アニメ「風のように」試写で、ちばてつや「養蜂家にもなりたかった」

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ちばてつや原作の短編アニメ「風のように」の完成披露試写会とトークイベントが、本日5月7日に東京・プーク人形劇場にて行なわれた。

(左から)石川サブロウ、村上もとか、ちばてつや、川三番地。

(左から)石川サブロウ、村上もとか、ちばてつや、川三番地。

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ちばてつや

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トークイベントにはちばをはじめ、マンガ家仲間の石川サブロウ村上もとか川三番地、監督の本多敏行、作画の野口征恒が参加。冒頭、アニメの感想を聞かれたちばは、アニメ化に協力した人への感謝の言葉とともに「私が描いたのは白黒ですから、新しい世界を見せてもらった感じがしました。しかもキャラクターの目が生き生きとよく描かれていた」と答える。また、ちば作品の中で同作が一番好きだという石川は「高校1年生ぐらいのときに『風のように』を読んで、『こんなマンガを描きたい』と思って、マンガ家を目指しました。そういう大事な作品なので感無量で見ていました」と、感動を露わにした。

また物語のカギとなる養蜂家について、読者からは「なぜそれを少女マンガと結びつけたのか?」という質問が。ちばは「マンガ家っていうのは、ずっと部屋に閉じこもって、机にかじりついて、締め切りに追われてという毎日なんです。だから花を追いかけて日本中を旅する養蜂家は、マンガ家になれなかったらなりたいと思うくらい憧れてたんです」と、驚きの経緯を明らかに。さらに続けて「あとその時、日本のいろんなところで自然が破壊されていたということもあり、無意識のうちに誰かに描かされたような気がします」と当時を振り返った。

「風のように」トークイベントの様子。

「風のように」トークイベントの様子。[拡大]

そして話題は淡い恋が描かれた同作にちなみ、それぞれの初恋の思い出に及ぶ。石川は「現実ではないんですが、ちば先生の『ハリスの旋風』のオチャラですかね。気の強い女性が好みなので」とコメント。対してちばは「男ばっかりの4人兄弟で育ったせいで免疫がないので、すぐ好きになってしまう。さっきも(本編を観ているときに)隣にいた野沢雅子さんにドキドキしました」と話し、会場を沸かせた。

イベントの後半、作品へのこだわりについて聞かれたちば。「パーフェクトな人間には魅力を感じない。三平もジョーも欠点だらけだけど、下手なりに一生懸命やっているから応援したくなる。そういう親しみを感じさせるキャラクターにこだわって、これまで描いてきたのかなと思います」と語った。またここで、会場には歌手の松本佳奈が登場。アニメの主題歌「恋風」を歌い上げ、客席はうっとりした空気に包まれた。

出演者によるサイン色紙。

出演者によるサイン色紙。[拡大]

最後に、ちばと会場にいる全員でじゃんけん大会を開催。勝ち残った5人に、作画監督によるイラストとマンガ家陣のサインが入った色紙がプレゼントされ、トークイベントは終了した。

原作の「風のように」は、1969年に読み切りとして週刊少女フレンド(講談社)に掲載された短編作品。養蜂一家に生まれた少年・三平と、旅先で彼が出会った少女・チヨを軸に、人間と自然との共存について描いていく。アニメは、7月9日より東京・下北沢トリウッドにて上映される。

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(c)ちばてつや/エクラアニマル

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