・ドゥアール

ファブリス・ドゥアール[拡大]

そして同展の総監修を務めた、ルーヴル美術館のファブリス・ドゥアール氏も登場する。「なぜマンガの展覧会をルーヴル美術館が主催で行うのか不思議に思う人もいるかもしれません。(ルーヴル美術館は)世界的な知名度があり、200年以上の歴史を誇る美術館です。でもそれだけがルーヴル美術館ではありません。古の特別な作品を保管するだけの場所ではないのです。ルーヴル美術館は現代社会に適応し、寄り添い、ともに歩み続けている。バンド・デシネ、マンガとのコラボをすることは自然なこと」と展覧会開催に至った経緯を語る。また「もしもブリューゲルやミケランジェロがこの時代に生きていたらバンド・デシネを描いてたことでしょう。芸術として絵を描くという作業は本質的に同じだからです。芸術に序列はありません。今回の展覧会ではみなさんにそれを発見してもらいたい」と、展覧会へかける熱い思いを述べた。

(左から)菜々緒、坂本眞一。

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続いてオフィシャルサポーターである女優の菜々緒と、展示会の音声案内も担当した声優の神谷浩史が壇上に。坂本が菜々緒をモデルに描いた絵画が披露されると、坂本は「できあがりを見て『どういう気持ちになるのかな、満足してくれるのかな』と考えていました。『かつて18世紀にいた肖像画を描く画家たちも、こういう気持ちで肖像画を描いていたのかな』と思いながら描いていました」と、制作時の心境を明かす。さらに「実際に会ってみてとても美しいので、もっと美しく描けばよかったと猛省してます(笑)」と話すと、菜々緒は「十分です! 本当に美しくて、私もこんな美しい女性になれるように日々努力してがんばっていかないといけないと思います」とフォローしていた。

「サモトラケのニケ」をモチーフにしたインスタレーション。

「サモトラケのニケ」をモチーフにしたインスタレーション。[拡大]

ここからは内覧会の様子をレポートする。会場の入り口にあるシアターでは、謎の紳士“ムッシュNo.9”がルーヴル美術館や、展示会の成り立ちについて語る映像が流れる。そしてシアターを抜けると、ルーヴル美術館の代表的作品「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカが来場者をお出迎え。像の周りを無数のマンガが飛び交う迫力のあるインスタレーションで、来場者を驚かせる。そしてそれを囲うように展示の第1章「偉大なるルーヴル美術館 The Great LOUVERE」が展開され、谷口による「千年の翼、百年の夢」、ダヴォドー「寄り目の犬」の原画などが飾られる。

荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の展示。

荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の展示。[拡大]

さらに進みゲートをくぐると、幻想的な世界観が広がる展示の第2章「ようこそ、異次元の世界へ」が始まる。第1章ではルーヴル美術館の表の姿が紹介されたが、ここでは知られざる裏の顔が明らかに。荒木飛呂彦の「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が、おなじみの特徴的な擬音の立体化とともに展示されている。またルーヴル美術館に人知れず住み着く猫たちを描いた、松本による「ルーヴルの猫」の大型パネルも。そこからまた進んでいくと、第2章とはガラリと雰囲気の変わった未来的な空間の第3章「時空を超えて」に突入する。手描き作品のほかデジタル作品も展開され、過去でも未来でも普遍的な存在であるというルーヴル美術館が、ヤマザキマリ、寺田克也、坂本、五十嵐、クレシーの作品によって紹介されていく。

第3の展示「時空を超えて」の様子。

第3の展示「時空を超えて」の様子。[拡大]

最後には来場者が展示物と一緒に写真撮影できるコーナーを用意。マンガのコマの中に入り込んだような写真が撮れる“ルーヴル No.9”をはじめ、坂本が描いた菜々緒のイラスト、本展のイメージソングを担当した歌手・米津玄師による描き下ろしイラストが並ぶ。また物販コーナーでは、Tシャツやエコバッグなどのオリジナルグッズも販売される。

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ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9 番目の芸術~」

会期:2016年7月22日(金)~9月25日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
主催:ルーヴル美術館、フジテレビジョン、東映、小学館集英社プロダクション、森アーツセンター

巡回展・大阪

会期:2016年12月1日(木)~ 2017年1月29日(日)(予定)
会場:グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタルイベントラボ

巡回展・福岡

会期:2017年4月~5月(予定)
会場:未定

巡回展・名古屋

会期:2017年夏
会場:松坂屋美術館

参加作家

二コラ・ド・クレシー、マルク=アントワーヌ・マチュー、エリック・リベルジュ、ベルナール・イスレール、荒木飛呂彦、クリスティアン・デュリユー、ダヴィッド・プリュドム、エンキ・ビラル、エティエンヌ・ダヴォドー、フィリップ・デュピュイ、谷口ジロー松本大洋五十嵐大介坂本眞一、寺田克也、ヤマザキマリ

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高田明美(マミと野明の母(?)♡) @AngelTouchPlus

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